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毒殺未遂事件の容疑者 ロシア工作員の仮面を剥いだ英国の市民ジャーナリストたち

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化学防護服を着て兵器級の神経剤ノビチョクを洗浄する係官(今年3月、筆者撮影)

[ロンドン発]英イングランド南西部ソールズベリーで今年3月、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)元大佐で英国の二重スパイだったロシア人男性セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんが兵器級の神経剤ノビチョクで暗殺されそうになった「スクリパリ事件」。

スクリパリ氏宅に急行した警官も一時意識不明になったほか、6月にも事件現場の近郊でノビチョクを浴びた市民2人が巻き添えとなり1人が死亡、1人が一時重体となった。

ロンドン警視庁は9月5日、GRUに所属する容疑者2人の写真を公開した。

翌6日から、オープンソースやソーシャルメディアをもとに調査報道を手掛ける市民ジャーナリストが2人の仮面を剥(は)ぎ取った。

「猫の首に鈴をつける」市民ジャーナリストたちがスパイ顔負けの追及を始める

市民ジャーナリストたちはイソップ寓話「ネズミの相談(bell the cat)」にちなんで「ベリングキャット(猫の首に鈴をつける)」を名乗っている。

https://www.bellingcat.com/

この寓話は、猫に襲われないために、ネズミたちが相談して「猫の首に鈴をつけよう」と決めるものの、いざ実行するとなると、どのネズミも手を挙げようとしないというストーリーだ。

つまり「ベリングキャット」には、誰もが怖気づく困難な調査報道に取り組むジャーナリストたちという意味が込められている。

公開手配されたロシア人容疑者2人(ロンドン警視庁提供)

ロンドン警視庁が公開手配したのは、40歳前後とみられるロシア国籍の「アレクサンドル・ペトロフ」と「ルスラーン・ボシロフ」の両容疑者で、2人はロシアのパスポート(旅券)で英国に入国していた。

テリーザ・メイ英首相は9月5日、下院で「2人はGRU(ロシア軍参謀本部情報総局)の工作員。GRUはしっかりした指揮系統を持つ高度に統率された組織。この事件は組織のはみ出し者の犯行ではなく、ロシア国家上層部の承認を得て実行されたのはほぼ間違いない」と断言した。

その翌日から「ベリングキャット」とロシアの調査報道サイト「ジ・インサイダー」によるスパイ顔負けの追及が始まった。

一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「2人はロシア市民。メディアに出て話すことを望んでいる」と発言するとすぐに、2人はプロパガンダ・メディアRT(ロシア・トゥデイ)に登場して「友人に勧められて、観光客としてソールズベリーを訪れた」と潔白を主張した。

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