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2年連続最高益ソニーの課題は何か

ソニーは先月30日、2019年3月期の連結営業利益見通しを上方修正し、前期比18%増の8700億円と2年連続で過去最高を更新する見通しを発表しました。牽引役は、ゲーム、音楽、画像センサーです。

※ソニーの十時CFO

18年4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比6%増の4兆1363億円、営業利益が20%増の4345億円、純利益が89%増の3994億円です。ゲーム、音楽、金融事業が好調なためです。

製品を販売したあとに、継続的なサービスで収益を得る「リカーリングビジネス」も収益を支えています。

ただし、モバイル分野は苦戦しています。

「競争環境が厳しいなかで、魅力的なスマホを投入できていない。構造改革、規模縮小、固定費の引き下げ、商品力の強化で立て直していきます」と、CFO(最高財務責任者)の十時裕樹氏は、業績発表会見の席上、述べました。

モバイル分野については、2020年度の黒字化を目指す計画です。

モバイル分野には課題が残りますが、それを除くと、ソニーは、安定的に稼げる体質を取り戻すことができたといえるでしょうね。

「すぐに変わったということではない。平井、吉田の努力の結果だと考えています」と、十時氏は述べました。

ご存じのように、平井一夫氏は2012年4月に社長に就任後、主力のテレビ事業などの不振で、4年連続の最終赤字に陥っていたソニーの構造改革と収益力強化に力を注いできました。

〝平井改革〟の成功の背景には、13年末、ソネットにいた吉田憲一郎氏を、CFOとして経営チームに引き入れたことがあります。以来、吉田氏は平井氏の経営パートナーとして、ソニーの変革をともに推進し、財務基盤を立て直したんですね。

問題は、ここから先です。

現在、社長を務める吉田氏は、18年2月3日の社長就任会見で次のように語っています。
「バランスシートの改善は緒に就いたばかりです。世界の時価総額の上位企業はテクノロジーの会社が多いですが、そこでソニーはどう戦っていくか。危機感をもっています」

つまり、今後の課題はここにあるといえるでしょう。まだまだ、安心できないというわけです。

米国のテクノロジー企業は、潤沢なキャッシュフローを稼ぎ出し、それを元手に、人々に〝感動〟や〝驚き〟を与える商品やサービスを次々と送り出しています。

考えてみれば、〝感動〟や〝驚き〟は、もともとソニーが得意としてきました。つまり、〝感動〟や〝驚き〟を取り戻すために、ソニーにはもう一段のチャレンジが求められるんですね。

チャレンジをするためには、投資が必要です。つまり、豊富なキャッシュが不可欠です。吉田氏は、中期経営計画の説明会で、「利益成長より利益の質を高める」と語っていましたが、「利益の質」を高め、チャレンジに資金を振り向けることが、これからのソニーの課題になってくるのではないでしょうか。

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