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新潮社、あの問題を検証するってよ


10月2日(火)に、「新潮45」と「杉田水脈寄稿」を考える院内集会を開催した。登壇者は尾辻かな子衆議院議員、ジャーナリストでありLGBT当事者の北丸雄二さん、元衆議院議員でジャーナリストの井戸まさえさんだ。おかげさまで約50名を動員。満員。メディアの取材も多数。感謝。


LGBTについては、私は専門分野ではない。セクシャルマイノリティーの友人・知人はいるが、私は当事者ではない。ただ、やや領空侵犯のようで、この問題について発言するのは、知識人・文化人の端くれとして、これは日本の論壇と、民主主義の問題を象徴するものだと直覚したからである。論壇の劣化、民主主義の危機を象徴するような事件だ。一物書きとして、この問題について、この猖獗した日本社会に、警鐘を乱打したいと考えたのである。今ここで起ちあがらないならば、人類滅亡の危機さえ招くことを直覚したのだ。


新潮45を起点とした、一連の論争、いや騒動は、大変に悲しかった。根拠が薄弱な原稿が伝統ある出版社の、30年以上続いているオピニオン誌に掲載されてしまった。新潮社といえば、糸井重里さんが書いた、「想像力と数百円」というコピーが、あまりにも有名だ。しかし、「新潮45」という雑誌には、数百円どころか、数円分の想像力もなかったようだ。

いまや、言論は、部数、PV数にハッキングされている。もっとも、部数のために新潮45は先鋭化したというが、結局、それで売れたのか?部数の拡大ではなく維持、実売率向上に目がくらんでしまったのか?「新潮45」が反論特集を組むなら、批判的な論客も呼ぶべきではなかったか。実際、セッティングしようとしたが、断られたという。ただ、これは編集者の怠慢ではないか。

この問題を起点とした議論も雑だった。左右対立に矮小化されていないか。この件を政権批判に利用するつもりはさらさらないつもりだが、批判せざるを得ない点はある。与党自民党の対応は残念だと言わざるを得ない。自民党内に自由な意見があり、議員も多様だという話ともまた違う。そして、この対応そのものが議論しない政治そのものではないか、と。

もっとも、杉田水脈議員への脅迫、新潮社不買運動、看板へのいたずらも残念だった。さらには、この総括なき安易な休刊もだ。責任のとり方として「休刊」という選択肢を取らざるを得ない案件だと思う。ただ、今回のようなやり方での休刊は無責任だ。何がどう問題だったのかも不明確。検証はするべき。邪推ではあるが、実は責任をとったのではなく、文芸の著者の反乱による「本業」の崩壊を避けただけのようにも見える。

率直に、かっこ悪い。政治家と、メディア関係者は、もっとかっこよいものではなかったか。

これが私の問題意識だ。

当日は、ファクトと向き合うこと、歴史や他国での動きを振り返ること、一定の支持者がいることにより主張が過激化していくということ、意見を発信し議論する姿勢など、様々な論点が提示された。

・・・私の仕切りが悪く、予定時間をすぎてしまい(そして、始まる前に、準備に集中していたら、いつの間にか時間をすぎていたという)。質疑応答、意見交換、交流などの時間がなく、申し訳ない。16時20分から小平市小川町の武蔵野美術大学で講義があり。15時20分に議員会館を出ると、公共交通機関+タクシーでムサビに間に合うというのも驚きだった。

さて、ここまでは私視点での振り返り。ここからが、小さいけれど、大きなニュース。

このイベント、昨日の東京新聞で紹介されている。イベントの他に、内田樹さん、やくみつるさん、江川紹子さんの意見が出ている。彼ら彼女たちらしい意見で。ただ、何気にGJだったのは、新潮社の取締役伊藤幸人氏から「自主的に検証したい」という言質をとったことではないか。まあ、「最後まで金儲けに使って」という批判も受けるかもしれないが、ぜひ、出版社ならこの「自主的な検証」を書籍や雑誌のかたちで共有してほしい。「新潮45」は休刊になったが、どういうかたちにせよ、新潮社のオピニオン誌の再生にも期待している。うん。

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