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特集・震災から1年 原発から12キロ、警戒区域の富岡町に1人住み続ける農家の訴え

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質疑応答


――年間被曝量はどれくらいでしょうか。そして長期的に、健康問題をどのようにお考えでしょうか。あとどれくらい富岡町に住まわれるのでしょうか。

松村:年間被曝量は、はっきりわかりません。富岡町には、死ぬまで居続けるつもりです。少々被曝しても、犬も猫も私も影響はありません。

目の前に発電所、でも電気は来ない


――今のお住まいから原発までの正確な距離を教えていただけませんでしょうか。また、家畜たちの食料はどうまかなわれているのでしょうか。とても寒い大雪の今年ですが、今のご自身の生活を教えていただけないでしょうか。

松村:私の家は、第一原発から南西12キロのところだと思います。家畜の食料はブログでリクエストを書きますと、動物愛護団体や一般市民の方から送られてきますので、今は困っておりません。私の生活では電気は使えないので、灯りはろうそくを使っております。

 当然ながら、他の電気機器も使えません。寒さは石油ストーブでしのいでおります。石油は去年も寒い冬だったので、どの家も残っています。一時帰宅した方から、何かあったら困るということで、たくさんいただいております。あとは、掘りごたつの炭ですが、これも余るほどあります。

 食べ物ですが、夏は冷蔵庫が動かなかったので、ほとんど缶詰でした。私は好き嫌いがないので、ほとんど納豆と豆腐を食べております。あと言い忘れたのですが、私は地震、津波、放射能の中、ろうそくで生活しているのに、目の前では火力発電所がフルパワーで操業している。だから、東京はこんなに明るい。

――世界の協力がほしいとおっしゃっておりましたが、具体的にはどのような協力が必要ですか。次にお二人に質問です。お二人とも、反原発の立場とのことですが、先ほどの恩田さんの話の中では「マフィア」という言葉が出てきました。「マフィア」という言葉を聞くと少し心配するのですが、実際に監視されたり、追いかけられたりということはあるのでしょうか。

松村:家畜が大変な問題となっております。政府と行政は、何もできないのに、家畜を殺すことだけはできるんです。世界の皆さんから、政府と行政に「生きているものをむやみやたらに殺生するのでない」ということを伝えていただきたい。牛小屋を立てるための寄付をしていただきたい。牛も家畜ですから、今の狭い柵での管理では長くはもたないと思っています。

恩田:私が原子力マフィアというのは、国際通貨マフィアから連想しました。各国の中央銀行総裁たちが集まって密談をしている、これを思い浮かべました。原子力で言いますと、IAEAを頂点とする国際原子力マフィアがいると私は定義づけていました。

 その中で、日本の原子力マフィアは政財官のトップたちの談合組織です。そして、一番末端には先ほどの作業員たちを調達するヤクザ・暴力団組織です。私の身辺については、以前某宗教団体に追いかけられたり、それらしき車が家の前に止まっていることはありました。

 最近新しい車が止まっていると、声をかけることにしています。そうすると、昔とは異なる顔があることもあります。私は逃げ隠れもせず、すべてをオープンにすることが最大のセキュリティーだと考えております。ただ、ここまで言うと消されるかもしれません。将来私のことを見かけなくなったら、消されたと思ってください。

松村:私は、東京電力と政府は40年前に「原発は近い将来に爆発する」と思って、造ったと思うのですよ。それが嘘なら、普通電線を引くコストのない東京湾に造りますよ。「関東がやられるとダメ、福島なら人口も少ないしいいか」と思ったのですよ。最初から、前提は原発は爆発するということです。

――富岡町に戻ってほしいとのことですが、完全に除染することはできるのでしょうか。

松村:今の技術では難しいと思います。しかしセシウム134は2年で半減しますし、セシウム137は30年が半減期です。最近では、予想より放射性物質ははるかに少ないみたいです。風で飛ばされたり、雨で流されたりしているようです。15年経てば、帰りたい人は帰れるようになっていると思います。

JAXAと土壌の実験


――米農家とのことですがこの一年、何か農作業をされたのでしょうか。福島の農家は、風評被害という形でこの一年間苦しんで来られたと思うんですが、これからの福島の農業のことをお聞かせ願えますか。

松村:去年、私は20キロ圏内で自分の田んぼの一枚は作りました。稲穂と土壌の一部のセシウム濃度を調べるため、JAXAにもって行きました。調べてみると、500ベクレルという当時の基準を下回る200ベクレル以下でした。つまり、うちの米は食べても大丈夫ということです。

 しかし、同時にその隣の今年耕していない田んぼの土壌も持っていったのですが、これは1,000ベクレルでした。これを研究者と話し合ったところ、セシウムは土壌の表面に付いている。耕した結果、これが地中の土壌と混ざったのだという結論に達しました。だから、今年の稲穂はセシウムをあまり吸収しなかったのだと思われます。

 このことより、私なりに除染の方法を考えました。まず水田や畑はほどほどにして、草を一杯生やします。これを今いる牛に食べさせて、その糞尿をバクテリアに食べさせます。すると、放射性物質の量をコンパクトにできますので、これを最終処分場にもっていく。そのようなことも、実はJAXAと実験していたのです。

――松村さん。あなたは今、ご家族とご一緒なのでしょうか。また、町の人や友人の反応はどうなのでしょうか。

松村:家族は両親と私の三人でした。爆発から一ヶ月くらい過ぎて、兄に「こんなところに居たら、死ぬべ」と言われました。兄弟との協議の結果、静岡の姉に両親の面倒をみてもらうことになりました。次の質問ですが、町の人には大変助けられています。一時帰宅の人は、様々な生活物資を持ってきてくれます。

――政府が、20キロ圏内を立入禁止にする理由として、窃盗などの犯罪の発生を挙げておりますが、そのようなことをご覧になられたでしょうか。また「メディアに入ってきてほしい」とのことですが、具体的にどのようにして違法な立入禁止圏内に入れるでしょうか。

松村:多分、合法的な方法では中には入れないと思います。私は当然何十回とやっておりますが、まだ捕まっておりませんので、ラッキーだと思っております。

 犯罪となりますと、コンビニのATMはすべてやられました。家も多くが窓を割られ、盗みに入られています。だから、はじめに愛護団体に言ったのです。「防犯になるから餌を置いて、犬は連れて行くな」と。今でも、7頭の犬が玄関で帰らぬ主人を待っている。その中の3頭が子供を産んで、今は14頭の子犬がいます。非常にかわいいです。

――先ほど、原発の作業員の被曝量の話をされましたが、私の認識では、作業員の健康状態を調査・監督する全国的な組織が立ち上がったとのことです。その調査結果についての新しい情報をお持ちでしょうか。また、一時的な雇用者もこの対象になっているのでしょうか。

恩田:組織については耳にしておりますが、まだ集計作業の段階にあるのだと思います。私は情報を持っておりません。対象になる作業員の方は、一日いくらという形で働いていらっしゃる方たちです。このような方たちは、何か言えば首をすぐ切られますから、不都合な情報は出てこないと思います。

 もっとも、長年働いて大量被曝された方は現場から外されますので、調査の対象とはならないと思います。日当ですが、最近聞いたのですが、30年前から変わっておりません。電力会社がまず7万円位を払い、どんどんいろんな人が間で抜いていって、最終的に作業員が受け取るのは、7千円から8千円、運が良くて1万円というような金額です。

※会見ここまで

富岡町では新しい命も生まれている
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