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「第14回日中共同世論調査」結果

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認定NPO法人 言論NPO
【調査協力】
日本:輿論科学協会 
中国:零点研究コンサルティンググループ

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調査の概要

 日本の言論NPOと中国国際出版集団は、日中の両国民を対象とした共同世論調査を今年9月に実施した。この調査は、最も日中関係が深刻な状況だった2005年から毎年継続的に行われているものであり、今回で14回目となる。調査の目的は、日中両国民の相互理解・相互認識の状況やその変化を継続的に把握することにある。

 日本側の世論調査は、全国の18歳以上の男女を対象に9月1日から22日にかけて訪問留置回収法により実施され、有効回収標本数は1000である。回答者の性別は、男性48.6%、女性51.4%。年齢は、20歳未満が2.5%、20~29歳が11.8%、30~39歳が14.8%、40~49歳が17.4%、50~59歳が14.6%、60歳以上が38.9%。最終学歴は、中学校以下が6.8%、高校卒が48.3%、短大・高専卒が20.8%、大学卒が22%、大学院卒が0.9%である。

 これに対して、中国側の世論調査は、北京・上海・広州・成都・瀋陽・武漢・南京・西安・青島・鄭州の10都市で18歳以上の男女を対象に、8月27日から9月11日にかけて調査員による面接聴取法により実施された。有効回収標本は1548である。回答者の性別は、男性49%、女性51%。年齢は、20歳未満が2.5%、20~29歳が20.9%、30~39歳が21.6%、40~49歳が26.7%、50~59歳が21.3%、60歳以上が6.6%。最終学歴は中学校以下が12%、高校・職業高校卒が32.8%、専門学校卒が31.3%、大学卒が21.9%、ダブルディグリーが0.8%、大学院卒が0.5%である。

 なお、この調査と別に、言論NPOと中国国際出版集団は有識者アンケートを世論調査と同じ内容で実施した。専門家や知識層の見方と世論調査結果を比較することで、全体的な日本人や中国人の認識を補完しようと考えたからである。日中両国の有識者の多くは、相手国に関する情報取得を自国のメディアだけに依存しておらず、実際に渡航したり、相手国の友人や知人から直接的な情報を得ているなど、一般世論とは異なる傾向がみられる。

 日本ではこれまで言論NPOが行った議論や調査に参加した国内の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など約2000人を対象に9月5日から10月6日にかけて世論調査と同内容のアンケートをメール送付して回答を依頼し、うち404人から回答を得た。回答者の性別は男性86.4%、女性11.6%。年齢は、20歳未満が1%、20~29歳が2.2%、30~39歳が5.2%、40~49歳が11.6%、50~59歳が26%、60歳以上が52.5%。最終学歴は、中学校以下が0%、高校卒が3%、短大・高専卒が2%、大学卒が59.9%、大学院卒が31.4%である。

 中国側の有識者調査は、10月9日現在、零点研究コンサルティンググループが調査中である。
※ここでの数値は小数点第二位以下を四捨五入しており、また無回答を除いているため、合計が100%にならない場合がある。



日中両国民の相手国に対する印象

 中国人の日本に対する印象の改善は進み、日本の印象を「良い」とする人は昨年から11ポイント増加して42.2%となり、2005年の調査開始以降で最も高い数値となった。これに対して、「良くない」が11ポイント減少し、56.1%にまで下がっている。

 日本人の中国に対する印象はわずかに改善しているが、中国に「良くない」印象を持っている人は86.3%と依然9割近く、対照的な状況となっている。中国に「良い」印象を持っている人は13.1%にすぎない。

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相手国に対する印象の理由

 日本人が中国に「良い」印象を持つ理由で最も多いのは、「観光客の増加や民間交流により中国人の存在が身近になっているから」だが、昨年からは15ポイント減少している。昨年からの増加が目立ったのは、「中国は国際社会で世界の大国として行動し始めたから」で10.4%から25.2%に増加している。

 中国人が日本に「良い」印象を持つ理由は、「日本は経済発展を遂げ、国民の生活水準も高いから」が51.6%で最も多い回答となった。昨年最も多かった「日本人は礼儀があり、マナーを重んじ、民度が高いから」は61.8%から49.2%に減少したが、依然半数近くがそれを選んでいる。「日本は自然が風光明媚で温泉等の観光地が多いから」も45.3%と根強い。ただ、「日本製品の質が高いから」は44%で昨年の53.5%から減少、「日本の技術は先進的だから」も25%と、昨年の44.9%を大きく下回るなど日本の技術力の高さを好印象の理由とする回答は減少傾向にある。

 一方、日本人が中国に「良くない」印象を持つ最も大きな理由は、「尖閣諸島周辺の侵犯」の58.6%である。これに次ぐのは「国際的なルールと異なる行動をするから」の48%で昨年を8ポイントも上回っている。このほか、昨年を上回ったのは「中国の大国的な行動が強引で違和感を覚えるから」の36.6%(昨年34.4%)、「軍事力の増強や不透明さが目に付くから」の33.5%(昨年30.4%)である。

 中国人が日本に「良くない」印象を持つ理由は、その多くが昨年より減少している。「歴史をきちんと謝罪し反省していないから」で5割を超え最も多い回答となったが、昨年からは13ポイント減少した。これまで上位にあった「尖閣諸島の国有化」や「日本が米国その他の国と連携して中国を包囲しようとしているから」を理由として挙げる人もそれぞれ12~13ポイント減少している。

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昨年から両国の国民感情は変化したか

 両国国民の相手方への感情が、昨年からどのように変化したのかを尋ねると、日本人は「変化していない」が40.3%と最も多く、「わからない」が37.6%で続いている。

 一方、中国人では、「悪化した」が49.7%から26.4%へと23ポイント減少するとともに、「好転した」が20.4%から40%へとほぼ倍増しているなど、改善傾向が顕著である。

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日中関係の現在と将来

 両国民の間に、現状の日中関係に対する判断で改善傾向が顕著となり、いずれも「悪い」が半数を下回った。これは尖閣諸島問題以前の傾向である。特に中国の改善が際立っている。

 現在の日中関係を「悪い」と判断している日本人は39%となり、8年ぶりに4割を切る水準となった。中国人では「悪い」という判断が昨年からは19ポイントも減少して45.1%となった。

 この一年間の日中関係の変化については、両国民ともに「特に変化していない」が最も多い。ただ、「良くなった」との見方は、日本人では1割程度にとどまっているが、中国人では昨年からほぼ倍増して30.2%と3割を超えている。

 今後の日中関係の見通しについても、日本人では「良くなっていく」と見ている人は15.6%と1割台だが、中国人では昨年から10ポイント増加して38.2%と4割近くになるなど、日本人と比較すると楽観的な見通しを持っている。

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日中関係の発展を妨げるもの

 日中関係の発展を妨げるものでは、依然として「領土をめぐる対立」を挙げる人が日中両国で最も多いが、いずれも昨年を下回っている。中国人では、それに続くのは「経済摩擦」、「国民間に信頼関係がないこと」などだが、昨年と比較すると、「政府間に信頼がないこと」を課題に挙げる人は減少し、国民間に信頼がないことを障害と認識する人が昨年よりも増加している。昨年2番目に多かった「日本の歴史認識や歴史教育」を挙げる回答は34.8%から25.2%へと10ポイント減少している。

 日本人では、「政府間」や「国民間」に信頼関係がないことを挙げる人がそれぞれ4割近くあり、それぞれ昨年よりも上回っている。

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日中関係向上のために有効なこと

 日本人は、日中関係向上のために有効だと考えているのは、「政府間レベルの関係強化」が39.1%で最も多い。これに「首脳間交流の活発化」を加えると6割が政府レベルでの関係強化を期待している。中国も同じ傾向があり、この2つを加えると57.1%で、特に首脳外交の効果に期待が高まっている。日本ではこれに加えて、「尖閣問題の解決」が28.7%で昨年より増えており、「歴史問題での和解」が25.5%で続いている。中国では、最も多いのは、「歴史問題の和解」の42.8%で昨年よりも増加している。これに対して尖閣問題については30.6%と、昨年よりも11ポイント減少している。民間レベルでの交流を有効だと考えているのはどちらも1割だが、中国で昨年よりも期待が高まっている。

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世界経済の安定した発展と東アジアの平和のため、新たな協力関係を構築すべきか

 日本人の5割、中国人の6割が、世界経済の安定した発展と東アジアの平和を実現するために、日中両国はより強い新たな協力関係を構築すべきだと考えている。ただ、その割合は両国で減少している。

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日中関係の重要性をどう見ているか

 日中関係を「重要」だと考える人は両国で7割を超えている。特に中国でそう思う人が昨年よりも増加し、回復傾向が見える。

 「重要」と考える理由では、日本人の5割以上が「アジアの平和と発展には日中両国の共同の協力が必要だから」を選んでいるが、中国ではこれを選択したのは3割程度である。中国人では「隣国同士だから」や「中国の重要な貿易相手だから」と考える人が多い。

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日中関係と対米関係の重要性、親近感

 日中関係と対米関係の重要性を比較すると、日本人、中国人ともに「どちらも同程度に重要」と考える人がそれぞれ半数程度で最も多い。同時に、両国で「対米関係の方が重要」と考える人が減少している。ただ、中国では、「日中関係の方が重要」が昨年よりも増加したのに対して、日本では4.5%程度と低迷している。

 また、日中双方に対する親近感と米国に対する親近感を比較すると、日本人では「米国により親近感」を覚える人が46.9%と、昨年よりは減少したがまだ半数近い。中国人では「どちらにも親近感を感じない」という人が半数近い。ただ、米国に対する親近感が減少し、日本に対する親近感が昨年比ではわずかに増加している。

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日中関係と対韓関係の重要性、親近感

 日中関係と対韓関係の重要性を比較すると、両国民ともに「どちらも同程度に重要」が昨年同様半数程度で最も多い。日本人では「日韓」よりも「日中」を重要視する人が多いが、中国人では「中韓」関係を選ぶ人がわずかに回復し、「日中」と「中韓」は20%程度でほぼ同水準である。

 親近感の比較では、「どちらにも親近感を感じない」という人が両国民で最も多い。両国ともに、日本や中国よりも「韓国により親近感を感じる」という人が続いており、それぞれ昨年から増加している。

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最も自国との関係が重要な国

 自国の将来を考える上で、世界の中で最も重要な国であると判断したのは、日本人では「アメリカ」が6割近くで突出しているが、昨年からは減少している。中国人では「ロシア」が30.9%で最も多く、「アメリカ」の23.3%を上回り、昨年よりも差を広げている。日本人で「中国」を選んだ人は8.2%と1割に満たないが、中国人で「日本」を選んだ人は昨年の12%から18.2%に増加して2割近くになっている。

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日中平和友好条約に関する評価

 今年は日中平和友好条約締結から40周年にあたる。そこで今回の調査では、この日中平和友好条約に関する設問を加えた。まず、日中平和友好条約の項目の中で、どの項目を今後も発展させるべきかを尋ねた。

 これに対し日本人では、第一条第1項の「両国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等、および互恵並びに平和共存の諸原則のもとに、恒久的な平和友好関係を発展させる」という恒久的な平和友好関係の発展を現在も支持する声が51.8%と半数を超えて最も多い。

 中国人でもこの項目を選択した回答が64.9%で最も多い。ただ、中国人では、第一条第2項の「全ての紛争を平和的な手段により解決し、武力または武力により威嚇に訴えない」という不戦を求める声が64.2%で並んでおり、さらに第二条の「両国はいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、他のいかなる国または国の集団による試みにも反対する」という反覇権を支持する声も53%と半数を超えている。

 日本人では、今後も発展させるべき項目として、この"不戦"条項を選択した回答は38.8%と4割弱、反覇権は19.7%である。
次に、こうした日中平和友好条約の様々な条文の理念は、現在の日中間で実現できていると思うかを尋ねた。

 これに対し、日本人では「実現できていない」という評価が、40.4%と4割を超え、「実現できている」という評価は14.8%と1割台にとどまっている。ただ、「わからない」が44.6%ある。中国人でも、「実現できていない」が46.2%で最も多い。ただ、「実現できている」も44.8%と4割を超え、評価が拮抗している。

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改革開放は交流を促進したか

 今年は中国の改革開放政策の実施からも40周年である。そこで、この改革開放政策が日中の政府間関係の友好発展や、経済、文化、民間での交流を促進したと思うかについても質問した。

 中国人では、「促進した」という見方が71.4%と7割を超えている。
一方、日本人では、「促進した」(25.2%)と「促進していない」(29.2%)で見方が分かれている。また、「わからない」が42.5%と4割を超えている。

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相手国の社会・政治体制に対する理解

 日本人では中国を依然として「社会主義・共産主義」と見ている人が49.4%と最も多く、これに「全体主義(一党独裁)」が、32.6%と続いている。

 中国人では、日本を「資本主義」と認識している人が48.9%と最も多く、これに「覇権主義」の39.5%が続いている。いずれも昨年よりも増えている。「軍国主義」という認識は36%から25.7%へと10ポイント減少し、2005年の調査開始以来初めて2割台となった。日本を「民主主義」の国と考える人は7.6%、「平和主義」は3%しか存在しない。

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相手国の政治家の誰を知っているか

 日本人の中では依然として「毛沢東」が知名度が高く、9割近くが知っているが、「習近平」が8割を超えてそれに並び始めている。「李克強」は1割台にとどまっている。「安倍晋三」を知っている中国人は8割近い。

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相手国への訪問についての認識

 中国へ「行きたい」という日本人は29.2%にすぎず、7割が「行きたくない」と回答しており、この傾向は昨年と比べ変化はない。これに対し、中国人では43.8%の人が日本へ「行きたい」と答えている。

 訪問を希望する理由としては、日本人では「歴史・文化遺産への訪問」、中国人では「景勝地や観光地への訪問」など、観光に関するものを挙げる人が最も多いが、中国人では「買い物」を挙げる人も昨年同様半数を超えている。

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