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「自由民主党が国民の気持ちから離れることが一番怖い」石破茂氏が総裁選後の心境を語る

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日本の一番の問題は少子高齢化

BLOGOS編集部

日本の一番の問題は、とにかく人口がやたらと減ることです。このことの恐ろしさがまだ全然実感として伝わっていないように私は思うんです。

今、日本の人口は1億2700万人おりますが、西暦2040年、あと22年後には日本人が2000万人減ります。鳥取県37つ分です。

2040年に高齢化がピークに達しますので、どうやって社会を維持するんですかということなんです。社会保障にかかるお金は今の1.6倍。間違いなくなります。一番上がるのは介護、その次は医療。

年金は物価スライドを入れておりますので、それほど上がりませんが、いずれにいたしましても社会保障にかかるお金は1.6倍。その時に日本人は2000万人減っており、高齢化はピークに達しているということであります。

どうやってこの2040年を乗り切るんですかっていうことなんですね。

企業が儲かり労働者が潤わないのはおかしい

大都市と大企業が豊かになれば、やがてそれが地方と中小企業に波及する。そんなことがあるはずがない。経済のメカニズムは、ローカル経済とグローバル経済があって、全く違うメカニズムで動いておりますので。大企業と都会が豊かになる。やがてそれが地方に波及する。そんな考え方を私はとっておりません。

じゃあどうするんだって話ですが、東京商工リサーチの数字で見ますと、今年でリーマン・ショックからちょうど10年なんですが、企業の利益は10年で163%になっているんですよね。でも売り上げは98%、10年間で売り上げが2%減っていて、利益が63%増えたというのは一体どういうことですか。どうしたらこんなことが起こるんですか。

それは金利が安い。賃金が上がらない。下請けにいろいろな負担を求める。要はコストをカットすると利益は上がるようになりますので。別の言い方をすれば、昨年のことですが1億円以上の報酬を受け取った経営者というのは538人いらっしゃいます。

だけど企業の稼ぎの中から、働く人達、労働者に分け与えられる労働分配率は43年ぶりの低水準になっています。総裁選でそれが少し議論になりました。

私は共産党でもなんでもありませんが、企業の稼ぎが上がって、労働分配率が43年ぶりの低水準ってどういうことですかと申し上げたら総理は「景気が回復する時というのはそういうものなんだ」とおっしゃいました。

景気が回復する時は企業の業績が先に上がって賃金はその後についていきますんで。景気が上がっていく時って労働分配率が下がるものだという風におっしゃいました。

本当にそうなのでしょうか。かつては売り上げが伸びて、企業の利益が伸びて、そして労働者に分配されるというメカニズムだった。だけども売り上げは減ってコストは下げて、企業の利益が上がっている時に労働分配率が下がる。それは「景気が上がる時はこういうものなんだ」という理屈とは違うんじゃないですかという風に私は思っております。

「じゃあ、お前はどうするんだ?」って話ですが、結局生産性という概念はなんですか?ということが本当にきちんと理解をされているかというとそうではない。

民間がいかに労働生産性を上げていくか

生産性というのは、いかに付加価値を上げるかということであり、このお金を払ってでもこのサービスを受けたい。このお金を払ってでも、この製品が買いたいということ。そんなことを政府が「こうやったらできます」なんてことがあるはずがない。

それは民間の経営者の方々が、どうやったら付加価値が上がるかということを考えていただく以外にないのです。ヨーロッパでもアメリカでも、どうやって経済を維持してきたかと言えば、コストカットではなくて、いかにして付加価値を上げるかということを民間が目一杯考えてきたということだと思っております。

じゃあ実例を上げろと言われるんですけど、長崎でしたお話ですが、『リンガーハット』という長崎ちゃんぽんのお店がありますね。リーマン・ショックの後、ガタンと売り上げが落ちた。そこでこの会社がやったことはなんだったかというと、使う野菜を外国産からすべて国産に切り替えた。今は麺に使う小麦も全部国産に切り替えておられるそうですが。そして値上げをする。そうすると売り上げがドンと伸びたという話。

結局、付加価値を上げていくってそういうことなんだと。つまり人口が減っていく時に賃金を下げて値段を下げればデフレって絶対に止まらないんですよ。

人口が減っていく時に賃金を下げてはいけない。人口が減る時に価格を下げてはいけない。だけど、価格を上げていく時にその商品の価値が上がらなければちっとも意味がないのであって、いかにしてその商品の価値を上げていくかということを民間にはお考えいただきたい。こういう話は全然ウケないです。ウケないけど、この話をする以外に日本経済がよくなることはあり得ない。

日本国中で1718市町村がありますが、その町の経済がどうなっていますか。ヒト・モノ・カネ。どんな人が、どんなモノが、どんな金がどこから入り、どこへ出ていくのかという分析が無いままに、そこの町の将来を語るということがあってはならない。

国にはかつての経済企画庁。今は内閣府がその担当をやっておりますが、都道府県に統計をやる部署はあっても、経済分析をやるセクションを持っているところが市町村にどれだけあるのかというとほとんどない。

統計は出来ても経済分析ができない。公務員達は法律職や行政職では採用されますが、経済分析で地方庁の職員が採用された例を過去にして存じません。それをやっていかなくてどうやってその地域の経済を語れるのかということであります。

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