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世田谷区・まんがワークショップの騒動巡り「ネット私刑」活発化 「被害者への共感はわかるがそれと晒し上げは別」識者が注意喚起

『岡崎に捧ぐ』で知られる漫画家・山本さほさんが、世田谷区のイベントに講師として参加した際、職員から杜撰な対応を受けたとする騒動。世田谷区は10月4日、公式サイトに謝罪文を掲載した。

10月5日に山本さんはツイッターで、担当職員の上司2人から謝罪があったことを明かした。しかし、ネットでは、職員本人からの謝罪がなかったことに不満を漏らす人も少なくない。中には、職員の本名や顔写真などを特定し晒そうとする人も出ている。

ITジャーナリストの井上トシユキさんはこの動きについて、ツイッターの投稿を見る限り「担当職員の対応が適切でない」とした上で、「その問題と、晒し上げるのは別問題」と警鐘を鳴らす。

人権侵害で刑事事件として訴えられる可能性もある

ネット私刑を行う人とは?

井上さんは「被害者に共感し、加害者を『ひどいやつ』と思う気持ちは分かる」というが、「相手のプライバシーを侵害することはもっての他。人権侵害で刑事事件として訴えられる可能性もあります」とコメント。ネット上では、山本さんが担当職員を特定できる表記で漫画を書いたことに問題がある、という声も上がっているが、

「山本さんは相手を匿名化して書いているし、それこそ『担当職員に罰を与えてくれ』と言ったわけではない」

と、忖度が過剰だと指摘した。

「ネット私刑」が起きるのは、当事者の望みに関係なく被害者に勝手かつ過剰に忖度をして情報を拡散する「道徳自警団」が増えているためだと言う。

「ストレス発散のために『明らかな悪人』を叩く人もいますが、『悪いヤツが罰を受けないなんておかしい、誰もやらないなら自分が懲らしめてやる』と本気で思っている、自警団・仕置人気取りの人が行っているとも考えられます」

背景に格差社会「叩いても文句を言われない奴見つけると徹底的に叩く」

現代は「正規雇用か否か」「同じように生きていても給与が違う」など格差が目立つケースが多く、不満を抱きやすいとしている。そのため「叩いても文句を言われない悪いヤツ」を見つけると、日々の鬱憤を晴らすように徹底的に「ネット私刑」を行うという。

「しかし行き場のない不満を抱える人はいなくはなりません。今後もネット私刑は無くならないでしょうし、チャンスがあれば叩く人がいると思います。しかし日本は法治国家なので、他者に憤慨しても無関係な自分が勝手に制裁を加えてはいけません。また法で裁くまでのものでないなら、当事者同士で解決するのが一般的です」

近年は、「ネットに晒されたり誹謗中傷を受けたりすると相手は傷つく、ということを気にしない、または知っていても鈍感なフリをしている人が多くなった」とも振り返る。現代社会の闇は深い。

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