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戦前日本:選挙権・被選挙権もあった内地居住の朝鮮人(1)

 韓国の最高裁が、戦前の「徴用工」に関して、日本企業への賠償を命じる判決を下した。1965年6月に締結された日韓請求権協定によって、請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」はずである。文在寅大統領仕えた盧武鉉大統領も、そのことを確認している。このような判決は、国際法違反でもあり、日韓関係を悪化させる。

 私の父の戦前の選挙ビラにハングルのルビがふってある理由を調査したが、多くの日本人が、そしてほとんどの韓国人が知らない歴史的事実が浮かび上がってきた。それを紹介する。

*       *        *

 私の父、舛添弥次郎が立候補したのは、普通選挙法(1925年)1回目の若松市議会選挙である。この選挙については、火野葦平の小説『花と龍』に詳しいが、父は、若松を支配した吉田磯吉の傘下で、政友会と対立する民政党側から立候補した。

 若松港は、日本最大の石炭積み出し港であり、活気にあふれ、多くの朝鮮人(戦後については韓国人・朝鮮人と区別して使うが、戦前に関しては朝鮮人と表現する)が出稼ぎに来ていた。

 ビラのハングルの謎を解くために、昭和初期の選挙について調査研究してみた。

1920年、内務省は、「朝鮮台湾樺太人ト雖モ選挙権ニ要スル総テノ要件ヲ具備スルニ於テハ選挙権ヲ有スル」(『地方行政』1920年5月号)と明言し、在日朝鮮人に参政権を認めるとの法解釈を示した。

 このときは納税額という要件があり、実際には参政権を行使できる朝鮮人は少なかった。しかし、普選制度の導入とともに納税要件がなくなり、25歳以上の「帝国臣民タル男子」で、衆議院議員については1年以上、地方議会議員については2年以上同一市町村に居住する者は、日本人も在日朝鮮人も、選挙権も被選挙権(参院は30歳以上)も付与されたのである(松田利彦『戦前期の在日朝鮮人と参政権』参照)。


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