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第2の創業 富士フイルムが目を付けた化粧品とサプリメント

【商品のバリエーションはさまざま】

「第2の創業」──富士フイルムの新たな事業展開は、それほどの決意をもって行なわれた。

デジタルカメラの普及によって、本業である写真フィルムの売り上げが2000年をピークに年率20~30%で減少。企業の屋台骨が揺らぐなか、これまで蓄積した技術を応用して「勝てる」分野を探ったのだ。

そして目を付けたのが「化粧品」だ。写真フィルムの主成分でもある「コラーゲン」、写真用粒子の細かな機能や安定性を高める「ナノテクノロジー」、写真用プリントの色あせを防ぐ「抗酸化技術」など本業の技術が化粧品開発に活用できると考えたのだ。

「化粧品業界には国内外に数千のライバルがいます。後発組が同じ戦い方をしても勝ち目はありません。ですが、写真フィルムの技術を生かせば今までにない機能性の高い商品を世に送り出せるかもしれないと突き進むことになりました」(ヘルスケアラボラトリー・マーケティング本部ブランドマネージメントグループマネージャーの武田靖子氏)

2006年に化粧品市場に参入、翌2007年には抗酸化成分のアスタキサンチンを主成分とするスキンケアシリーズ「アスタリフト」を発売し大ヒットに。

発売から4年目には、同ブランドだけで年間売り上げ100億円を突破し、その後も順調に売れ行きを伸ばしている。

また、同社は2006年から「サプリメント」も手掛けており、糖の吸収を抑えて腸内環境を整える「メタバリア」が人気商品となった。

「メタバリアの主成分は木の根から抽出します。安定的な抽出を可能にしたのがフィルム製造時の技術です。そのダイエット効果から、50~60代男性の購買率が伸びています。サプリメントは国内市場規模が約8400億円。今後も市場拡大が望めるなか、2ケタ成長が続いている」(同前)

化粧品とサプリメントを含むライフサイエンス事業の2020年度の年間売り上げ目標は500億円だという。

本業の強みを生かし、総合ヘルスケアカンパニーへ──。「企業の副業」には、ピンチをチャンスに変える力がある。

※週刊ポスト2018年10月5日号

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