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英語学習が"小学生から"では遅すぎるワケ

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私たちは10年以上も英語を習ったはずなのに、なぜ苦手意識がなくならないのだろうか。2020年には小学校での英語教育が義務化される。小学生から始められれば、苦手意識はなくなるのだろうか。脳科学者・茂木健一郎氏は、「英語脳を作るには小学校からでも遅い。5歳までの子育てが大事」と指摘する――。

iStock.com/pictafolio

※本稿は、茂木健一郎『5歳までにやっておきたい 英語が得意な脳の育て方』(日本実業出版社)を再編集したものです。

■小学校での英語義務教育化がスタートするが……

文部科学省の新しい指導要領では、2020年より小学校での英語の義務教育化がスタートすることになっています。これまでも小学校で英語学習は行われていたのですが「外国語活動」というカリキュラムで、成績がつくわけではありませんでした。ところが2020年からは教科としての「英語」が始まるのです。

つまり、国語や算数と同じように、英語の成績がつく。

そのことによって子どもたちは英語を一生懸命勉強し、子供のころから英語がペラペラで外国人とのコミュニケーションもできて、将来的にも英語を使いこなしてワールドワイドに活躍……できると思いますか?

答えは「No!」です。

だって皆さん、ご自身の学生時代を思い返してください。中学1年から高校、大学まで、長い人で10年近く英語を勉強したはずです。塾に通った方もいるでしょう。それで、英語が話せるようになりましたか? 英語でコミュニケーションできますか?

「できない」という方が圧倒的多数なのではないでしょうか?

僕が日本の友人や仕事相手と話していて感じるのは、日本人には「英語が苦手」という人が圧倒的に多いということ。つまり、読み書きはできても話せない。もしくは10年近く勉強して読み書き会話全部苦手だったりもする。

もちろん、日本でも最近は「英語が話せる」のは当然のことだという風潮も強くなってきました。外国人もいる会議に出て、当然のように英語で話す。例えば楽天の三木谷浩史さんなんかも、ごく普通に英語でインタビューを受けたりしていますよね? 「英語ができる」ことがステータスではなくなっています。

つまり、ビジネスの最前線ではもはや「英語はできて当たり前」なのだけど、日本の英語学習を経てきた人は「英語は苦手」という意識を持ち続けていて、社会に出てから改めて勉強していたりする。

どうしてそんなことになるんでしょうか?

■脳に「英語回路」を育てよう

それは、脳に秘密があります。脳には尾状核という部分があって、ここが学習と記憶の重要なシステムを占めています。また、言語学習に関わる脳の部位としてはブローカー野という領域もあります。運動性言語中枢ともいわれるブローカー野は、言語処理も行っています。

例えば私たちが「Hi!」と発話する。文法にのっとって、昼間知り合いと会ったときのあいさつとして発話する役割を担っているのがブローカー野で、「Hi」というあいさつを覚えて使いこなせるように学習するのが尾状核です。

最近の脳科学の研究で、ブローカー野は音楽と言語を同じもの、一体のものとして処理していることがわかってきました。

子どもは歌が好きですね。言葉をしゃべり始めるより早く、音楽に合わせて体を動かし、歌に合わせて言葉を発します。これも、ブローカー野の働きによるものです。ですから、ブローカー野を活性化させて、歌や音楽を介して言語に慣れ親しんでいくことが、幼児期の英語教育には重要です。

つまり、英語の歌を聴きながら、自然にブローカー野を活性化する。そうすれば、少なくとも、大人になってから「聴き慣れない英語」に身がまえることがなくなります。

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