
BLOGOS編集部
前回に引き続き、タレントで元AV女優の麻美ゆま氏、産婦人科医の宋美玄(そんみひょん)氏、泌尿器科専門医の福元和彦氏、株式会社TENGAヘルスケア取締役の佐藤雅信氏、国際基督教大学・公共政策専攻の福田和子氏によるセッション「私たちは性のはなしを知らない」をレポートする。
不妊の原因 約5割が男性側に

福田和子氏
福元:今は晩婚化という影響もあるんでしょうけれども、男性にもその影響が大きく来ています。以前であれば不妊症は産婦人科で治療しましょうという感じだったんですが、今、男性が原因であるものが48%といわれています。
その一つの原因が精子の運動率の低下です。年齢を重ねるとかなり「精子の質」が落ちてくる。それを検査するのは精液検査なのですが、男のプライドがあって精液検査をするのに結構、抵抗があるんですよ。自分の種があるかどうかというところもありますし、検査は産婦人科でやらないといけない。それも一つのハードルです。女性のいるクリニックで精液検査をするのはちょっと恥ずかしさもあるので、なかなか進んでいないという現状があります。
そういうところで、最近では簡易型の精液検査を自宅でできるというものをTENGAさんもつくっているんですね。

BLOGOS編集部
でも、弊社から出ているTENGAメンズルーペという製品を使えばスマホで精子を簡単に観察することができます。
使い方としては精液を出して、スマホのフロントカメラのところにレンズを貼って、そこに精液を垂らす。そうすると、自分の精子がスマホの画面上で見られるというものです。画面上で見ながら、それを写真に撮ったり、動画で録画したりして自分の息子、おたまじゃくしたちを観察するということが可能になります。
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宋 :不妊治療を長くされている方でも、夫がどうしても精液検査を受けてくれないと。例えば、私たちなんかは排卵していないと分かっても、「私は女じゃなかったんだ」とは思わないと思うんですけれども、思う人もいるかもしれないけれども、男性にとって勃起とか、射精とか、精子がいるかというのはものすごくアイデンティティを占めてる感じですか?
佐藤:僕はすごく思います。それがあるから精液検査が進んでいないんだと思います。いろいろなところで、やりましょう、やりましょうと言ってメンズルーペを配るんですけれども、実際にそのデータを持ってくる人はほとんどいないんです。
宋 :そもそも勃起や射精ができなくて、妊活自体が成立していないみたいな人も多いと思うんですけれども、そういう方も診察されますか?
福元:そういう方が今増えているんです。男性不妊症の8割が精子の運動率が低下しているということなのですが、あとの15%ぐらいは勃起障害や射精障害というものになります。勃起障害はバイアグラなどのお薬がありますので、それでなんとか対応できるんですが、射精障害に対しては、今TENGAさんといろいろ取り組んでいます。
女でイケない「膣内射精障害」

BLOGOS編集部
マスターベーションでは射精ができるのにセックスで射精ができないということを膣内射精障害といいます。膣内射精障害という言葉を皆さんはあまり聞いたことがないかと思うんですけれども、「おれ、セックスでイケないんだよね、オナニーだったらイケるんだけれど」とか、女性で「私、セックスでいけないの」とかっていう言葉を聞いたことがあるという方は、もしかしたらこの中にもいるのではないかと思います。
福元:「おれは女でイッたことはねえよ」って人がたまにいます。それがこれなのです。

BLOGOS編集部
宋 :これは女性の側から言わせてもらうと、しんどいんですよね。
佐藤:本当にしんどいと思います。
宋 :中には長持ちすることを「相手をヒーヒー言わせてやるぜ」みたいな感じで思ってる人もいるかもしれないけれども、長すぎるセックスって結構、迷惑というか。
福元:限度がありますから。
麻美:私も結構、相談とかで、「早漏の治療に行きたい」とか、「どうやったら早漏って改善できるんですか」とか、聞かれることがあるんですけれども、それよりもよっぽど治療とか、こういう射精障害に目を向けたほうがいいのではないかと個人的には思います。
宋 :女の子は、私の体が気持ち良くないのかなとか思ったりしちゃうんですね。
麻美:思いますね。
宋 :なので、270万人のパートナーも救ってほしいです。

佐藤雅信氏(左)福元和彦氏(右)
一つ目が、性的な自信を失ってしまって性行動や、恋愛に対して消極的になってしまうことです。これは男性もですけれども、女性も自分に原因があるのではないかと思ってしまったりして、セックスに対して消極的になってしまったりするということもあると思います。
二つ目は、先ほど宋先生からもありましたけれども、女性の心身に負担が掛かる。体だけではなくて、心の問題です。自分に原因があるのではないかといって思い悩んでしまうということもあります。
三つ目が、パートナーとの関係が悪化してしまうということです。セックスがうまくいかないのでパートナーとの関係が悪化してしまって、結局、セックスレスの引き金になったり、最悪の場合、離婚にまで発展してしまうというケースも出てきました。
四つ目に、先ほどもありましたけれども、不妊の原因の一つになってしまうということです。セックスで射精ができないわけですから、自然妊娠ができないということです。
膣内射精障害の7割「間違ったオナニーが原因」

麻美ゆま氏

BLOGOS編集部
弊社で調べてみたところ、どれぐらいの強さかというと、手首を握ったときに、少し血が止まるというか、それぐらいの強さといわれています。もちろん膣というのはそんなに強く締め付けることはできないので、セックスで射精ができなくなってしまうということがあります。
二つ目が特定の体位での射精。これは俗にいう「足ピン」というものなのですけれども、足をピーンと伸ばしてないと射精ができないという方も増えています。
足をピンと伸ばしてないと射精ができないということは、例えば、正常位ですとか、バックといった体位、その体位で足ピンができないと射精ができなくなってしまう。騎乗位だったら足をピーンと伸ばすこともできるかもしれないんですけれども、そうもいかないということで問題になる。
宋 :騎乗位で女性が相手をイカせるほど動けというのも、ちょっとAVの誤解ですよね。
麻美:そうですね。本当にすいません。
福元:これには原因があって、精液をいっぱい出すことがいいという、AVの影響なのかもしれませんけど、射精するときに男は力を振り絞って射精する。そのときに足に力を入れて出すという癖が付いてしまっていることが原因だと思われます。
佐藤:最後のプレス法というのは、いわゆる「床オナ」。床に押し付けたり、こすりつけたり、床といっても布団とかそういったものに押し付けたり。バリエーションとしては壁オナ、角オナという、テーブルの角に押し付けたりしないと射精することができないものもあります。これも膣内で射精ができなくなる原因になります。
宋 :これが日本人に多いんですよね。
福元:日本人に多いですね。なんでですか。
宋 :畳の文化だからだと思うんですけれども。
佐藤:そうではないかと思います。
宋 :畳って気持ちいいらしいです。
福元:でも、プレス法というのは先っぽにオナホールを着けている方が多いんですよ。結構、日本はオナホールが昔からあるので、そういうもので増えているというのもあると思います。