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スルガ問題が引き金となるか、投資用不動産の逆回転

日本人には基本的に不動産神話がある気がします。歴史的に見る地主と小作の関係であります。海外では資本家と労働者という関係が好対照ですが、それをもっと小ぶりながらも具現化したのが土地持ちとそうではない人の位置づけだろうと思います。

日本人のDNAとも言える不動産所有欲求は高度成長時代に持ち家促進を普及させ、80年代バブルで一旦天井を打ちます。その後、新世代の駅近のマンション、湾岸地帯のマンションそして、タワーマンションブームとバトンタッチしながらも確実に不動産への高い興味を維持してきました。

一方で自宅のみならず、投資用不動産にも昔から根強い需要があったのですが、今世紀に入り、自己資金が少なくても不動産を買うという手法が一部で人気になりました。低金利政策のおかげであります。資金の借り手である不動産投資家からすれば金利は安いし、銀行は貸出先に飢えているわけですから何棟もマンションを買い占める「棟買い」の不動産爆食時代を迎えていました。ニュースにはあまり出ていませんでしたが、不動産事業をしている方ならば誰でも知っている事実であります。

そんな爆食の人の話を聞いていると賃料収入の大半を元利払い充て、残った部分が自分の懐に入るというシナリオです。計算上、元手が少ないのに資産が計上され、お小遣い程度の収入があるのですから、投下資本に対する利回りが極端に高くなる数字のマジックで大半の人は目がくらむわけです。そうなるともっと投資を増やせば大金持ちになれるという悪魔のささやきに「もう一つ買い!」という勢いがついてきます。

問題はそんな鼻息の荒い話を傍で聞かされた人たちです。「ならば、俺もやるぞ!」。しかし、元手がなければいくら何でも銀行も躊躇します。そこで生まれたのが「何とかしましょう」という不動産屋の悪魔の手引きであります。

今回はスルガやTATERUなどが表ざたになっていますが、まだ相当あると思います。言い換えればこれは氷山の一角であったと考えています。この一件で引き締めに入った投資用不動産への融資の意味とは金融機関が金融庁に目を付けられないよう、また表ざたにならないよう、必死の防戦をしている、と申し上げたほうがいいのでしょう。

しかし、賃貸不動産への需要は場所を間違えなければ高水準が続きます。私のところも100%部屋は埋まっています。理由は不動産購入できる余裕ある若者は狭められていることと外国人の需要であります。私も「もっと欲しい」とは思いますが、厳選したものしか手を出しませんので不動産屋泣かせかもしれません。

若干、融資をしてもらっている某大手銀行の支店長氏曰く「シェアハウスで融資している案件は全店でも極めて少ない」と。だから次があっても融資できるか保証がないというわけです。資金繰りぐらいはどうにでもなるので「どうぞお気遣いなく」と申し上げていますが、私としては「しめしめ」なんです。なぜかといえば需要に対して供給が細るので事業はしやすくなるのであります。

投資用不動産への投資家の需要が低迷すれば価格の下落→担保不足→銀行からの無理難題→担保処分…という悪循環に対して海外投資家と大手不動産会社が拾い上げるというシナリオはありうるのかもしれません。ただし、個人投資家は再生価値のないボロ不動産もかなり吸い上げましたのでそういう物件は要注意かと思います。

不動産価格は基本的に上昇傾向でありますが、投資用不動産への融資引き締めがこの傾向に一旦水を差すのか、気になるところです。

では今日はこのぐらいで。

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