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- 2012年02月27日 22:28
田原総一朗氏「少子化でベーシックインカムは吹っ飛んでしまう」
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田原総一朗氏(撮影:野原誠治) 写真一覧
ホリエモンに面会
――堀江貴文氏に面会したそうですが、様子はいかがでしたか?
とても元気そうだった。何よりびっくりしたのは、健康そうになったこと。彼はシャバにいたときは太りすぎだったけど、引き締まった様子になっていた。頭も短くして、これまたよく似合う。とても健康そうになったのが一つ。
もう一つは、彼はああいう環境に置かれてフラストレーションやストレスが相当溜まっているのかと思ったら、意外と溜まっていない。そのことについて彼に聞いたら、(刑務所内の)作業というか労働がいいみたいだね。
拘置所は辛かったと言っていた。あそこでは労働がなくて、呼ばれるときは取り調べ。今は取り調べがないし、労働がある。最初は眠れなかったそうだけど、すぐに眠れるようになった。「不眠で困るなんてことは全くない」、と言っていた。
ただ1日に7時間労働をやるので、帰ってきてテレビを観るんだけど21時で消灯になる。テレビを観る時間も少ないし、いろいろな文章を書く時間もない。これが困ると言っていた。つまり、忙しいんだ。だからフラストレーションやストレスがたまる余裕はない、と言っていた。
――刑務所を出てからやりたいことについて、何か言っていましたか?
たくさんアイデアがあるだろう。次から次にアイデアが浮かんでくる。彼はもともとアイデアマンだし、ロマンチスト。今でも宇宙ロケットのことを考えている。新幹線みたいなロケットを作って、宇宙を回って帰ってくる。私は、そのロケットをすでに予約した。10年後のことで、生きているかどうかわからないけど。ただ、料金が高いんだよ、2,000万円だって。
宜野湾市長選挙
――宜野湾市長選ですが、いろいろ「講話」騒ぎなどもあったにもかかわらず保守派の佐喜真淳氏が勝ちました。仲井真知事との共同というか、現実論が来たのかなという気がしますが。
仲井真さんとの間合いが取れる、関係がいいというのは、やはり経済でしょう。革新の人だと地元経済について考えないけど、彼なら考えてくれると。両方とも「普天間は県外だ」と言っているし、仲井真さんも県外だと言っている。そこに対する不信感はないのだろう。
マスコミは、革新と保守が戦うときは必ず革新の味方をする。好きなんだよ、革新が。だけど市民たちは一つは経済、生活ね。もう一つは仲井真さんとうまくいくだろう、ということ。もっとも、スレスレだけどね。
参議院廃止には「異議あり」
――橋下徹・大阪市長の「維新八策」ですが、マニフェストの骨子をご覧になっていかがでしょうか?
僕は、橋下さんの大阪都構想にはほとんど賛成。だけど彼の教育改革については、反対ではないけどもう少しディスカッションしたい。「維新八策」も、大阪都構想とダブる部分について全く異議はない。ダブらない部分についても、彼は日本を変えようと言っていて、今の民主党の政策に重なる部分についてはあまり意見をいう必要もない。
彼独自の構想については幾つかあって、一つは道州制。「地方交付税を止めよう」と言っている。道州制については、将来州都が来る県は賛成している。しかし来ない県は大体が反対。関西でいえば州都は当然大阪だから、兵庫や滋賀や和歌山は反対している。
選択的道州ならいいけど、道州制を多数決で決められるかという不安はある。僕も道州制がいいかどうか、もう少しその点は橋下さんとディスカッションして詰めたいと思っている。反対ではないですが。
彼の言っている2つめは、「参議院を止めて一院制にする」。これについて、異議ありだ。今の参議院について、問題はたくさんある。議員数を減らそう、政党に所属しないようにしよう、あるいは参議院議員を大臣にしないとかいろいろ方法はある。だけど、一院制にしたほうが日本が良くなるとは思えない。アメリカもイギリスも二院制だ。一院制にすると危険なのでは、と思う。
3つめ、いま日本の大きな問題の一つは、安全保障。その前に、彼は首相公選制と言っている。公選制について異議はないけど、彼はそのために「憲法改正をする」という。しかも今は憲法改正に衆参両院の3分の2の議決が必要だと言っているけど、それを2分の1にしようという。
憲法改正というときに、それに同調するほとんどの議員たちは「憲法九条を無くし、自衛隊を軍隊に変えよう」と言っている。しかし橋下さんは憲法九条を無くして自衛隊を軍隊に変えることについて、反対か賛成か全く言っていない。さらに、もしかしたら来るかもしれない石原(慎太郎)新党は憲法九条を無くし、自衛隊を軍隊化し、さらに核兵器を持つと言っている。
この点について、橋下さんは何も表明していない。彼はもともと大阪府知事で、現在は大阪市長だ。(国の)安全保障ということは、彼の頭にはなかったのだろう。無理もない、まだイメージができていないのかもしれない。だけどこの問題は、日本がいま一つ大きな踊り場にあるから、もっと詰めてほしいと思う。
アメリカが、沖縄から4,700人の海兵隊をグアムに移すといっている。僕は、アメリカが中国に対する融和政策に転じたわけではないと思う。日米安保条約で、日本が危機になったときはアメリカが救いに行くが、アメリカが危機になったときに日本は行かない。アメリカは、安保条約において日本への負担をもっと増やせと言っているのではないか。そういうときに、日本の安全保障をもっと詰めてほしい。



