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【全文】身動きも許されず、殴る蹴るの暴行も…安田純平さんが機内で語った壮絶な人質生活と「韓国人」発言の真相


内戦下のシリアで2015年6月に行方不明になったフリージャーナリストの安田純平さんが解放された。安田さんは日本時間の午前8時、トルコへと出発する機内で記者団のインタビューに応じ、ネットに投稿された動画での「韓国人」発言の真相や、身動きも許されず、暴行を受けたことなど、壮絶な人質生活について語った

■妻には「ありがとう」「申し訳ない」と伝えた


安田純平氏(以下、安田):お騒がせしまして…。

ーー奥さまとはお話になれました?

安田:電話で話をしました。

ーーどんな感じ?

安田:予想以上にたくましく対応していたようなので、よかったなって。家族には"シリアに行く"ぐらいの話はするが、詳しい話はしていない。なので、こういうことがあると巻き込まれる状態なんですけで、そういう状態を受け止めてくれて、対応してくれて、ありがたいなと。

ーー奥様には何と伝えた?

安田:状況の話ははかりしていたんですけど、"ありがとう"という言葉と、"申し訳ない"という言葉を伝えましたね。これからがちょっと大変なので。全く状況が分からないので。これからどうしようかな、というのはあるんですけど、まあ、考えてもしょうがない。全く本当にわからないので、久しぶりの日本でうまいもん食いたいなということだけを、今考えようかと。

■「人生を悔やむ時間が多かった」


ーー4か月ぶりに戻る瞬間ですけど、この日がくると思っていた?

安田:殺されはしないと思っていたんですけど、いつまで続くのかという恐怖感はあって。人質状態で恐ろしいのが、いつ終わるのかわからない。終わらないかもしれないし、殺されるかもしれない。その状況でずっと新しい情報が全然入らないので、昔のことばっかり考えて、どうしてもネがティブなことばかり考えて。

何もできない状態なので、何であれやらなかったのかとか、本当に、ただ好きなコーヒーを淹れるだけの瞬間でも本当に素晴らしい時間だったのかなとか。何もできないのもあると思うんですけど、そういう時間をなんでもっと楽しまなかったのか、とか。もっと全力で仕事できることもあったのにな、とか。人間関係もそうですし、悔やむ時間がすごく多くて。悔やむことがあっても、やり直せれば反省につながるんですけど、やり直す時間が永遠にこないかもしれない。ずっと悔み続けるということですよね。本当につらかったですね。これは自分のこれまでの人生がダメすぎてそうなっているんですけど。

ーーこれからもシリアのこと伝えたいか?

安田:そうですね、どういう形でできるか、自分が入った頃と全く情勢が違ってしまっているので、どういう形なのかわからないですけど、捕まった中で勉強したこともありますし、シリア情勢というか、イスラムというのは違う感性であったりするので。そういう日本人とは違う感性、価値観だったり、共通する部分があったり。そういう部分というのが、この世界の中でどういう動き方をするのかとか。まず今は日本で何かしたいなという方が。

日本から離れている間、やっぱり、日本が好きだなということがあって。日本の食べ物であったり、そういうのをもっと楽しみたいな、という気持ちが強い。

■ネットに投稿された動画は「ゲームみたいな感じだった」


ーー韓国人のふりをしたのはどういうこと?

安田:まったく周りに囚人がいるので、日本人であることとか、私の実名を言うと、ほかの囚人が聞いて、もし彼らが解放された後に、私の監禁場所を知っているので、例えば日本側に通報するとか、他の組織に通報したら、彼らにばれちゃうじゃないですか。だから実名を言うとか、日本人と言うこととかは禁止されていた。あのビデオというのは、そういうルールを守って最後まで撮れれば今日解放するかもよ、みたいな、ゲームみたいな感じなんです。

あそこの施設は中国から出てパキスタンの部隊をやっているので、あそこの施設の中では韓国人と言っていて、その前は中国人と言っていた。そこでは韓国人と言われたから、韓国人と言った。「ウマル」というのは、拘束中に事情があってイスラム教に改宗しないといけない状況があって、そこで自分でウマルと名乗って、彼らが設定したルールに従ったのと、泣いているバーションと、泣かないバーションを両方やれと言われて、泣けないから唐辛子よこせと言って、唐辛子を持ってこさせて自分でぬって、鼻水じゅるじゅるにして「たすけてください」と言えと言われたから言った。

うしろでがーがー言っているのは、彼らが飼っているアヒルが後ろでガーガー言っていて。みんなで石投げてワハハと言って終わったのがあの動画ですね。自分で見ていないんですけど、何かアヒルが鳴いている声が。

ーーー子どもの声も聞こえたが?

安田:アヒルの声が鳴いていないのも、撮ったのにわざわざそれを上げているのは、彼らも半分冗談で。

ーー文言は自分で考えた?

安田:いや、言わされた。いつも日付と名前と国籍、国籍イコール韓国人。彼らの求めた通り、韓国人と言った。どうでもいいというか、アップすると思っていなかった。

■「トイレの行き帰りにボコボコ蹴ってきた」24時間身動き一つしてはいけない状況も

ーー暴力は?

安田:殴る蹴るの暴行を受けることはありました。例えば日本側が彼らとの接触を絶ったあとに、彼らが私の家族と連絡をとって、私しか答えられない質問がきて、それに答えたりした。そのあとに家族は返事してこない。家族は金払えないですから。そうすると、私が何かメッセージ送ったに違いない、みたいな話になって。たとえば監禁場所は普通の家だったが、部屋の中にトイレないですから、彼らがトイレまで連行するんですけど、その行き帰りに、ボコボコ蹴ってきたりとか。

日本が払えそうだったのに、こいつが何かメッセージ送ったせいで、日本が連絡たったみたいな言いがかりをつけて、ボコボコやってきたんです。

やつらにはわからないようにメッセージ入れていたんですけど。金払うな、無事に帰るよ、放置しろっていうのは、日本側に送った回答のなかにいれていたんですけど。

Google変換してもわからないように、ちょっと変な日本語にしている。日本人しかわからないような書き方にしているんですけど。「6446」で「無視しろ」とか実際やったんですけど、彼らはそんなことを知らずに、日本側が連絡絶ったのはお前のせいだと言ってボコボコやられたことある。

あと、24時間身動き一つしちゃいけないと、水浴びしちゃいけないを8か月。その間、足を延ばして寝てはいけない。寝る範囲が1.5mだけ。それが24時間。体のどっかを触って、部屋の幅が1mしかないのに、両サイドが聞き耳たてていて、指を曲げた音がちょっとしただけでダメ。

ーー見せしめの拷問が部屋の前で始まって、すさまじい拷問を聞かされ。

安田:そういう拷問ではないけど、虐待状態というのはずっと続いて。24時間身動きしないとか無理じゃないですか。寝てる間に動いてもダメなんで寝られない。

ーー日本についてまず誰に会いたい?

安田:そりゃ家族です。もちろん。


▶安田さんへのインタビュー映像ノーカット版はAbemaTV『けやきヒルズ』で放送

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