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言葉も出ないAIJ事件(OBの天下り)

AIJの年金消失事件ですが‥テレビのニュースでは、今でも事件とは呼ばずに「年金消失問題」なんて呼び方をしているのです。

 これが何故事件でないのか? 各テレビ局は、その理由をはっきりと視聴者に示すべきではないでしょうか。

 それにしても、こんな展開になるなんて。もちろん厚生労働省関係者は最初から分かっていた訳で‥だからこそダンマリを決めこんでいたのでしょう。

 厚生年金の担当者たちは年金運用のプロだから、AIJの旨い話に乗るなんて、甘すぎたのではないか、なんて批判もあったのですが、蓋を開けたら、全国の厚生年金基金には多くの社会保険庁OBが天下っていたとのだ、と。

 もう呆れて言葉もありません。

 百歩譲って、天下りをしていたが、天下りを受け入れていた厚生年金基金には、AIJの話に乗るところはなかったというのであれば少しは話も違うのですが、AIJの話に乗らないどころか、AIJを紹介するリーダー的なOBがおり、そしてそこを中心にOBを受け入れている多くの厚生年金基金がAIJに年金の運用を任せることにしたのだ、と。

 普通天下りを受け入れるというのは、企業側に何らかのメリットがあるからなのですが‥今回の場合にはメリットどころか大損をこいてしまったのです。しかも、損失といっても、数百万円とか数千万円というのではなく、数億円或いは数十億円にも上るのです。

 今回の事件は、飽くまでも悪いのはAIJ。しかし、もし社会保険庁のOBたちが動くことがなかったら、これほどの多くの厚生年金基金から年金の運用を一任されることもなかったのです。

 多分、OBたちは何も知らなかったのでしょう。しかし、少なくても数年前には、AIJの運用実績が不自然であるという声が業界内に上がっていたというのですから、OBたちもそのこと自体には気が付いていたと思うのです。気が付いていないとしたら、何をしていたのか、と。

 でも、多分、大多数の年金基金は、解約にまで動くことはなかった。何故ならば、自分たちの仲間がいる基金も同じように契約を継続しているからだ、と。

 つまり、この人たちは、自分たちの仲間と同じような行動をすることで安心を感じるような精神構造になっているということなのです。みんなで渡れば怖くない。

 天下りも、上の方から、そこの年金基金に行ってくれと言われたので、命令に従っただけだ、と。仮に、その天下り先に満足ができないとしても、断ったらどうやって食って行くのか、と。それに、仮に天下りを拒否するとなれば、仲間外れになってしまう、と。

 でも、そんな行動を多くの役人が取るからいつまで経っても、このような問題が繰り返すのです。

 一体全体、社会保険庁のOBと厚生労働省の役人たちは、今回の事件に対しどのように責任を取るというのでしょう。

 悪いのは、AIJの経営陣だと言って責任逃れをするのでしょうか?

 そのようなことは断じて許してはなりません。

 天下り問題と言えば、渡りとか退職金を何度ももらうようなことばかりに関心が集まりがちですが、今回のように、天下り役人が利益相反行為に走ること、つまり、受け入れてもらった厚生年金基金の側に立って行動するのではなく、AIJ側の利益を考えて行動すること、が大いに問題であることに気が付かなければならないのです。

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