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  • ヒロ
  • 2018年10月30日 10:40

中国には逆風か、ドイツ、ブラジルの政治話題から。

週明け、2つの政治話題に注目しています。ドイツからはメルケル首相が21年以降の党首選には出ないと明言したこと、ブラジルからは極右のジャイル ボルソナロ氏が大統領に当選したことであります。

ドイツのメルケル首相は2005年11月に首相に就任し、在任13年目を迎えるところでありますが、栄枯盛衰を見事に演じきった首相でありました。就任当初は連立の枠組みの調整に苦労するなど前政権だったシュレーダー氏の名前が見え隠れするような時もありましたが次第に自身の行動力を発揮、特に外交政策ではロシアともよいコミュニケーションラインをとり、「欧州の時代、ドイツの時代」を作り始めました。

メルケル首相が世界で最も活躍する女性と映ったのはリーマンショック後の対応、そして引き続き起きた欧州危機での強さだったと思います。規律を守ることを第一主義とするドイツからしてギリシャの軟弱姿勢を厳しく批判、また、当時は徹夜会議で何度も危機を乗り越えてきましたが、あの頃、ニュースを見るたびに真の意味の「鉄の女」とはメルケル首相のことではないかと思ったことすらあります。

が、移民問題を機にメルケル首相には暗雲が漂います。そして明らかに政権と対立するAfDなど極右候補がジワリと票を伸ばしてきたのも事実です。今回の「党首選には出ない」という発言は連立与党の調整が厳しくなっている中で州議会選挙で大破の2連敗を喫したことがその引き金となったようです。

ドイツは従来、中国と近い関係にありました。特に自動車については中国人の欧州車信奉(昔からベンツはブランド力と安全性において圧倒的人気がありました。)もあり、自動車を通じた中国との関係は深いものがあります。日本でも80年代に一時期流行したVWのサンタナは中国では圧倒的な人気を誇り(モデルチェンジ後の今でも売れているはずです。)、ベンツの筆頭株主も中国企業です。

それ以外にもドイツと中国は切っても切れない関係にあるのですが、メルケル流の外交が生み出した背景は当然あったでしょう。ドイツが今後、メルケル首相の退任を待たずに体質変化するとすれば他の欧州諸国と同様、我慢できない層の躍進は考えられます。ずばり、右派であり、ポピュリズムとなります。これは中国にとっては読みづらい相手になると考えてよさそうです。もともと中国は英国との関係強化を政策的に図ったもののメイ首相下ではそれがかなわず、その動きが沈静化しています。

さて、もう一つの話題はブラジルの大統領選ですが、こちらも先週末に状況をお伝えしていましたが、ボルソナロ氏が10%ポイントほどの差をつけて勝利しました。この人がどういう政策を持ち、ブラジルという巨大国家をどう運営していくのか全く未知数でありますが、少なくとも口の悪さにおいては天下一品のようであります。

その氏が掲げるステートメントに「ブラジルを中国に買収させるわけにはいかない」とあります。中国は自然資源に飢えており、個人的には水とか空気といったものに資金を投じる傾向を見て取っています。その点、ブラジルは自然資源の宝庫であることからBRICSの関係もあり相当の資金を投じてきたものと思われます。

しかし、ブラジルに限らず、インドネシア、マレーシア、あるいは一部のアフリカ諸国からも中国のマネー攻勢に「これはおかしいだろう」と気づきが出ています。そして中国自体もブランドものバックを買いあさるような海外の会社や資産の買収攻勢の動きは止まっています。

習近平氏の運営する中国はどう見ても四面楚歌に近い状態が生まれ始め、じわじわと追い込まれている感じがします。中国の株価の不振ぶりが注目されますが、担保処分というテクニカルな下落要素と政府のPKOのはざまが見て取れます。

世界の潮流はどこに向かうのか、少なくともメルケル氏の党首退任、ブラジルの新大統領選出は時代の流れの本流だといってよいでしょう。2020年代は荒れるのか、新しい夢と希望のある10年になるのか、読みにくいところです。

では今日はこのぐらいで。

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