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IR事業者選定:必要なのは「誰が選ぶか」ではなく「どう選ぶか」

さて、本日NHKが以下のような大阪の動向を報じております。以下、NHKより転載。

大阪IR事業者選定に第三者組織
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20181022/0008899.html

カジノを含むIR=統合型リゾート施設の誘致を進めている大阪府と大阪市は、事業者の選定にあたり透明性を確保するため、専門家などで構成する第三者組織を設置した上で、その意見をもとに選定作業を進める方針を固めました。[…]

大阪府の松井知事は、「透明性を確保するために、専門家の意見を尊重した上で、判断していきたい」と話しています。
この点に関しては勘違いが非常に多いのですが、民間による第三者が選ぶから透明性が高いというワケではないんですね。民間による第三者といっても、その選定にバイアスがかけられていれば「第三者性」なんてものは容易に吹っ飛んでしまいますし、逆に倫理規定等(倫理条例)に縛られ、また問題発覚後には公的な責任追及も為される「公人」が選定を行った方が、よほど公正である場合もしばしばある話です。

特に、大阪ではこの7月に以下のような問題も報じられたばかり。以下、毎日新聞からの転載。

大阪市IR委託コンサル社員 米カジノ日本法人から接待https://mainichi.jp/articles/20180727/k00/00e/040/290000c

カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に向け、大阪府と大阪市がアドバイスを受けるために契約したコンサルティング会社の社員が、大阪進出を目指す大手IR事業者の招待を受け、25日の天神祭の船上で飲食を共にしていた。府市との契約条項に抵触はしないというが、府市は同日、府職員らと業者の癒着防止に取り組む指針を改正したばかり。府市IR推進局幹部は26日、「誤解を招きかねず、配慮が必要だった」とコンサル側に口頭で注意したという。
上記は、民間だろうが、第三者だろうがそこに容易にバイアスがかけられることを大阪自身が身をもって示した問題であるわけで、じゃぁこういう事を再び起こさない為にどのような対策をしますか?ということは、寧ろ彼らこそが「いの一番」に示さなければならない事であります。ところが、そこで出されてきた回答が「第三者だから大丈夫」みたいな完全なる論理循環になってしまっており、コチラとしてはガッカリしてしまわざるを得ないわけです。

勿論、第三者によってバイアスを排除することは可能です。ただ、上記のような大阪でつい最近起こった問題などを前提に考えると、カジノの事業ライセンスを取得する時のように、各民間委員の現在および過去数年に遡る交友関係や収入源を事前チェックするなどしなければ、その第三者性を担保できないという話になってしまうワケですが、本当にそこまで出来るんでしょうかね?

個人的には、この種のものは「誰に選ばせるか」で公正性を担保することよりも、寧ろ「どの様に選ぶか」の公正性を高めてゆくことの方が余程重要。すこし古い時代に書いたものではありますが、例えば2005-06年のシンガポールのカジノ事業者入札で使用されたAHP分析法なんかは、バイアスがかかりがちなこの種の選定をどのように公正に行なうかに主眼を置いて採用が為されたものであるわけで、寧ろこういう所に力を入れて欲しいなと思うところであります。

シンガポールに学ぶ:カジノ入札選定のあり方
https://www.sugarsync.com/pf/D2862156_86902897_918771

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