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文大統領の苦しい国家運営と支持率の関係

安倍首相の訪欧と時を同じくして文大統領も訪欧し、同時期に違う主張を聞かされる欧州首脳がどういう反応をするのか、メディアはあまり報じないのですが、なかなか興味深いものがありました。

結論からすると安倍首相の勝ちです。双方の圧倒的相違点は北朝鮮問題で、文大統領の今回の目的の一つに北朝鮮との融和を韓国が主導し、演じることで北朝鮮への制裁緩和を求めるというものでした。ところが欧州の首脳はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的)方式にこだわりました。特に国連安全保障理事会の常任理事国である英国とフランスに韓国式非核化プロセスと対北朝鮮支援策に理解を求めようとしたようですが、同意を得ることはできませんでした。

むしろ、フランスのマクロン大統領においてはそのあと会った安倍首相にCVIDだよね、と双方の確認をしています。

文大統領は金正恩委員長と直接対話をしており、「もっとも北朝鮮を知る男」として「ぜひ、私にやらせてほしい」と訴えたかったのだろうと察します。ところが欧州諸国は連れない返事で青瓦台(韓国大統領府)は今回の訪欧は70点ぐらい、と評しています。70点とはスコアでCです。つまり、ほとんど及第ギリギリだったわけでめぼしい成果はなかったとみるべきでしょう。

その中で韓国側が唯一、自慢するのがローマ法王の北朝鮮訪問への道筋ができたと主張する点です。これは金正恩委員長からのローマ法王の北朝鮮招待を口頭で述べたのに対しての返事とされます。青瓦台は「ローマ法王が文大統領が要請した訪朝に対し予想を超えるほど積極的な返答をした。法王庁の動きも国際社会の世論形成に大いに役立つだろう」(中央日報)とありますが、これはいくつかの英語圏をチェックする限りそんなに進展があった話ではなく、社交辞令の域を超えていないように見えます。

そんな文大統領、韓国国内では引き続き人気があり、世論調査では波があるものの65%程度を維持しています。なぜだろう、と思う方も多いでしょう。私の考えは国内経済がさっぱりでどうしても左派政権にすがる、ということではないかと思います。

不思議なもので国内の景気が悪くなると国民はその責任を現政権に押し付けます。そして往々にして右派系与党の政策がうまくいかなくなり左派系に政権交代する、という流れをとることが多いのです。日本でも自民党から民主党に政権交代した時は日本がドツボにはまっていた頃です。幸いにして日本はすぐに政権担当能力がない、と左派を切り捨てることができたのですが、韓国はその前に右派そのものを潰してしまい、国民に選択肢を与えようがなくなってしまった、というのが私の見方です。

韓国の中央銀行が発表した18年経済成長率の見直し版は0.2%ポイント下方修正の2.7%で、潜在成長率を維持できない状態になっています。若年層(15-29歳)の失業率は10%を超えます。さらにサムスンが破竹の勢いで伸ばしてきたメモリー部門、モバイル部門、ディスプレー部門全部に黄色信号がついています。

国民にとって経済が不振となればそのストレスを発散する何かが必要であり、その切り札が北朝鮮との終戦を含む関係強化であったはずです。しかし、東西ドイツが合体した時、西側ドイツがどれだけ苦しんだかは歴史が物語っています。つまり、ドイツほどの国家ですら、経済格差がある国との統合は容易ではないことは明らかです。

文大統領が今やらなくてはいけないのは自国経済の立て直しでありますが、左派の彼には厳しいものがあると思います。そして右派をつぶしてしまった今、朝鮮半島の軋みが聞こえてきそうです。

では今日はこのぐらいで。

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