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世界50ヶ国以上が「体罰」を法律で全面禁止 日本でも新立法を(小宮純一)


児童虐待臨床に詳しい研究者、弁護士らが登壇した。東京・千代田区。(写真/小宮純一)

体罰の弊害は科学的にも明らかになってきており、禁止立法が効果的だ―─日本弁護士連合会が8月28日、都内でシンポジウムを開き、新立法などを訴えた。

虐待を受けた子ども臨床の豊富な西澤哲氏(山梨県立大学人間福祉学部教授)が「混乱する『しつけ』」と題して基調講演。「体罰には大人の言うことをきかせる即時効果がある、としていた米国の研究者が、平手打ち程度の体罰を受けた子どもに限定して再分析した結果、多くの問題行動に結びついていることを確認。過去に認めていた即時効果も否定する軽度の体罰の有害性を論文で発表した(E.ガーショフ2016年)」と紹介した。

体罰の有効性は「養育者に対する恐怖や痛みによるもので、自分の感情や感覚、行動を調節する力が育たなくなってしまうのが最大の弊害」と、児童養護施設で出会ってきた子どもの例を挙げ強調した。

日弁連子どもの権利委員会幹事の森保道弁護士は、家庭での体罰を法律で全面禁止した国が53カ国、法的全面禁止化表明国が57カ国との世界動向を報告。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの瀬角南氏は、17年7月実施の調査で、子どもがいる日本の保護者1030人の約7割が「過去にしつけの一環として子どもを叩いた」と答え、総回答者約2万人の約6割が「しつけのために子どもを叩くことを容認する」と回答した、などと報告した。

(小宮純一・ジャーナリスト、2018年9月7日号)

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