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パイオニアの苦境

パイオニアという会社をご存知でしょうか?私たちの年代ですと音響機器において素晴らしいネームバリューがあった会社です。その後、レーザーディスクで一世を風靡、飲み屋には必ずと言ってよいほどこのカラオケマシーンがあった時代もありました。その後、自動車のナビで再び著名になりますが、会社の業容は芳しくなく、その存続が危ぶまれています。日経にそんな記事がありましたの少し覗いてみたいと思います。

パイオニアの現在価値は自動車メーカー向けのOEMのナビが主力であります。このナビ事業ができるのは子会社にインクリメントピーというデジタル地図データ会社があるためであります。同社は自動車メーカーなどが出資参画するダイナミックマップ基盤という官民連携企業に加わることで自動車メーカー各社にナビを提供できるという仕組みになっています。

日経では「名門パイオニア、『孤高』がまねいた漂流」という記事があるのですが、それには触れていないある問題が日経ビジネスのほうに指摘されています。

パイオニアが銀行からの追加融資を断られたことで出資先を探していたところ、香港のベアリングプライベートエクイティ社が出資を快諾、しかも出資に先立って融資までしてくれるというおいしい話に同社が飛びつきました。ところが香港=中国というイメージから高精度の日本の地図が中国に筒抜けになるのか、という話になり、上述のダイナミックマップ基盤社が難色を示しているというのです。

言い換えればパイオニアが香港のベアリング社から出資を受けた時点で日本のカーナビ事業から弾き飛ばされるリスクが出てきたというのです。そのために本来であれば出資はすでに完了している時期であるにもかかわらずそれが先延ばしになっているという日経の記事につながるのでしょう。

ところで日経にも指摘があったのですが、カーナビは日本のガラパゴスに近いものがあります。まず、カーナビという言葉自体が日本語であります。カーナビゲーションだろう、と言いますが、そんな英語は通じません。GPS(GlobalPositioningSystem)と言います。そのカーナビ、海外で使うのか、といえばあまり使わないのが実情です。それは道路が日本ほど複雑ではないこと、渋滞も限られていることがあるのでしょう。私の車にもナビはついていますが、設定してどこかに行くことはほとんどないのが実情です。

というより海外では最近、グーグルマップの方が正確、かつ渋滞情報も出るのでナビより便利なのであります。言い換えれば専用カーナビそのものが不要な時代に向かいつつあるともいえるのでしょう。(更にそのうち自動運転になれば自分で道を探すこともありません。今のナビとは人間とコンピューター情報を繋ぐ過渡期の機器であるとも言えそうです。)

かつて日本のAVメーカーは世界をうならせる実力がありました。パイオニア、サンスイ、赤井電機、ビクター…。先日はテレビの話をしましたが、AV機器についても本当に寂しい限りです。私はオーディオが好きですので家にはデカいスピーカーがゴロゴロと鎮座していますが、こんなものを若い人が見れば無用の長物と思われるのでしょう。

パイオニアが今後、どう生き延びるのか、全く違う何かを見出せるのか、何か他人事のようには思えないところがあります。

では今日はこのぐらいで。

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