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50歳以降も今の会社にいる想像がつくか

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あなたは何歳まで働くつもりだろうか。生涯年収を増やしたいなら、働ける期間は長いほうがいい。そのためには今の会社での出世競争に力を注ぐのは避けたい。30代で独立してイベントプロデューサーとなった水代優氏は、「組織内で出世しても60歳ぐらいまでしか働けない。それより50歳までに会社の外で働けるように準備したほうがいい」と説きます――。

※本稿は、水代優『スモール・スタート あえて小さく始めよう』(KADOKAWA)の第5章「会社員のうちに『ライフシフトする』考え方」を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/AndreyPopov)

■キャリアチェンジは50歳でするのがいい

ちまたでは「ライフシフト」がさかんに語られています。僕も30代で会社を辞めて独立しましたが、とはいえ、みんながみんな30代とかでライフシフトをする必要はないと思っています。自分の会社員時代の経験や、いまさまざまなプロジェクトを通して見聞きする組織の様子から考えると、日本で会社に勤めている人なら、シフトするなら50歳頃が適切ではないかなと感じています。

その理由は、日本の会社の仕組みです。

新卒一括採用で入社した同期はみんな、同じような経験をしながら、同じように昇進していきます。でもそれは、45歳くらいまでの話です。50歳くらいになると、役員になっている人、役員候補になっている人もいれば、そうではない人もいます。きっとそれまでも小さな差は付いていたのだけれど、それがはっきり誰の目にも見えてわかるようになるのが、45歳くらいだと思うのです。

そこで「あ、自分は役員にはなれそうにない」と気が付いたとき、多くの人はキャリアチェンジ、ライフシフトを真剣に考えるのではないでしょうか。

45歳で気が付いて、5年間準備をして、50歳で実行。悪くないプランだと思います。

■80歳まで同じ会社で働き続けられる可能性は低い

「50代は会社員人生で最高に給料をもらえる時期だから、50歳で辞めるなんて、それまでの20年以上の投資を回収できずに損だ」と考える人もいるかもしれませんが、その刈り取り期間は10年ほどしか続きません。定年まではあっという間です。

80歳までその会社で働き続けられる可能性は、かなり低いはずです。だったら、50歳のタイミングで、今勤めている会社にこだわらずに80歳まで働ける場に自分を置くのです。

45歳で「まだこの会社で上に行けるかも」と期待が持てていて、そちらに全力投球する人は、シフトのタイミングを逸してしまうかもしれません。

それに「定年後」だと、少し遅い気がします。定年しているということは、それまでの人間関係もリセットされているということです。そこでいきなり起業はちょっと危険です。だから、定年までと定年後をきっちり切り分けるのではなく、45歳くらいから少しずつ準備をして、満を持して50歳で会社を辞めるのです。60歳ではなくて50歳なのは、「50代と60代では気力や体力がまったく異なる」とよく聞くからでもあります。

もちろん、20代から準備をして30代で独立、ということもできますが、でも、それをやってしまうのは、せっかく手に入れた、そしてそこでしか学べないことがたくさんある会社員という立場を早々に手放してしまうことになり、もったいないことだと思います。

会社での仕事は、楽しいことばかりではないでしょう。でも、そこでしか学べないこともあるので、20代、30代は修業期間と思いながら、少しずつその先の人生の準備をしておくのがいいと思います。

■50代以降の「選択肢」を増やすために

もちろん、「50代以降も会社に残る」という選択肢もあります。先輩たちと話していてよく思うのは、マネージメントが好きな人と、そうでもない人がいるということです。マネージメントが好きな人は、会社に残って腕を振るったほうが楽しいと思いますし、部下を育てたり、チームを率いたりすることにやりがいを感じる場合もあるでしょう。

ただ逆にいうと、みんながみんなそうだとは、話を聞いていて思えません。たとえば、新聞記者として働いていて、事件を追って原稿を書いて、表現することが好きなのに、デスクで部下の下手な原稿にうんざり……「むしろ僕が取材に行きたい!」と思うようなタイプの方もいますよね。「50代で独立を」という話は、あくまでそのように「プレイヤーとしての自分のほうが楽しい」と思える方にお伝えできればと思っています。

料理が作るのが好きすぎて、シェフになったはずなのに、いつの間にか何店舗もマネージメントをする立場になっていることもあります。そんなときは、「料理を作っていたいのか? マネージメントが好きなのか?」を改めて考えてみてもいいと思うのです。

もちろん、独立したら今の給料より下がると思います。でも、「50~60歳(もしくは65歳)まで稼いで定年後に悠々自適」と「50~80歳まで30年間、元気に、みんなに頼られながら働いて、生涯年収はだいたい一緒」の、どちらが良いか――それは人によってそれぞれだと思いますが、そのような選択肢があるということは意識しておきたいです。

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