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家具から見た日本と韓国の違法木材対策

国産材の木製家具について、こんなホームページがある。
日本の木製家具と違法伐採への取り組み  

これは日本木質バイオマスエネルギー協会と林業経済研究所がつくったとある。

日本の家具産業におけるクリーンウッド法を普及するためのものらしい。ウェブ上では、日、英、中、独の4カ国語であるから、海外の読者も意識したのだろう。

しかし違和感が大きい。初っぱなに「日本の木製家具が高く評価される理由」。

初めて聞いた。高く評価されているなんて……。

機能性、デザインが優秀なのかどうかはちょっと判断しづらいが、続く環境対策、持続可能性の面はどうか。ここで重要なのは、使われる木材の調達方法だろう。

家具に使われる木材の多くは広葉樹材だ。スギやヒノキ、マツなど針葉樹材では強度が不足している。使えなくもないが、脚などを太くするなど工夫が必要となり、その分デザイン性が弱くなる。

ところが家具に向いた広葉樹材は、国内にあまりないのだ。かつてはケヤキやミズナラなどがよく使われたが、今や底を突き、比較的出回っているのはクリとコナラぐらいか。それらも決して資源は潤沢ではない。

そこで輸入広葉樹材に頼るわけだが、これまた資源が枯渇しつつある。そして違法な状態で伐採・輸出されるものが多い。たとえばマホガニー、チーク、ローズウッド……いずれも各国で輸出規制がかけられている。にもかかわらず市場に多く出回っているのは、違法伐採木材が混ざっている可能性が高い。それを日本が輸入しているのである。

このサイトでは、合法木材であることを強調しているが、その担保が公共事業向きのグリーン購入法と、できたばかりでザル法として有名なクリーンウッド法というのは……。

クリーンウッド法には罰則もなく、努力義務にすぎない。そもそも登録業者だけしかチェックしないのだから、登録しない業者は違法伐採木材も使い放題となる。今のところ家具関連業者で登録(予定)しているのはたった7社にすぎない。そのことをサイトに載せているが、これではクリーンウッド法が機能していないことを世界に紹介しているかのようだ……。

そもそも法律の趣旨が違法木材追放ではなく合法木材推進であり、合法という確証のないグレーな木材もOKになっている。それについての林野庁の見解は、「違法木材の定義がはっきりしないので規制できない」とのことである。情けない……。

それぐらいなら、確実なトレーサビリティを持つ森林認証材を使うことに熱心なイケアの家具の方が優秀に思える。

ところで韓国では10月1日より、木材の持続可能な利用に関する法律が改正施行される。まだ内容を詳しく分析できていないが、韓国国内における違法伐採による木材と、木材および木製品の輸入についてチェック体制を設けたもののようだ。ただ韓国の場合、国内の林業は大きくないから、主に輸入材が対象となるだろう。

業者が木材を輸入する際には、韓国山林庁に申告しなければならないのだが、そこで合法性をチェックされる。そして「検査の結果、伐採の合法性が確認できなかった木材または木材製品につい ては、販売の差し止め、返還または破棄を命ずることができる。」とある。つまりグレー木材(合法か違法かわからない)も締め出すつもりのようだ。

この点だけを見ても、日本より厳しいように感じるがどうだろう。

すでに欧米などでは厳しく違法木材を取り締まっている。さらに韓国などアジア諸国も規制を強めるようになると、世界中の違法およびグレーな木材は、規制の緩い日本に集まってくるのではないか。

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