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「休眠預金・仮名口座のデータを、銀行・政府は明らかにせよ」 日本財団笹川会長インタビュー【前編】

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日本財団・笹川陽平会長(撮影:野原誠治)
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2月6日産経新聞「正論」にて、日本財団の笹川陽平会長は休眠預金の社会的活用を問題提起し、政府も活用について検討に入った。各メディアも休眠預金問題を報じ、銀行では口座の解約も相次いでいるという。そんな笹川会長に話を聞いた。沢山の提言をいただいたので前後編に分けてお送りする。【取材:大谷広太・田野幸伸(BLOGOS編集部)】

曲げられた報道


――議論を呼んでいる、休眠預金問題ですが、最初にこれを活用出来ると考え始めたのはいつ頃でしょうか?

笹川: 元々、新党日本の田中康夫さんが、フローレンスの駒崎弘樹さんなども発言されてきたことです。残念ながら時期が早すぎたのかどうかわかりませんが、あまり影響力が出なかった。

――内閣府などで検討されてきたけれどもというところでしたね。

笹川: 私は今こそこういう時期にこういう問題を提起する。私はタバコ1000円問題にも火をつけました。十分ではありませんが、半分くらいは成果を、値上げとして出来たと思います。

 喫煙率も下がってきております。そういうことでやはり、問題を、意識を、国民レベルにまで広げないといけません。特定の専門家だけでやるということは私はあまり良くないと考えています。

 この休眠預金の問題についてですが、今日来ていただいて本当にありがたく感じています。今、少し曲げられた報道になっております。曲げられた報道というのはどういうことかと言いますと、街頭でもメディアの人がいろいろと質問をしますね。

 「あなたの休眠預金と呼ばれる少額のお金がありますが、これを国の管理にしようという動きもありますが、あなたはどう思いますか?」と聞けば、全員反対する。私のお金をなんでそんなことにされないといけないのと。

 質問の仕方がすでに誘導されているということがあります。Webサイト上の議論を拝見すると、タバコの時と同じでございます。タバコの時は関係者と思われる方々が組織的に書き込みをやりました。今回は金融の方たちが非常に入り込んで来ているようです。

 国民のお金を預かることは間違いありません。国民のお金だから守ると銀行協会の会長がおっしゃっています。守って収益をあげたらマズイですよね。言っていることとやっていることが実は違うんです。

 今私は、「正論」で原稿を書き上げたところです。とにかく、一体いくら休眠預金があるのかというのを、金融機関にですね。多いのは実は郵便預金ですね。この二つの実態を明らかにしてもらいたい。私たちのちょっとした調査では、一人平均6つくらい口座を持っているんです。

仮名で手紙は届かない


――確かに私も大学生の時に、アルバイト先で口座を作ったけれども残っているというのがあります。

笹川: それが一つと、もう一つは、金融機関が口座争いというのを昔やったんです。「とにかく通帳だけ作ってください」という大運動がありまして、1,000円でいいの? 本当に? と言って、口座獲得運動があったんです。

 こんなことをみんな知らん顔をして言って、細かいお金の管理にコストがかかるなんてのをとんでもない話です。自分たちが言い出したことなんです。2002年までは、株式取引をする人は全員と言っていいくらい仮名でした。

 仮名預金というものが公に認められていた時代なんです。郵便貯金では、僕が新聞記事を見つけられなかったのですが、動物の名前を使ったと正論には書きました。ポチやタマという犬や猫の名前で、郵便貯金がされていたという話題が新聞に出たことがあります。

 それを探したのですが見つからなかったので、動物の名前とここに書いたんです。そのくらい仮名の預金が当然だったんです。私が問題にしているのは、仮名預金の問題の方が大きいんです。それで、中には何億という人もいるんです。

 ところが、銀行は手紙を出しても返事が無い、通知を出していますと言っている。通知を出したって仮名預金は住所も仮名なんです。だから着くわけがないんです。手紙自体が着かないのに、手紙を出しています、警告を出していますなんて、おかしな話です。

 連絡がつかないものは全部雑収入に上げているんでしょ? 預金は取りに来られればいつでも、国民の財産ですからお返ししますと言います。取りに来られないものがいっぱいあるんです。あなたのご両親、祖父母が、3,000円とか4,000円を遺されたら、取りに行きますか? 行ったらどういう対応になるか。まず、交通費が掛かります。遺産相続の書類を持ってきて下さい、となると事実上受け取れないんです。

 たから私が議論したいのは、それぞれお持ちの通帳はそれで財産権は守られています。ご両親やおじいちゃんおばあちゃんの通帳は、現実問題として返してもらえない。費用が掛かる、時間も掛かる。仮名ならば立証責任がありますが、立証の方法が無い。

 通帳が出てきたとしても、この通帳と印鑑がたとえあなたのものだったとして、あなたとどういう関係ですか? どうやって説明できましょうか。仮名だからできない。そういうお金が膨大にある。仮名口座が億あるんです。

口座とその金額を表に出してくださいと。まずは。その上で国民的議論をしましょう。今は政治不信極まった時代ですから、こういう国民にとって身近な問題であれば、国民が議論に参加することによって、政治に対する興味も湧いてくるでしょう。

 だから、国民的議論をするために、一体いくら口座があって、いくら現在そういう預金が残っているのか。また、郵便貯金は既に国庫の雑収入に入っています。雑収入に入れた額は今までいくらあって、何に使ったかも明示してください。

 そういうものを政府は全部公表しなさい。その上で国民的議論をすることによって、どうしたらいいかをみんなで考えるチャンス。国民が政治に対する興味を持つ、一つのツールとしては良いんではないかと。

――内閣府で休眠口座の使い道に関する議論が始まったと、新聞報道でも読みました。主に、成長戦略分野への投資ということで使い道は決まっている。

笹川: それは絶対にさせません。休眠口座国民会議のようなものをこれから作って、大きく議論を国民レベルでやって、それが政治への関心へとつながるように。選挙も近いですし。無党派層が60パーセントなんて言っていますが、国民的議論にしていかなくちゃいけないので、皆さん方のお力をぜひお借りしたいんです。私はこうした方が良いという特定のものではない。こういう、国民に見えないところで国民の預金を勝手に国庫が取り上げていた。

 どこに使ったかわからない、銀行協会が偉そうなことを言っているけれども、雑収入に上げている。こういう国民の知らないところで処理されてきた問題を明らかにする。大事なことだと思うんですね。

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