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  • 2012年03月03日 12:47

撮影のための白鳥に爆竹を投げ込む行為と仕事

『スポーツ報知』に「映画撮影で白鳥に爆竹」という記事が掲載されており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。

1 記事のあらまし


 簡単に記事の紹介をすると、これは琵琶湖の西岸で、「東映京都撮影所(京都市)のスタッフが映画製作のため、爆竹を鳴らし、越冬のため飛来していたハクチョウを驚かせ、飛び立たせていた」というものです。

 記事によると「時代劇の映画製作のため午前5時頃から現地で撮影。1時間ほど待機したが、ハクチョウがなかなか飛び立たないため、2度にわたって爆竹を使った」とあります。

 問題は、爆竹を使った結果、ハクチョウが有数の飛来地だったこの場所に戻ってくれるかかどうかわからくなってしまったことです。記事によるとその日はハクチョウを確認することができなかったそうです。


2 仕事という「目的」


 この記事を見ると本当、東映京都撮影所(のスタッフ)は何を馬鹿なことをしているのだという話で、私も彼らを擁護するつもりは毛頭ありません。

 ただ思ったのが、仕事となるとそれを名目に普段であれば絶対やらないようなことをも、出来てしまうことがあり、もしかすると自分も結構似たようなことをやっているのではないかと考えてしまいました。

 通常の日常生活であれば、社会常識、慣習、他人の目(評判)などにより自分の行動が制限され、それらに従って生活することとなります。

 ところが仕事となると、仕事の達成という目的が最優先課題として置かれるので、それを最初に考えてしまい、社会常識や慣習などが破られる可能性が高くなってしまうのではないでしょうか。

 例えば、私は個人的にホテルに泊まる際に、価格交渉など考えもしません(恥ずかしくできません)。しかし、接待で客のためにホテルを確保するとなると、相手方の都合に合わせ価格交渉が平気でできてしまいます。

3 「目的」のために


 そして、怖いのはこれが仕事に限らず、何か「目的」というか、価値をおくものがあれば、普段できないこともできるようになってしまうことです。実際、こうした例は腐るほどあります。

 共産主義革命を信じれば仲間をリンチで殺すことも、山荘で人質をとって立てこもることも可能ですし(浅間山荘事件)、教祖を信じればサリンをばらまいたり、嬰児でも殺すことが可能になります(オーム真理教事件)。

 宗教にもいろいろあり(『ふしぎなキリスト教』や「日本の神々について」参照)、宗教がらみで対立が起こることもありますし、歴史的にも大規模な対立や、宗教の名をかりた虐殺が行われてきました。

 ただ、おそらくこうしたものの中で最大のものはやはり戦争で、皆自分の国の正義を信じれば平気で他国の人の命を奪うこともできるようになってしまうわけで、これはとても怖いことです。

 なおかつ、普段は優しい父親だったり良き隣人であり、そうしたことをするはずのない人が「目的」があれば、できて(できるようになって)しまうところが、より怖いことだと思ったが故のエントリーでした。


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