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子宮筋腫で知ったネットの偏った情報――元グラビア女優・沢田夏子

写真AC

37歳の時に子宮筋腫が見つかる

今年の夏はかなりしぶとかったですね。9月半ば過ぎでも30度を越えていたし、ゲリラ豪雨に世界異常気象。25年ぶりだという大型台風もたて続けに襲ってきました。10月に入ってからも突然暑さが戻ってくるなど…アラフィフにはかなり堪えました。

さて世間では、宇宙アドベンチャー、月旅行、1000億円と未来への熱い報道が盛り上がる中、私は遅ればせながらスマホ・デビューしました!

この便利過ぎるスマホちゃん、ニュースが次々とピコピコと入ってくる!先月だったか、一生懸命スマホと向かい合ってると「樹木希林さん死去」の訃報が目に入ってきて、いきなり超ショック!「ムー一族」絶頂期世代の私にとって大好きな女優でした…乳ガンから全身ガンに転移とは悲し過ぎます。

「癌」。

最近は「いつかはなるかも?」とさえ思えるほど身近な病になってきました。

以前なら親族にかかった人はいないし、自分には全く関係ないと思っていたのに····昨年、そんな私が子宮がん検診でひっかかり初入院で初手術を経験しました。

思い起こせば、37歳の時、生まれて初めて区の「無料子宮がん検診」を受診しました。全く未知の婦人科、色々と話では聞いてたけれど検査は超苦痛。先生はと言うと、子泣き爺で怖いし痛いし最悪!

その時2センチ程度の子宮筋腫が見つかり、さらに「もう37歳なんだから真剣に母親になる準備をしなさい」と親戚の叔父さんのような温かい檄を頂き、経過観察となりました。

7年放置した後、覚悟して病院へ

子宮筋腫は、今や30歳以上の女性3人に1人は発見される、子宮の病気ではある意味でメジャーなものだそうです。自覚症状が全くないので。子泣き爺が怖いし、痛いし、といったことを理由に、私は勝手に大丈夫だろうと思いっきりタカを括り、丸7年の間、検査も受けず放置してました。

ところがある時、ふと気がつくと、何か最近太ったかなと思うくらい、固くお腹が目立つようになってきたんです。

「これは、病院に行かねば!」

と確信したのですが、その前に一応自分なりに子宮筋腫のことをネットで調べたり、手術した友人たちからも色々と術後の体の調子を聞いたりしたんです。

すると私の今の状態だと…子宮全摘になる可能性があるという事実を突き付けられました。が、それと同時に閉経すると筋腫が小さくなるという、わずかながら希望の光となる情報も飛び込んできました。

昭和のグラビア女優だっただけに、少なからず見せてナンボの商売をしてきた私にとって、身体にメスを入れるなんて考えられませんでした。どうにか、どうか、頼むから閉経まで逃げ込みたいと思いすぎて....気がつくとその思いは単なる意気地なしの意固地になっていました。

そんな私を嘲笑うように筋腫はどんどん成長していきます。さらに、貧血も激しくなり駅のホームでは立って電車を待てずしゃがみ込む始末、階段を登ると半端ない息切れになりエレベーターで移動!とうとう日常生活に支障をきたすようになってました。

限界を感じた私はやっと覚悟を決めて病院に行きました。

ガンではないが…全摘出手術を決心

血色素の数値が成人の半分しかなかったので、まず貧血改善のため月経を止めるホルモン注射(抗がん剤の一種)を打ち、造血剤をもらい、久しぶりに、子宮頸ガンと子宮体ガンの検査も同時に受けました。 この子宮体ガン検査。私の人生の中で一番、痛かったです。

先生からは「あなたの筋腫はデカ過ぎてエコーに映りません」と超直球なお言葉!

駄目もとで、恐る恐る先生に「全摘手術ですか?」と問いかけたら「その方向性で考えてます」と爽やかに言われました。やはりそうだよなぁと私は意固地な自分への説得がスタートしてました。

数日後、頸ガンも体ガン検査も両方ひっかかり再検査。ショックでした。

再検査の結果まで約1ヶ月間はまるで処刑台を登るようでした。何をやっても、落ち着かないし、このままガンが進行したらどうしようかと。ホルモン注射の副作用もあり、相当ナーバスになってましたが、ある時ふと母の顔が浮かび…「早く全摘出手術をしよう」と、なぜかスッキリと手術への決心がついたんです。

今でも不思議なんですが…決心ついたら「善は急げ!」。手のひら返しをするごとく、私は再検査の結果を聞く前に「先生!一刻も早く手術して下さい」とお願いしていました。

検査の結果はガンではありませんでした。ラッキー!

そして、月末だったせいか運良く来月の手術の空きがあり、その日のうちに術前検査までしちゃいました。通常はガン患者以外の手術は、3ヶ月後でないと予約が取れないそうです。それだけこの世の中、手術をする方が多いんですね。

手術を乗り越え生きることの有り難さを知る

いよいよ人生初の手術がやって来ました。手術の前日から入院し、麻酔科の先生からから色々と説明を受け後「手術中にかけるBGMをこの中から選んで下さい!」と言われ「私は全身麻酔でBGMかよ?」と思いながら、心理的な安心感を感じたい為に海のヒーリングミュージックを選びました。

お世辞にも綺麗とは言えないベテラン看護婦さんから下の毛を処理され手術に挑みます。朝一番の手術、紙パンツと手術着に着替え!ストレッチャ―でいざ!手術室へ初陣!と気合い入ってたんだけど、このストレッチャ―結構酔うんです。おえっ!気持ち悪い状態で、手術室に突入!

想像してたよりも遥かにデカイ、沢山の緑マスクの集団!昨日、選択した海のヒーリングミュージックがかかってました。すると!1人の女医が、最近彼氏とうまくいってないのかいきなり「このBGMは静か過ぎるから違うのにしましょう!」と言い出し、勝手に女医好みの音楽に変えたんですっ!コンニャロー!心理的安心感の為に選曲したのに!思いっきり心理的不信感になっちゃいました!

おまけに、麻酔科の先生が新人なのか麻酔の針が中々入らず、散々手こずった挙句に「反対の腕でお願いします!」だって。ぎえぇ〜!まだ、もう一つオマケに、麻酔科の男の先生が「今どき大病院のくせにこんな茶色の消毒薬を使うところはないよ」なんて不満を助手に言い出す。まな板の上の鯉状態の私にまる聞こえだろう!最後にその不満男先生に「はい!次に目が覚める時は全て無事に終わってますからネっ」てマジかよ!と覚えてるのは、悔しいけどそこまでなんです。

ひと悶着あったけど無事手術は終わりました。

私の筋腫は約16センチ重さ1.2キロありました。8ヶ月目ぐらいの胎児と同じ位の重さだそうです。 同じ病室に、癌を患ってる方が2人いらっしゃいました。その1人のちゃきちゃきなご婦人が、私に色々と病院の事を教えて下さいました。

「2年前に子宮体がんで手術したけど再発して抗がん剤を打つために入院してるの。子宮筋腫なら大丈夫!直ぐ良くなるわよ!私はかつら買わなきゃね!」と自身を顧みず励ましてくれました。

そして、滋賀県から来てたと言うもう1人の高齢の方は、乳がんで手術を受けたけど再発したので再手術。すると次に骨に移転したので、強い抗がん剤治療を受けたそう。すると、今度は抗がん剤の副作用で顎の骨がとけてしまったので、高額なインプラントを含め3本の歯を手術の為に抜歯し、顎の手術を受けたけども、もう片方の顎の骨もかなりとけていて時間の問題なのよと淡々と話されてました。そんな話を聞かされると、私の子宮全摘など盲腸の手術レベルだと深く感じました。

2人に1人、3人に1人がガンで死亡の時代だそうです。私はたまたま、今のところガンではないだけ。もしガンになったら、あのご婦人達みたく気丈でいられるだろうか?筋腫でさえ、こんなに大騒ぎの弱っちぃ私に…。

悲しいけれど、長寿大国日本だから今後も手術や抗がん剤などのガン治療を受ける人はますます増え続けます。でもその一方で便利なネットの偏った情報のおかげで、私達の健康への欲望はいつまでも満たされない…。だけど、生命維持にはコストがかかる!

87歳まで現役のパン屋を続け99歳で亡くなった、私のばあちゃんに幼い頃からいつも聞かされていた言葉があります。それは

「生きるって事は、辛くて大変な事!仕事は有難い事!明日の100円より今日の50円が大事!」

ということです。今頃、やっと少し理解出来るような気になってきました。「量より質!今日出来る事は今日!」とばあちゃんスピリッツで、野生動物のごとく日々生き抜きたいと、今は思うアラフィフです!

沢田夏子プロフィール
元グラビアアイドル、女優
1968年10月18日、東京・東村山市出身。雑誌「GORO」(小学館)の創刊15周年を記念した「激写QUEENコンテスト」(89年)で「激写シンデレラ」を受賞し芸能界デビュー。「GORO」を始めとした男性誌のグラビアで人気となる。その後、グラビアから女優を中心とした活動に幅を広げていく。天性の明るさと、演技力で当時の多くのピンク映画系監督からも人気を集めている。

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