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日本はプラごみ問題でガラパゴス化するか―世界を動かす「ニュー・プラスチック・エコノミー」とは

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・世界的なプラごみ規制の中心には、「脱プラスチック」に利益を見出す欧米の巨大企業がある。

・それらは100パーセント再生可能なペットボトル開発などの技術革新だけでなく、世界的な物流の規格の統一にも着手している。

・プラスチック製品の流通に関する世界標準が欧米の企業連合の手で生まれ、これに乗り遅れれば、日本市場がガラパゴス化する可能性もある。

 プラスチック製ストロー廃止に向けたうねりのなか、日本でもプラごみ対策は徐々に広がっているが、世界の潮流はそれよりはるかに速く、大規模だ。そのため、携帯電話でそうだったように、プラごみ問題で日本がガラパゴス化する可能性もある

誰がプラごみ規制で世界を主導するか

 あらかじめ断っておけば、海洋汚染の問題や最大のごみ輸出先だった中国のごみ輸入禁止を受け、日本でもプラごみ対策は少しずつ進んでいる。

【参考記事】「世界最大のごみ捨て場」中国の終焉ー日本のプラスチックごみはどこへいく

 環境省は7月、「プラスチック資源循環戦略」の策定に着手。これに続いて、8月にはプラスチックの代替となる紙製品や(植物を原料とする)バイオマスプラスチック製品を製造する企業の設備投資を支援するため、数十億円規模の補助金を交付する方針を、10月にはレジ袋の有料化の方針を、それぞれ固めた。

 その結果、「脱プラスチック」をビジネスチャンスと捉える製紙メーカーなどが、代替ストロー、食器、包装などの開発・販売に乗り出している。

 こうした取り組みを踏まえて、日本政府はプラスチック資源循環戦略を年内に取りまとめ、来年6月に大阪で開催されるG20首脳会合で各国に提案する見込み(素案は10月19日に発表される予定)だ。とはいえ、海外から押し寄せる脱プラスチックの波は半端な規模ではなく、この分野で日本がリーダーシップを発揮することは容易でない

押し寄せる欧米発の大波

 そこには大きく二つのポイントがある。第一に、脱プラスチックのかなり方活的な方針が、既に欧米諸国で共有され始めていることだ。

 その中心にあるのは、2017年にイギリスのエレン・マッカーサー財団と、世界の政財界のリーダーの集う世界経済フォーラムが、アメリカの大手コンサルティング企業マッキンゼー・アンド・カンパニーの協力のもとに発表した報告書『ニュー・プラスチック・エコノミー』である。世界のプラごみに関する知見の多くは、この報告書によっている。

・プラスチック製品の90パーセントは新しい原油から生産されている。

・石油利用のうちプラスチック製造の割合は6パーセントだが、このペースで使用が増えれば2050年までに20パーセントにまで上昇する。

・ストローを含む容器・包装類の生産は、プラスチック全体の26パーセントを占めるが、リサイクルなど有効利用されているのは世界全体で28パーセントにとどまる。

・ 現在のままでは、2050年までに海洋プラごみは世界の海の魚の重量を上回る。

・ リサイクル率の低さは、プラごみによる海洋汚染の原因となるだけでなく、石油の浪費にもつながっているため、汚染除去やCO2排出削減のコストなどを含め、プラスチックに依存する現在の経済は毎年400億ドルの損失を生んでいる。

出典:Ellen MacArthur Foundation,The New Plastics Economy: Rethinking the Future of Plastics.

 さらに、この報告書はプラごみ対策として3段階の取り組みも提案している。大雑把にいうと、

・ リサイクルの普及促進
・ 石油利用を削減するためのイノベーション
・ 自然界にプラごみが流出することのリスク削減

 いち早くプラごみの問題点を洗い出し、そのトータルの対策も提案した『ニュー・プラスチック・エコノミー』は、今年6月のG7サミットで英・仏・独・伊・加の5カ国が揃って提案した「海洋プラスチック憲章」の土台にもなっている。

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