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武蔵小杉にみられるようなタワマン問題の本質

武蔵小杉の名前は聞いたことがあってもそのタワマン街に行ったことがある人は案外少ないかもしれません。90年代から始まった同地の超高層マンション開発は2005年ごろから加速し、現在十数棟がたち、あと4棟ほどが近年中に完成します。2010年には横須賀線が停車し、成田エキスプレスも止まる駅となったことで利便性は大幅アップ。2018年の住みたい街では関東地区では6位に食い込んでいます。

何故武蔵小杉なのか、といえば品川まで10分だし東京、新宿、渋谷、池袋、横浜を含め、乗り換えなしで行けるアクセスの良さが最大のポイントでしょう。川崎市のこの地にはもともと工場が集積していたところでした。が、再開発で街が変貌しました。私は一時期、武蔵小杉のすぐ近くに間借りしていたことがあり、周辺はそれなりに理解しています。

そこには現在、住みたい街とは裏腹の様々な問題が発生しているようです。例えば通勤時間の駅の混雑ぶりは半端なく、寝坊して走って電車に飛び乗るという朝の通勤通学風景のそれとは異にします。人が溢れて身動き取れない、であります。昼間はタワマン住民の奥様とお子様が溢れます。もちろん、各種施設の不足は言うまでもありません。

が、私が懸念する最大の問題はもともと住む地元の人との温度差ではないでしょうか?その昔は何の変哲もない街でどちらかというと横浜市でもなく、東京都でもない川崎というイメージを象徴するような下町風の店と工場街と気さくな住民でした。事実、東急東横線でもっとも庶民的な街といえば新丸子と元住吉という武蔵小杉を挟んだ両駅でしょう。行かれたことがある人は分かると思いますが、私に言わせれば赤羽とか埼京線の十条商店街のようなところであります。

そこにパワーカップルと称するタワマンの住民が押し寄せるんです。町内会はタワマン管理組合が町内会費を払わないということでメンタルな距離感が生まれているとも報じられています。

何が問題なのでしょうか?私から見ると川崎市の都市計画の甘さだったと思います。すでに文化がある街に違うブラッドの人間が大挙して押し寄せた時、どういう問題が生じるか、予想できたはずです。また、デベロッパーから開発負担金の徴収が少なかったと思います。私がカナダでデベをやっていた時の基準は「利益の2割相当を開発負担金として拠出させる」というものでした。

今般、武蔵小杉駅は横須賀線のホームを一本増やします。費用はJRと川崎市が負担するそうですが、カナダ基準であれば川崎市は訴えらえるかもしれません。そういう事態になることは想定できたし、不動産デベロッパーは十分な利益をとっているのになぜ、そこに負担させなかったのか、と。

日本にタワマンが本当に必要なのか、と私はほぼ10年一度も自説を曲げたことはなかったと思います。日本の街並みは北米と違い、道が碁盤のようではなく、曲がりくねり、行き止まりがあったりします。桜並木があり、川のせせらぎがあったりします。これは街並みの美だと思うのです。日本の街は本来非常に文化的で色彩豊かで伝統がある街づくりが形成されてきたのです。その良さを捨て去り、駅の近くのマンションというライフスタイルを支えたのはデベロッパーとそれを擁護した監督官庁であります。

東京湾沿いのウォーターフロントのようなところはもともと誰も住んでいない地域でしたのでいくら開発してもらっても構いません。しかし、武蔵小杉のようなもともとあった街に爆発的、かつ、暴力的ともいえる都市開発の推進に同業として一種の情けなさを感じます。もっと美しい開発意識はなかったのでしょうか?実に残念です。

では今日はこのぐらいで。

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