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焦点:米株急落の「犯人」、プログラム取引に風当たり強まる


Trevor Hunnicutt

[ニューヨーク 11日 ロイター] - 今週の米国株の大幅下落について、「犯人」だと投資家からみなされているのが、コンピューターの指示による自動売買プログラムとそれを手掛けるファンドマネジャーだ。

株安は、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げが正当化されるほど物価上昇の勢いが強まるとの見方を背景とする米国債の大規模な売りに続くものだった。だが全ての投資家は、そうした売りが妥当だとは考えているわけではない。

オメガ・アドバイザーズの創設者レオン・クーパーマン氏は「ウォーレン・バフェット氏は安値で買い、高値で売ることで富を築いた。コンピューターのプログラム取引は堅調局面で買い、軟調局面で売って双方の流れを加速させている。10日にそういった種類の取引をする理由はなかった」と述べた。

今回の状況は、長期金利が急騰した後に株が売られた点で今年2月をほうふつさせ、「リスクパリティ戦略」を掲げるファンドや商品投資顧問(CTA)など、プログラム取引で相場の動きを増幅させるとされる市場参加者に注目が集まるところも似ている。

ロングテール・アルファのビニア・バーンサリ最高投資責任者とUSCマーシャル・スクール・オブ・ビジネスのローレンス・ハリス教授が昨年公表した論文によると、リスクパリティ・ファンドやボラティリティ・ターゲティング・ファンドを含め、市場リスクに対応して動く戦略に基づいて運用されている資産は約1兆5000億ドルに上る。

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのチーフ市場ストラテジスト、デービッド・ラファーティ氏は、彼らは同時に売りを出すので相場の下げ余地を大きくしてしまうという主張には説得力があると話す。「だれもが売りに回れば、彼らが避けようとしている問題が生まれる」という。

ウィーデンのチーフ・グローバル・ストラテジスト、マイケル・パーブス氏は、市場の値動きからすると、ルールに基づいてボラティリティ次第で方針を決める投資戦略が、米長期国債の急激な売りに反応して発動されたことが分かる、と指摘した。

2008年の金融危機後に人気が高まったリスクパリティ戦略は、従来の資産クラスにまんべんなく資金を配分する方式に代えて、株式や債券、その差の資産価格の面でリスクないしボラティリティが均等になるようにする投資で、株価急落の際にはしばしば犯人呼ばわりされる。

しかし当のリスクパリティ・ファンドは、責任を押し付けられるいわれはないと主張している。

傘下にこうしたファンドの「オール・ウェザー」を持つブリッジウォーターのボブ・プリンス共同最高投資責任者は、足元の株安が始まって以降はポジション調整をしていないと説明。「リスクパリティは10日の値動きとは一切関係なかった」と述べ、企業業績が期待外れに終わる段階が近づいて、恐らく足の速い資金が真っ先に逃げ出していることが株価下落につながったのだろうとの見方を示した。

米国を拠点にリスクパリティ戦略で運用しているファンド勢は、10日に3.0%下落したS&P総合500種に比べると痛手は小さいが、それでもこの株安で年初来のリターンはマイナス幅が拡大したとみられる。関係者によると、ブリッジウォーターのオール・ウェザーは9月末時点で年初来のリターンがマイナス0.6%だった。

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