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免震不正確認すべきタワマン 築10年以内、20階以上は要注意


長年にわたりデータを改ざんしてきたとして問題になっている「KYB」の“疑惑のオイルダンパー”。もっとも使われているのが、マンションなどを含む住宅である。

「東日本大震災で免震構造のマンションに大きな被害がなかったことから、免震・制振オイルダンパーを設置するマンションが急速に普及しました。免震装置は高額ですが、一戸あたりの負担費用が割安になる戸数の多いマンションによく設置されています。築10年以内で、20階以上のタワーマンションには、データが改ざんされたオイルダンパーが使われている可能性があります」(NPO法人「建築Gメンの会」大川照夫理事長)

ところが、KYBは自社製のオイルダンパーを納品したマンション名をかたくなに公表しない。その理由は? 東京都港区にあるタワーマンションの31階に住んでいる女性(38)が語る。

「不正データの報道をみて、慌てて管理会社に確認してみましたが、現在調査中と言われました。その後、アナウンスがありません。うちのマンションは東京都認定の免震構造で、税制も優遇されている物件。安心して購入したのに、もし不適合なものが使われていたら、騙されたようなもの。東京にもいつ地震が来てもおかしくない状態だから、マンション名を公表されたら困ります。資産価値が下がってしまいます……」

KYBは、改ざんされたオイルダンパーを「すべて交換する方針」としているが……。建築構造が専門の東京理科大学の高橋治教授はこう語る。

「すでに使用している建物で免震装置の交換工事を行うのは、そんなに簡単な話ではありません。とくにビルやマンションの壁の中に設置されている制振用オイルダンパーの交換は、壁の一部を壊したり、エレベーターを止めたりする必要があるため、工期が数カ月におよぶことも。住居や店舗、オフィスなどの場合は影響が大きく、設置場所によっては、営業を一部停止しなければいけなくなるでしょう」

しばらく間、KYBのデータ改ざんの騒動はおさまりそうにない。耐震設計・免震構造を専門にしている福岡大学の高山峯夫教授も言う。

「油圧機器メーカーとしては老舗のKYBやその子会社が行った不正は、企業の信頼だけでなく、これまで日本が世界をリードしてきた免震構造の技術に対する信頼性を傷つける行為です。日本で免震構造を普及させていこうという流れをせきとめる、とても悔しく、悲しいことです」

信頼という地盤が揺らぐことこそ地震大国・日本の大問題なのだ。

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