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2017年の家計所得は過去最高も、一部の所得格差は最大


米国の成長率は、2期連続で2014年以来の4%成長となる可能性が高まっています。米株高も、好景気を先取りして過去最高値を更新してきたように見えるほど。トランプ政権後、税制改革法案の成立もあって経済への追い風は現状、吹き止みそうにありません。

GDPや雇用統計のほか、家計にもグッドニュースが届きました。米国勢調査局によれば、米国の実質家計所得は2017年に前年比1.8%増の6万1,372ドル(中央値、労働所得や配当、年金などを含む)となり、3年連続で前年比プラスとなりました。さらに、2年連続で過去最高を更新しています。

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しかし、依然として格差拡大は残ります。所得階層で上位5%の所得の伸びは同3.0%増(23万7,034ドル)、上位10%も同2.6%増(17万9,077ドル)と、中央値の伸びを上回っています。逆に下位20%は、同0.5%増(2万4,638ドル)にとどまりました。この結果、上位5%の所得は下位20%に対し9.62倍と2016年の9.38倍を超え中位50%(6万1,372ドル)に対しては3.86倍と統計開始以来で最大となっています。

金融危機前と2017年でみた、上位5%とその他層と賃金格差。

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格差拡大要因として、ハーバード大学で経済学の教授を務めるラリー・カッツ氏は主に2点を挙げます。まず、賃金の伸びが生産性の伸びを下回ることから推察される通り、企業が賃金より研究・開発を含む設備投資に資金を振り向けていると考えられます。確かに、1973年を起点とした上昇率をみると、生産性が246.3%に対し、平均時給は114.7%でした。第二に、グローバル化や技術革新を背景に高賃金職と低賃金職との間の賃金格差が拡大した点を挙げます。製造業の平均時給に現れており、2007年以降、全米平均を下回り続ける状況。また労働統計局のレポートによれば、高賃金の職ほど週当たり賃金の上昇は著しいことが分かります。

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資産の保有動向も、所得格差をもたらしたことは言うまでもありません。2018年1~3月期の家計資産動向では、金融資産が70.3%を占め過去最大でした。また、2017年の株式保有率(投資信託など間接保有を含む)は上位40~60%で51.8%、対して上位10%で94.7%であり、高所得者ほど株高の恩恵などにより所得を拡大できたと言えます。

好景気ながら、家計所得で明暗が分かれている・・・この状況を最大限に有効利用できる方々がいらっしゃいます。民主党の左派、プログレッシブに属する候補者です。次のコラムで、格差問題がもたらす中間選挙の影響を考えていきましょう。

(カバー写真:John W. Iwanski/Flickr)

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