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川上量生さんの政府知財本部への意見書が2ちゃんねるまとめ状態な件について RT @nkawa2525

みんな大好きカドカワ代表取締役、ドワンゴ取締役CTOの川上量生さんが、先の政府・知財本部の海賊版対策に関する検討会議に面白意見書を出していると聞いて、見物していました。

SimilarWeb の数値は本当に信用できないか?
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2018/kaizoku/dai9/siryou7.pdf 

「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」 中間まとめ(案)(2018 年 10 月 15 日)への意見書
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2018/kaizoku/dai9/siryou8.pdf

何ですか、これは。

JAIPAの立石聡明さんが「何その緩い推定被害額の根拠は?」という意見書を前回出しておられるわけですが、川上量生さんの話は伝聞を元にして「そうじゃねーよ!」と言ってるだけです。

被害額等の算定に利用する データについて 
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2018/kaizoku/dai8/siryou3.pdf

SimilarWebの数値が信用できるかどうかというのは、単純に、海賊版サイトを訪れたであろう人たちの合算PVに漫画などの販売単価を掛け算しただけの被害金額予想3,000億円という途方もない金額の根拠の一部でしかなく、こんなものを堂々と意見書として提出する「有識者」がいるというのは驚きです。

川上量生さん、どういうことなんでしょう。

しかも、「SimilarWebは正しいよ」という論拠が他のサイトからのコピペで、さらに「また他に引用されている日本語の個人ブログ記事をみても、概ね正確な解析結果が出るとの評価も多いと書いているものもある」と川上量生さんは書かれています。

他人のサイトにそう書かれているから正しいのだ、と川上量生さんが主張するのならば、誰かが「川上量生さんは途方もなく馬鹿なことを書く人だ」と酷評されればそれを意見書にして「川上量生さんはこんな馬鹿な主張をするような人だそうです」と提出することもできてしまいます。

百歩譲ってSimilar Webが正しい数値を出していると証明したいのであれば、数多あるカドカワグループ(ニコニコ動画を含む)のサーバーログから得られる正規のPV数、UU数などエンゲージメントに関する数字と、Similar Webが弾き出した推定訪問者数との比較をすれば一発だろうと思うわけですよ、川上量生さん。

実際、川上量生さんの手掛けたニコニコ動画のSimilar Webのスコアで見れば、エンゲージメントが8%ぐらい下落している素敵なニコニコ動画に関する状況が読み解けるわけですが、この悲惨なサイトアクセスの状況は正しいんでしょうか川上量生さん。


で、今回の10月15日に限って何でこんなネタを川上量生さんがこさえているんだという話ですが、つまりはブロッキングに関する議論はあったとタスクフォースの報告書で両論併記することが最終目標なのでしょう。

なので、被害額の算定をする掛け算のかたっぽであるSimilar Webの数字は正しいのだ、だから3,000億円の被害総額は間違いないのだ、と主張して、だからここまでの被害金額の救済を行うためのブロッキングは違法性を阻却する緊急避難にあたるのだ、と川上量生さんは言いたいじゃないかと思います。

しかしながら、すでに多くの皆さんが指摘している通り、そもそも日本のコミック市場というのは電子書籍も全部合わせてせいぜい4,400億円しかないわけです。本当に海賊版サイトで3,000億円もの損害が与えられたのだとするならば、川上量生さんのカドカワだけでなく出版各社のまんが部門は改名ツテ気になり消し炭同然になっているはずです。

2016年のコミック(紙+電子)市場を発表しました
https://www.ajpea.or.jp/information/20170224/index.html 一方で、18年6月22日にニコニコ動画内で行われた本件議論では、川上量生さんは被害額3,000億円について、当時は重要性を認識していなかったのか、出版各社が被害額を足並み揃えて提示することになるという見通しを示していました。Similar Webのシの字も喋っていません。当たり前ですよね、そのときはそんな重要な論拠になるとは思っていなかったんでしょうから、川上量生さんは。

おそらく今後は閣法(内閣提出)でブロッキングの法制化を無理筋で進めるかどうかという政治的な問題へと移行していきます。もちろん、みんなで仲良く違憲訴訟などもしつつ最高裁まで争っていくことになると思いますし、罰則規定のある業法に条文が加わらない限り、新しくできるブロッキング法が施行されても対抗法規がある以上どの通信事業者も要請があってもブロッキング実施には踏み切らないでしょう。

当たり前ですよね、通信事業法で過誤逸脱があった場合、違法性を指摘され罪を問われるのは通信事業者という法人ではなくブロッキングを実施した技術者が罪を被ることになるわけですから。

川上量生さんはイエスマンに囲まれて周辺が見えなくなっているのかもしれませんが、そろそろちゃんと川上量生さんは服を着たほうがいいと思います。


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