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「河野外務大臣の困惑」―記者クラブの在り方―

河野外務大臣がご自身のブログ『ごまめの歯ぎしり』で、「不思議なことに、外務省を取材する霞クラブに所属する記者はほぼ全員が国際部ではなく政治部に所属しています。そのため取材の対象が『外交』ではなく『政局』の質問が多く、『外交』に関しては圧倒的に『北朝鮮』、それも『日朝首脳会談の予定は?』ばかり」と嘆いています。

岸田前外務大臣在任3年間の外国訪問をたった1年間で凌駕するほど精力的に世界外交を展開する河野外務大臣にとっては、訪問国や会談内容、また世界の中の日本の存在はどうあるべきかなどの質問に答えることで、メディアを通じて広く国民に世界あっての日本の理解を得たいとの考えているのだが、政治部出身記者の前記の質問に、正に『ごまめの歯ぎしり』の心境でおられるようです。

私は英語ができず不徳の至すところではありますが、外務省には外国の高官も頻繁においでになります。記者団にとってはその国の状況を聞く絶好の機会でもあり、やはり語学堪能記者を配置することが望ましく、それが国民へ諸外国の状況を伝えるメディアのあり方ではないでしょうか。

9月14日の河野外務大臣会見における前記発言や外相会談の冒頭は、英語ではなく日本語でやれとの霞クラブの要望をふまえ、各社の記者の河野大臣への質問が、権威主義をかざした雰囲気を感じたのは筆者だけでしょうか。特にある記者の「外務大臣の資質として英語力というのが重要だとお考えでしょうか?」との質問は、霞クラブという伝統にあぐらをかいた記者クラブの実態をよく表した愚問ではないでしょうか。

経団連の中西会長は、財界と言う言葉は今や馴染まないと発言されていますが、経団連の記者クラブは今も『財界記者クラブ』と言うそうです。

かつて、ある大新聞の社長に「報道の劣化を防ぐには、どのようにしたら良いとお考えですか?」と質問したところ、即座に「それは記者クラブを廃止して、各記者が汗を流して取材するところから始めなければなりません」とおっしゃった。しかし、この社長は実現できず退任された。

評論家・権田萬治が、常に問題になり常に改善されない記者クラブ問題を取り上げた『記者クラブ制度改革論』という秀れた論説のあることを紹介します。

ところで、外務大臣がワシントン・ポストに寄稿された「世界はミャンマーとバングラデシュを支援すべき」との記事は、ロヒンギャ問題でミャンマー批判が多勢の中で、ミャンマーの民主化を支援する立場からの勇気ある発言であり、是非、霞クラブの記者の皆さんに一読願いたいものです。

もう一言。
外務省本館に麗々しく飾ってある外務大臣と各国要人との写真はいかがなものでしょうか。筆者の知る限り、どこの国にもそのような例はありません。多分、大臣のご意思でないことは確かでしょう。最近の傾向として、前任者の時も飾られていました。世界に存在感のある外務省の玄関に飾られた6〜7枚のパネルの写真を見て、飾られてない国の方々はどのように思われるでしょか。老婆心ながら、再考をお願いします。

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