記事

マイケル・ジョーダンも参入、人気沸騰のeスポーツ - 土方細秩子 (ジャーナリスト)

 eスポーツとは家庭で遊ばれているようなビデオゲームを世界中のプロゲーマーが競い、それをショーとして見せる、というものだ。現在ではコミコンなどの会場でeスポーツのトーナメントが行われたり、ビデオ配信を通して実況中継が行われるなど、世界中でファンが増加している。

10月28日、ドイツ・ハンブルクで行われたeスポーツイベント「ESL One Hamburg 2018」(AFLO)

 マーケットリサーチ会社、Newzooによると「eスポーツをたまに見る」「熱狂的ファン」という人を合わせた数字は毎年2桁以上の増加を見せており、2019年には「たまに見る」「熱狂的ファン」を合わせるとその数は4億人を突破する見込みだという。またメディアの放映権、トーナメント入場料、オンライン広告、スポンサーなどを合わせた経済規模も2014年には2億ドル程度だったが2019年には5倍近い10億ドルを超える数字が見込まれている。

 実際にeスポーツは野球、バスケットボールなどの一般的なスポーツの試合と遜色ないほどの視聴者を集めている。昨年行われた「リーグ・オブ・レジェンド」というeスポーツイベントの世界チャンピオン決定戦はネットを通して世界中で8000万人が視聴した。この人気ぶりから今年7月には米国テレビネットワークのESPNとディズニーがeスポーツリーグの放映権を数年間契約で結んだ、と話題になったほどだ。

 選手集めもプロスポーツ並みになっている。米バスケットボールのNBAは傘下にバスケットボールをテーマにしたeスポーツのリーグを持ち、今年はその選手の「ドラフト選考会」まで開催された。一般のスポーツと同様、米国では高校や大学でeスポーツクラブというものも生まれ、そこからプロとして金を稼ぐプレイヤーも登場している。

マイケル・ジョーダンも参入

 そこに投資家として参入が発表されたのが、バスケットボールのレジェンド、マイケル・ジョーダン氏だ。ジョーダン氏は「チーム・リキッド」というeスポーツリーグを有するaXiomatic社に投資家、オーナーの一員として加わる、という。aXiomatic社には既に同じくバスケットボールのレジェンドの一人、マジック・ジョンソン氏もオーナーとして加わっており、1992年のオリンピックで「ドリームチーム」のメンバーとして活躍した2人が今度はeスポーツチームオーナーとして名を連ねることとなった。

 今回発表された投資ラウンドには資本家のデビッド・ルーベンスタイン氏、NBAゴールデンステート・ウォリアーズのオーナーであるピーター・グーバー氏などの大物も参加しており、投資総額は2600万ドルと発表された。

 これだけの投資を集められるのは、チーム・リキッドがそれだけの実力を備えているためだ。リキッドは昨年総額で1100万ドルの賞金を稼ぎ出した人気eスポーツチームで、5人の世界でもトップクラスのスタープレイヤーを抱える。なんとチームのロゴの入ったゲーム用ハードウェアを始め、Tシャツ、キャップなどのファッションからスポーツウェア、アクセサリーまで販売している。パートナーには有名ゲームソフトウェア会社も名を連ねており、まさにチームとして様々なビジネスを展開しているのだ。

 ゲーム会社にとってもeスポーツの隆盛は好ましい現象だ。プロゲーマーが驚くべきテクニックでゲームを競うことで、そのゲームソフトの売り上げにつながる。米国だけでも昨年1年間でゲームコンテンツの売り上げは290億ドルに達している。最近はスマホゲームに押され気味、とは言えビデオゲーム人気はまだ健在であり、eスポーツがそれをさらに後押しする傾向にある。

2028年のロサンゼルス五輪で種目として採用されるか?

 現在注目されているのはeスポーツがオリンピック競技として認められるのではないか、という点だ。もし2028年のロサンゼルス五輪で種目として採用されるようなことがあれば、eスポーツ人気は一気に爆発する可能性もある。

 オタクゲーマーが一心不乱にキーボードを叩く姿を見て面白いのか?という疑問もあるかもしれない。しかしゲームショーは派手な音楽とノリの良い司会、ストリートファッション風のユニフォームに身を包む選手などで、アニメショーにも似た独特の雰囲気を持つ。多くの若者がプロを目指す、これからの人気職業分野の一つとして成長を続けている。

あわせて読みたい

「eスポーツ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    生活保護のしおりに誤解招く表現

    藤田孝典

  2. 2

    日本人が言わない「遺伝の影響」

    橘玲

  3. 3

    親日の美人議員 文大統領を批判

    高英起

  4. 4

    韓国主張する北朝鮮船の認知に謎

    和田政宗

  5. 5

    恋愛禁止の崩壊が招いたNGT事件

    小林よしのり

  6. 6

    仏国内で高まるゴーン氏への批判

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  7. 7

    照射問題に沈黙の立民理解できぬ

    城内実

  8. 8

    バンクシー投稿は小池知事の焦り

    やながせ裕文 東京都議会議員

  9. 9

    全裸レストランが失敗する理由

    東龍

  10. 10

    元人気女子アナが韓国政府を批判

    高英起

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。