
BLOGOS編集部
45%の党員票をどう受け止めるか
総裁選が終わりました。数字もああいうことで、あれがすべてなんだという風に思っております。これをこうすれば良かったみたいなことはいっぱいありますが、そんなことを今更言っても仕方がない。
あの数字を我が党としてどう受け止めるか。私としてどう受け止めるかということだと思っております。45%の自民党員の方々が私にご投票をいただいたということをどう考えるか。
自由民主党の党員の方がそういう数字ですから、国民全体で見ればもっと違う数字になるんだろうと。民主主義というのは多分、1票差でも勝てばそれで良いということではなく、自分の考え方と違う人がこれだけいて、それをどのようにこれからの政治に反映していくのかということになっていかなければ、選挙の意味なんてないんだろう。私はそのように思っております。
小選挙区制を導入する時に散々この議論がありました。49対51でも勝ちは勝ちなんだということが小選挙区制なのですが、そうすると死に票がいっぱい出るじゃないかと。49というものが全く反映されないじゃないか。51取ればそれでいいのかという議論を30年ぐらい前に散々自民党の方がやったものであります。
その頃は当選1回2回で、私は筋金入りの小選挙区論者でありました。今当選11回なんですけれども、3回目の当選までは中選挙区で戦いました。1回目は5万6534票で定数4の中の圧倒的最下位で、一歩間違えれば落ちるという経験もいたしました。29歳の時でした。
嘘を言って当選するぐらいなら政治家なんて辞めたほうがいい
2回目は海部内閣で総選挙が行われました。平成2年2月のことで竹下総理が本当に自分の内閣と引き換えに導入をされた消費税を含む初の予算の審議中に開催されました。したがって「消費税は是か非か」と選挙区では言われました。鳥取全県区で定数4。自民党3人、社会党2人。もちろん社会党は絶対に消費税反対でした。自民党の中でも「オレは自民党だが消費税は反対だ」と言って出た人がいっぱいいました。
本当はそんなのはダメなはずなんですけど、生き残るためならなんでもありなので、「オレは自民党だが消費税は反対だ」と言って出たのです。
嘘を言って当選するぐらいだったら、本当のことを言って落ちた方がいい。嘘を言って当選するぐらいだったら政治家なんて辞めた方がいい。今でもそう思っています。
その選挙で消費税が絶対いるんだと叫びまくったのは私だけでした。陣営幹部はもうダメだと思い、前回も最下位だったし、今度はあの評判の悪い消費税を大賛成だと言っている。「今からでも遅くはないから消費税のことを言うのはやめろ」というありがたいご忠告もいただきましたが、「嘘を言って当選するぐらいなら」とつっぱねまして。やってみたところ、鳥取県始まって以来の得票をいただいて当選をしました。
私は本当のことを言えば必ず国民は分かってくれると思っています。みなさん方の中で政治家を信じてるよって方がどれぐらいいるんでしょうか?お手をあげてくださいとはあえて申しませんが、「私は政治家を信じてるよ」という人をあんまり見たことがございません。そんなもんだろうと思っています。
じゃあ政治家は国民を信じているのか。「こんなことを言えば嫌われる」「こんなことを言えば票が減る」だから本当のことを言うのはやめておこうという姿勢は、政治家だって国民を信じていないんじゃないの?と思います。
国民を信じていない政治家が国民に信用されるはずはないのです。私達はリーダーなのであって、フォロワーなのではありません。たとえ国民の耳に心地よくないことでも国家のためならば言わねばならないことがあるだろうと。それを言うために政治家をやっている。私はそのように思っております。