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学校教育の英語が使えない理由

長年バンクーバーで日本の若者の英語を端で見ているのですが、日本人の英語がどうにも下手であります。(そういう私もうまいとは言いませんが。)最近、若い中国人の英語能力は上がってきているな、という感じがしますし、韓国の若者もうまくなってきています。何がいけないのでしょうか?

先日、日本の大学である会議に出席していて「日本人の国際化」について議論が及びました。大学側は学生を海外に送り出す努力をしていますが、海外留学できる学生など1%にも満たない学生数です。日本の最高学府で大半の学生にとって英語の授業は単位を取るだけの「消化試合」になっているのです。

英語を学ぼうとする特別の意思を持たない限り高校生までに学んだ英語など大学4年間でほぼきれいに「忘却の彼方」となってしまいます。私も最近でこそ少なくなりましたが、かつては日本に1-2週間いて、バンクーバーに戻ると英語が通常状態になるのに1-2日かかってました。

日本では文法を中心として日本人の先生が教科書に沿って英語を教えています。複数のS、不定冠詞、時制、前置詞…などは誰もが習った記憶はあるでしょう。しかし、その文法をマスターしたとしても英語をしゃべることはかなり難しいはずです。

もちろん、どのレベルの英語を必要としているか次第です。ハワイのホテルとレストランで困らなければいいというのか、最近増えた訪日客の相手をするのに結構まともな英語を必要とするのかでまったく要求されるレベルは違います。

私は地方だから、という方もいます。先日、ある放映を見ていたらニセコのラーメン屋は英語だらけ。店員さんも英語で対応を余儀なくされていると見受けられました。20年前にだれがニセコで英語を必要と考えたでしょうか?

日本人の英語が伸びない大きな理由は二つあると思います。一つは英語は手段であり、それだけ学んでも要求レベルの英語は出来ても交渉レベルにはならない、であります。コミュニケーションは双方の文化や着想、会話の展開の仕方など様々な相違点を踏まえなくてはいけません。

つまり、日本人の先生が英語を教えても上達しないのは外国人が聞いてくることが日本人にとって「えっ」と驚くような展開だったりして詰まってしまうのです。ましてやその外国人と十分な説明、説得、交渉、合意に至るのは至難の業なのであります。

二つ目は英語に限らず、コミュニケーションの能力そのものが落ちている点であります。スマホ世代でやり取りはLINEにフェイスブックですから短文による書くことによるやり取りになっています。最近はちょっと面倒な話になると「悪いけど、メール、送っておいてくれる?」になります。

今回、日本の住宅事業でフランス人の方がご入居頂くことになったのですが、説明や交渉で約1時間、その間、7割は私がしゃべりました。フランス人にとってわからない国で住宅を探すのですから容易ではありません。あらゆる説明を施し、交渉成立です。ちなみに日本の住宅事業で私が直接会って交渉した外国人に限って言えば過去4年間、100%口説き落としています。

なぜでしょうか?それは外国人を心地よくさせる術があるからなのです。これは外国でビジネスを通じて磨き上げないとなかなかできません。しかし、それぐらい英語を駆使するのは難しいのであります。

最近は翻訳も通訳も機械で簡単に処理できます。しかし、これらは要求英語なのです。議論し、双方が分かち合うには実際にコミュニケーションをしないと満足する結果は得られないことに気が付いてもらいたいと切に感じています。

では今日はこのぐらいで。

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