記事

政府主導の新「就活ルール」の無意味さ、大前研一氏が苦言

1/2
【就活学生は翻弄されるばかり】

 就活ルールの廃止を打ち出した経団連に対して、政府は2021年春入社の新卒者には現行のルールを維持する方針で一致した。これを無意味と考えるのは、経営コンサルタントの大前研一氏だ。大前氏が解説する。

 * * *

 政府は10月15日に開いた就職・採用活動の新ルールを検討する関係省庁連絡会議の初会合で、2021年春入社の新卒者(現在の大学2年生)には現行の就活ルールを維持する方針で一致した。2022年春入社以降のルールは、来年度に改めて議論するという。

 就活ルール見直しのきっかけになったのは9月初めに経団連の中西宏明会長が「個人的な考え」とした上で、経団連が就活ルールを決めるのは違和感があるとして、廃止する意向を表明したことだった。それに対し、安倍晋三首相は「学生の本分である勉強よりも就職活動が早くなるのはおかしい。広報活動(説明会)は3月、選考活動は6月に開始というルールをしっかりと守っていただきたい」と発言。全国の大学や短大などで構成する就職問題懇談会も「2021年春入社組については現行ルールを維持すべきだ」と反発した。

 そうした反応を受けて中西会長は「何かしらのルールがあること自体には抵抗感はない。同時に、通年採用など多様な採用のあり方があり、そのどれかを禁止するということでもない」として、政府の要請があれば現行ルールの継続を受け入れる考えを示していた。

 今回、経団連が就活ルール廃止を打ち出したのは、至極当然のことである。私が知る限り、日本以外に「新卒一括採用」の就活ルールを決めている国はない。日本では2018年3月卒業の大学生の就職内定率が98.0%で過去最高となったが、リクルートワークス研究所の調査によると、アメリカ、中国、韓国、インドの場合、在学中に就職先が決定した大学生の割合は50%前後にすぎない。日本は世界でも例外なのである。

 しかも、就活ルールはとっくに形骸化している。文部科学省の2018度「就職・採用活動に関する調査」によると、6月より前に選考活動を開始した企業は62.4%に上っている。実に6割以上の企業が「解禁破り」をしているのだ。解禁日前のインターンシップ(就業体験)を選考に使っている企業も多い。

あわせて読みたい

「就職活動」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    格安スマホ業界にまで波及した価格破壊

    自由人

    06月19日 08:14

  2. 2

    「米国は病気」と罵りつつ、周庭さんは釈放…G7を敵に回した習近平政権の行き詰まり

    PRESIDENT Online

    06月19日 18:11

  3. 3

    さらに活用が進む、つみたてNISA~2021年は買付金額が1兆円超えか~ - 前山 裕亮

    ニッセイ基礎研究所

    06月19日 08:55

  4. 4

    都民ファーストの不振ぶりが目立つ都議選 小池旋風が影を潜めた影響か

    早川忠孝

    06月19日 16:34

  5. 5

    菅原一秀氏から違法行為を強要されていた元秘書が「説明責任果たせ」と顔出し訴え

    田中龍作

    06月19日 22:04

  6. 6

    世帯年収400~600万円のリアル「残業ありきの給料で毎日クタクタ」

    キャリコネニュース

    06月19日 18:44

  7. 7

    少子化高齢化問題に悩む中国 「日本の経験を中国に伝えるのは意義がある」舛添要一氏

    舛添要一

    06月19日 10:36

  8. 8

    「正社員で20代を浪費したくない!」フリーター女性の叫びと、垣間見える不安

    キャリコネニュース

    06月19日 13:17

  9. 9

    河井克行氏に「実刑判決(懲役3年)」の衝撃。もらう側の罪は?そして自民党の責任は

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月19日 08:26

  10. 10

    都合がよければ専門家の意見を聞き、悪ければ黙らせる 五輪巡る政府対応は納得できぬ

    小宮山洋子

    06月19日 16:39

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。