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橋下徹の「強い野党の作り方」予備選で候補者を一本化せよ


 多くの不祥事・疑惑により、日本の政治が混迷を極める今。大阪府知事、大阪市長を歴任した橋下徹氏(49)が、8年間の政治経験から、“日本政界への檄” を本誌に独白した。

「安倍政権は、森友・加計学園問題の対処方法を完全に誤りました。政府は国民をなめてかかった。そもそも忖度なんてどんな組織にもあります。安倍(晋三)さんは日本の役所の中での最高権力者。

 首相夫人が名誉校長になれば、役所が気を遣わないほうがおかしい。昭恵さんが名誉校長を引き受けたことが間違いでした。昭恵さんが役所に対する広告塔になった責任は免れません」

 一方、報道各社の世論調査を見ると、野党第一党・立憲民主党の支持率は下落傾向、国民民主党にいたっては、1パーセントすら厳しい。野党の弱さが、官邸、与党・自民党の驕りを生んでいると、橋下氏は言う。

「挙げ句の果てに、財務省理財局による決裁文書改竄が発覚。さらに、防衛省の日報隠蔽問題などもあり、普通なら内閣が吹っ飛んでもおかしくないはずなのに、安倍政権はびくともしません。

 政権の驕りを生み、官僚が中立公正を失ったのも、野党の弱体化が主たる原因。今の日本の政治の最大の問題だと思います」

 そんな野党が政権を奪取するためには、「野党間の予備選挙」の実施こそ、唯一の選択肢だという。

「僕は、安倍政権を打倒しなければならないとは思っていません。でも、強い野党は必要です。そのためには、日本政治史上初の、予備選挙を実施しなければなりません。

 それは、選挙の前に、候補者選びを『見える化』するということ。今すぐ野党がひとつにまとまる必要はない。しかし、各野党が議席を増やすためには、野党候補を一本化する予備選が必要不可欠なのです。

 幸い、立憲民主党代表の枝野幸男さんと国民民主党代表の玉木雄一郎さんも、賛成の意思を示しています。2019年7月には参院選があり、調整が必要な一人区が32、二人区が4つある。試してみるには、絶好のチャンスだと思います。

 民主主義の本質は、政策の小難しい話ではなく、“喧嘩” なんですよ。アメリカの予備選みたいにガンガン相手を罵って派手にやれば、メディアも取り上げ、国民も関心を持ってくれるはずです」

 選挙の候補者を選ぶとき、党内の人間関係力や力関係によって、異論が出ても最終的に決まるのが自民党だと、橋下氏は指摘する。

「自民党には麻生(太郎)さんや二階(俊博)さんとか、とんでもない人間関係力を持ったリーダーがいる。そのような人たちが候補者の調整をするから、多くは一本化できる。

 彼らは常に人の世話を焼いたり、貸し借りを積み重ねたりして、人間関係力を蓄え、のし上がってきた人たち。きっと猿山に放り込まれても、リーダーになりますよ。

 でも野党には、そういうリーダーが誕生する伝統や知恵・ノウハウがないのです」

 2017年の総選挙時、民進党が解党し、現在の野党体制になるきっかけを作った一人である前原誠司・元民進党代表を引き合いに、橋下氏はこう続ける。

「前原さんは、伊丹空港、関西国際空港の一本化、完全民間運営化を実行し、関空を復活してくださった。今でもおつき合いさせてもらっていますし、実行力を持っている政治家だと評価しています。

 ですが、民進党という組織にはリーダーの言ったことに従い、まとまって動く仕組みがなかった。前原さんでもリーダーシップを十分に発揮することができなかった。

 枝野さんや玉木さんは、その失敗を教訓として組織のガバナンスを重視し、権限者が力を行使できるよう、執行部の強化という仕組みを打ち出しています」

 さらに橋下氏は、比例代表制が、強い野党の誕生を阻み、二大政党制の確立を妨げていると批判する。

「自民党では選挙区で選ばれた議員と、比例で選ばれた議員とで、扱いがまったく違う。カースト制ですよ。個人の力量で、小選挙区で勝って初めて政治家です。

 個人で大量の集票ができ、党勢拡大に貢献できる著名人でない限り、比例の議員なんて、党の候補者名簿に名前を載せて、党の力で当選しただけ。ところが、勘違いして何か偉そうなことをしゃべりだすヤツが後を絶たちません。

 杉田水脈衆議院議員も、維新の比例で初当選させ落選した後、自民党が拾って、これまた比例で当選させたわけで。これは僕と安倍さんに責任がある。こればっかりは、すいません(笑)。

 衆議院は、完全小選挙区制にして『勘違い議員』を放逐し、党の乱立を防いで、政権交代の緊張感が常に存在する二大政党制に持っていくべきです」

 今なお、精力的に政治的な発信を続ける橋下氏。政界に戻る気はないのか。

「国会議員として維新の立て直しですか? ないですないです。僕は知事、市長という有権者から直接選ばれたリーダーだったから、それなりのことができた。

 議員仲間を増やさなければ何もできない国政の世界では、僕はクソの役にも立ちません。それに、3番めの子供がやっと大学へ入るところで、あと4人残っている。政治家を超真面目に続けたら、7人の子供は養えません(笑)」

(週刊FLASH 2018年11月6日号)

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