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バックアップの大切さを忘れるラジオスタッフ

西原健太郎

世の中はハロウィンシーズンで浮かれムードな今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?私はというと、先日ニューヨークのJacob K. Javits Convention Centerで行われたアニメ・コミックの祭典、"New York Comic Con "に行ってきました。

西原健太郎

海外のアニメコンベンションに参加するのは今回が初めてだったのですが、日本のアニメコンベンションとの違いをいろいろ感じました。参加層の違いや、物販に重きを置いている事などいろいろありますが、大きく違うと思ったのが、声優コンテンツの少なさ

声優が表に出てパフォーマンスをするという文化は、まだまだ日本だけの文化のようです。11月の頭には、今度は韓国のアニメコンベンションに参加する予定です。その模様はまたこのコラムでも紹介できればと思っています。

西原健太郎

放送作家のデータバックアップ術

写真AC

ところで、NYから帰ってきた後、会社の事務所でちょっとした事件がありました。とあるスタッフが編集用PCに保存したデータが取り出せなくなったそうで、データ復旧サービスなどを調べていたみたいですが、結局データは救出できなかったそうです。

こんな時、バックアップを取っていれば…と思うのですが、会社のスタッフ曰く、普段編集で使っているPCはデータ量が多く、なかなかバックアップを取るのが難しいそうです。というわけで、今回はバックアップの大切さについて、思うところを書いてみます。

どの業界でもそうだと思いますが、仕事におけるバックアップとは即ち、『何かトラブルが発生した時に使う為に、普段から用意しておくもの』です。仕事によってはそれがデータであったり、人であったりするわけですが…、放送作家の仕事だと、まずバックアップといって最初に思いつくのが、仕事用PCのデータのバックアップです。

放送作家は、昔は紙とペンで仕事をする人達もいましたが、今はほとんどの放送作家が、ノートPCを使って仕事をします。仕事道具へのこだわりについては、前にこのコラムでも書きましたが、作家にとってノートPCは、お金を稼ぎ出すための道具であり、そのデータは作家としての人生そのものです。なので、そのバックアップには細心の注意を図るわけですが、私は自分のPCのバックアップは、クラウドとハードの両面で取っています。

クラウドは、Dropboxなどを使い、複数のPCで仕事で使うデータを同期させています。もしトラブルが起こってPCのデータが飛んでしまっても、別のPCで仕事を続けられます。また、私はMACを使っているのですが、MACにはネットワークに接続していれば、バックアップを自動で取ってくれる『Time Capsule』というバックアップシステムがあります。このシステムはとても便利で、家のWifiネットワーク上にTime Capsuleを置いておけば、家でノートPCを開くと、自動で差分だけバックアップを取ってくれます。バックアップを意識しなくてもバックアップをとる事ができるのです。

MACを使っている全ての人にオススメしたいのですが、このTime Capsule、今年の5月でなんと販売が終了してしまいました。(Appleさん、新しいTime Capsule待っています!)またハード面では、ノートPCを2台使っており、一方が故障して修理に出したとしても、もう1台を運用する事で、作業が途切れないように工夫しています。

番組収録データを飛ばすスタッフもいる

BLOGOS編集部

でも、ラジオ業界を見回してみると、バックアップを取らない制作者が意外に多い事に愕然とします。年に何度か、「データが飛んでしまって大変なことになった」という声を聞きます。大変な事になるのは分かっているのに、この状況は一向に改善されないのは何故なのでしょうか…。

ちなみに、仮にラジオの現場で収録した音声データを飛ばしてしまった場合、以下の3つの対策を取ることになります。

(1)収録をもう一度やり直す
(2)残ったデータで番組を作れないかを考える
(3)番組自体を休止にする


(1)の場合、タレントのスケジュールをもう一度もらう事になり、費用的負担が生じます。(2)の場合、残ったデータで番組が作れる可能性は限りなくゼロに近いですが、奇跡的に別の素材で番組が出来てしまう場合もあります。その場合でも、かなり不自然な番組になってしまいます。(3)の場合、インターネットラジオの場合であれば、休止にするという判断もあり得ますが、地上波の場合は番組枠に穴を開る事は出来ないので、再放送などで対応するしかありません。

いずれにせよ、多方面に多大な迷惑をかける事になりますが、個人的に一番どうかと思うのは、データを飛ばしてしまった本人が、事態の深刻さを認識していないという事です。データを飛ばしてしまったその瞬間は各方面に謝りまくりますが、数ヶ月もするとその事をすっかり忘れてしまうのか、またいつもの収録体制(バックアップを取らない)に戻ってしまいます。しかも周りもそれを忘れてしまいます。ラジオ業界に、サッカーのイエローカード制度が有れば良いのにと思う瞬間です。

今日も業界では数多くの番組が収録され、放送・配信されています。せめて自分の周りだけでも悲劇を産まないように…今日も私は、会社のメンバーにバックアップの大切さを話して回ります。

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