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民主に先駆けAIJヒアリング!過去3年で1000億円の損失を出した投資顧問の事業報告書は、判断材料にならない代物!役員の的確基準も甘い!

午後一時、窓の外は雪の自民党本部に、金融庁と証券監視委員会の担当課長、厚生労働省の企業年金課長を呼んで、AIJ投資顧問事件についての、第一回ヒアリングを1時間20分ほど行いました。
 与党もまだ手をつける前に、と私が関係各部会長に提言いたしました。

 その場で明らかになったのは、平成18年に「金商法」として、さまざまな業者にかかるさまざまな業法や規制を横断化するなかで、ヘッジファンドも規制に取り込むことになった。欧米ではヘッジファンドはほぼ自由、ということで、年金を預かる業者も含めて、認可制から登録制にすべてそろえ、詳細な方向や手取り足取りの監督もなくしたということ、そしてその過程で、年金の一任運用の特殊性に対する配慮が全くなされていなかったということ。

 今の金融監督では、いわゆる検査は、証券監視委員会、ということになるのですが、265社もある一任運用投資顧問は、年に15~16社しか検査できないとの説明がありました。

 ならば、日々の監督を行う手がかりとなる事業報告書はどんなものだったのか。昨日私はある筋から見せていただいたのですが、およそ、「ヘッジファンド運用をする」「8%の利回りを出す」とのうたい文句で資金を集めている業者に要求するものとしては、「どういう魔法を使えばこういう経済状況で、そんな高利回りが出せるのか」、が判断できるような運用の仕組みにあたる記述がほとんどない」ものであり、金融庁もそれを認めていました。

 運用報告書を金融庁が入手しているかどうかについては、4人の課長が顔を見合わせるシーンが続き、いかにこの分野の監督に手がまわっていなかったか、如実に物語っていました。

 答えは、おととしの暮れのものを、去年の春に受け取ったのが最新、という信じがたいもの!!!

 投資顧問の行為規制にかかる適合性の原則というのは、あくまで顧客を勧誘する局面であり、顧客の知識、経験、財産に照らしてし適当か、総合的に勘案する、というもの。

 その後の継続的な関係としては、運用報告書しかなく、年金については年4回、との回答がありましたが、この報告書は厚生労働省にはいかないのです。

 また、上場投資信託でも公募ファンドでもないので、有価証券報告書のディスクロ義務はかかっていません。外部監査もきわめてあまく、年金基金の側も、この業者にひっかかってしまったところは、中小で、資金に余裕がないところが多くて、外部の専門家を依頼して運用をチェックするようなことは、できなかったと分析されています。

 また、業界で噂になっている、総会屋への利益供与で一度有罪になっている人物が役員で、実質運用責任者と言う点については、かつて投資顧問業法があった時代にこの業者は登録を受けているのですが、その時点で刑期が済んで5年以上たっているとは、欠格自由にはならなかった、との答弁がありました。

 金商法のもとでは、そういった欠格事由すらないのです。

 会議終了後、後輩課長が、「片山さん、その点は結構法務省がうるさくて、厳しい欠格事由を設定できない。」とささやいてくれました。

 もうひとつの「蹉跌」は、年金基金の運用ルールです。私の隣にすわっていた塩崎元官房長官が、「97年の規制緩和は俺たち、認めちゃったんだよな。でも、その後、金融監督がここまで緩和されて、こうなるとは」とつぶやいておられましたが、債券5割、株3割、外貨3割、不動産2割、の5,3,3,2、ル-ルを、事故責任に転換したのは金融ビッグバンのころの97年。その際、「分散投資」はすることになりましたが、極論、1対9での分散でも違反ではなく、自己責任、ということで、こういう実態になっていったのでしょうね。一任する業者も、極論1社でもいいのですが、今回の被害にあった基金のなかにも、さすがにこの会社1社だけに一任した所はなかったようです。

 そもそも595の年金基金のうち、445に積立不足があるのが現状です。かつて大変な問題となった、公的年金の代行ですが、こちらについても「代行割れ」が4割もあるのですが、これを解散するとなると、不足分を被保険者全体で穴埋めしなくてはならないので、とてもできない。

 その後の通達で、15年かけてやってもいいことにはなった、償却も時間をかけていいことにした、と企業年金課長は説明したましたが、その後の市場も状況が改善してませんので、時間稼ぎにすぎない、とも言えますね。

 なぜ、藁をもつかむつもりで、こんないい加減な?投資顧問にひっかかったのか?日本国内で株安、低金利が長年続き、5,5%のかつての運用利回りなど、到底のぞめない状況のなか、体力のある大企業の年金基金は、運用利回りを下げて、積立不足を解消していますが、「○○県、建設業基金、トラック基金、商店街基金」の類では、とてもその体力はなく、ずるずると、そんな利回り毎年達成できるはずない「高利回り約束」のままできてしまい、8%ヘッジファンド運用をうたうこの業者の餌食になってしまった、、。

 今夜の報道で、AIJの社長は、平成元年の発足当初から損失を出しており、特にこの3年で1000億円磨ってしまった、とほざいていることが明らかに。(涙目)

 はじめから詐欺まがいの疑いすらありますが、業界ではすでに去年、いやもっと前から噂になっていたようで、「あそこは危ないですよ」とほかの外資系に言われて、運用を減らした基金がけっこうあるようです。

 特に「この3年」はリーマンショック以降。そこで、全社ヒアリングや調査を行わなかった行政の不作為は、問われて然るべきでしょうが、民主政権の金融担当、亀井大臣、自見大臣、いずれも国民新党、、、。うーーーん!無理かな?

 私は最後に、「年金基金がこの10数年、身動きできない状態にあることを解消しようとしたら、厚生労働省の通達でやるのはもう限界。金融庁も今の金融商品取引法の体系では、再発防止は無理なのでは。年金の受託を一任で行う業者について、なんらかの特例法を作るしかないんじゃないの?」とたずねました。

 霞ヶ関からは異論は出ませんでした。

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