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【アマゾン】、25ドルの最低購入額なしで送料無料!プライム会員からクレームが増える?


■ネット通販最大手のアマゾンは5日、送料無料となる25ドルの最低購入額を年末商戦中に一時停止することを発表した。無料2日間シッピングの対象商品を拡大したウォルマートや2日間シッピングを送料無料にしたターゲットに対抗する。

アマゾンで送料無料となるのは「グランド・シッピング(Ground shipping)」と呼ばれるもので、注文から5日〜8日かかる陸送だ。同販促はアメリカ国内限定で11月5日から開始されるが、いつ終了するのかは明らかにしていない。

 年会費119ドル(月額12.99ドル)のアマゾン・プライムでは、無料2日間シッピングで対象商品を1億アイテムに拡大している。またアマゾン・プライムでは当日宅配サービスのプライム・ナウでも対象商品を300万アイテム以上となっている。

プライムナウでは生鮮品などホールフーズ・マーケットから宅配する対象地域も63都市に拡大している。プライムナウはプライム会員のみが利用できる有料のサービス。プライムナウでは、1回当たり35ドル以上の買い物をすることで2時間以内の宅配が無料となる。また、手数料7.99ドルを支払えば、1時間以内でのスピード宅配の利用も可能だ。

対象商品はホールフーズが扱うオーガニック等の生鮮品やベーカリー、乳製品、花、日用品などほぼすべての商品となる。プライム会員向けサービス「カーブサイド・グローサリー・ピックアップ(Curbside Grocery Pickup from Whole Foods Market)」も拡大中だ。先月末からサンディエゴを含め14都市での展開となった。

カーブサイド・ピックアップは利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービス。通常、利用者は車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。

ホールフーズのカーブサイド・ピックアップは、35ドル以上の買い物であれば注文から1時間後のピックアップで手数料無料、30分後のスピードピックアップは手数料が4.99ドルとなる。35ドル以下の場合は1.99ドルの手数料がかかる。対象商品はプライムナウ宅配と同様、ホールフーズが扱うオーガニック等の生鮮品やベーカリー、乳製品、花、日用品などほぼすべての商品。商品価格はホールフーズの店頭価格やセール価格と同じとなっており、全店で展開しているプライム会員向け値引きプログラムも適用する。

 ウォルマートは先月、同社の「無料2日間シッピング(FREE 2-Day Shipping)」で対象商品を拡大した。ウォルマートの無料2日間シッピングは、35ドル以上の買い物をすれば年会費など払う必要なく2日間で配送するサービス。午後2時までに注文を確定することで2営業日後に届けられる。

一方、ターゲットは年末商戦に向けて2日間シッピングの送料無料を行っている。ターゲットの最低購入額を定めない「無料2日間シッピング(Free 2-Day Shipping)」は11月1日〜12月22日で対象商品は数十万アイテムとなっている。

 年末商戦ではオンライン売上が今年も急伸すると見込まれている。最も低い成長予測となる調査会社フォレスターでも前年比13.5%増と、二桁の増加を予想。インターネット・リテーラーは15.5%の増加、eマーケッターも16.2%の増加と見込んでいる。調査会社デロイトでは17%〜22%増という高い予想をしている。

送料無料の競争が増えるとさらにリアルからオンラインへの売上移動が起きそうだ。

トップ画像:ホールフーズにあるアマゾン・ロッカーでピックアップを行うIT&オムニチャネル・ワークショップ参加者。25ドルの最低購入額を年末商戦中に一時的に撤廃することで、プライム会員からのクレームが発生しやすくなる?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社のIT&オムニチャネル・ワークショップではクライアントにオムニチャネル体験をしてもらっています。参加者がネット注文も行いますが、時間がない場合、後藤がネット注文することもあります。参加者が日程通りにピックアップできるように手配するのが大変です。ウォルマートのピックアップタワーやアマゾン・ロッカーでピックアップするとき、注文が早すぎると預かり期間を超えてピックアップできなくなります。注文が遅すぎると当日のピックアップで間に合わないということもあります。

注文からすぐに出荷できる商品もあれば、出荷が遅れる商品もあるからです。アマゾンが送料無料となる最低購入額を年末商戦中に一時的に停止すると発表しました。置き配では盗難のリスクがあるため、アマゾン・ロッカーを使ってピックアップする人が増えると予想できます。ホールフーズのロッカーを使ってピックアップ実演をしようにも、ロッカーがいっぱいになってしまう可能性があるのです。

 ホールフーズで日常的に買い物するプライム会員は少なくありませんから、そういった人たちにもロッカー利用が制限されクレームとなる可能性があります。最低購入額の撤廃は実のところ痛しかゆしなんですね。

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