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欧米諸国におけるネットゲーム規制論議と我が国の現状

先日、欧米15の国と地域によって「ネットゲームの射幸性規制に対する共同宣言」が公布されたとのご紹介をしたワケですが、当該共同宣言の作成に参画した国のひとつであるアイルランドから次のような報道が届いております。以下、Irish Legal Newsより転載&邦訳。


Government shies away from crackdown on ‘loot box’ games
政府、ルートボックスの禁止には後ろ向き
https://www.irishlegal.com/article/government-shies-away-from-crackdown-on-loot-box-games

However, Mr Stanton did not indicate that any immediate crackdown would take place in Ireland.

(しかし、サントン氏は(それらが)アイルランドですぐに禁止されることはないだろうと指摘している。

He said: “Where a game offers the possibility of placing a bet or the taking of risk for financial reward within the game, then, in my view it must be licensed as a gambling product. To offer gambling products in Ireland, a license is required under the Betting Acts 1931-2015 or the Gaming and Lotteries Act 1956. The Revenue Commissioners are the primary responsible licensing authority under both Acts, with some involvement of the Minister for Justice and Equality.

(同氏は次のように語った「ゲームが賭けを開催したり、ゲーム報償によって何らかの財政的リスクを与えるような可能性がある場合には、それらはギャンブル商品としてライセンスを取得する必要があると個人的に考える。

ギャンブル商品を提供するためにはベッティング法(1931-2015年)もしくは、ゲーミングおよび宝くじ法(1956年)のどちらかの統制下でライセンスを獲得することが必要。両法律に基づいて、主たる所管官庁である歳入庁が法務大臣との協議の元でライセンス発行の責任を負うこととなっている。」)

“However, it should be understood, that if a game offers in-game purchases – be they loot boxes, skins, etc. - which are promoted to gamers as increasing their chances of success, such purchases are essentially a commercial or e-commerce activity. This activity would fall within normal consumer law.”

(「しかし重要なことは、もしゲームがプレイヤー達のゲーム上での優位性を高める事の出来るアイテムの販売、すなわちルートボックスやスキン販売などをおこなっているだけである場合には、それら販売行為は原則的に商業行為、もしくはネット上での商業行為である。これら活動は一般的な消費者法によって規制をされる分野であるはずだ。」)

※筆者脚注)サルトン氏はアイルランドの現・法務大臣

先のエントリでご紹介した共同宣言の中では、そこに参加した15ヶ国(および地域)のギャンブル規制当局による共有される懸念事項として、ゲーム内もしくはその周辺で提供される1)アイテムベット(スキンベット)、2)ルートボックス、3)ソーシャルカジノ、4)ギャンブルをテーマとしたその他コンテンツの4つの要素が具体的に指摘されていたわけですが、上記のようなアイルランド法相のコメントを見る限りはそこに参加している各国によってその懸念の対象にかなり温度差があるように見受けられます。

少なくとも、アイルランドでは上記のうちルートボックスそのものに対しては規制をかけるつもりはない、と。

一方で、ベルギーは同国が既に今年の4月に発表したルートボックスに対する厳しい裁定を、EU圏共有の規制として採用するように主張しているわけで、なかなか論議は込み入ってきている様相であります。

【参考】ベルギー当局、「ガチャ」を賭博認定
https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20180426-00084460/

そして実は、この様に欧米諸国で急に始まったゲームにおける射幸性コンテンツに対する規制論議は、あくまで非公式の形ではあるようですが何やら日本政府側にも持ち込まれているようで、ここ数日私のところに頂いている情報などによれば確たる部局において既に論議が開始されているとのこと。

海の向こうの欧米諸国でこれら論議が起こっている内はあくまで「対岸の火事」であるワケですが、それが既に日本にも持ち込まれているとなると風雲急を告げてしまうワケで、関係各所は情報収集及びその対応準備を始めておく必要があるように思えます、

ということで、実は私側ではさっそく昨日行なわれた某所の会合にて、ゲームにおける射幸性コンテンツに関してこれまで行なわれてきた論議をザックリとまとめて勉強会形式でご提供を行ないました。

この種のものは私の手元で秘匿しておいても全く意味をなさず、寧ろ関係各所のに広く閲覧をして頂く方が後の為になると思いますので、ここで当該勉強会で使用した資料を開示させて頂きます。ご興味のある方は以下からどうぞご参照下さい。

欧米諸国におけるネットゲーム規制論議と我が国の現状
http://www.evernote.com/l/ATYOqaKMm9dIpJg2P0y87p89DOJi5OjVr3I/

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