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IAEAよ、失望する相手が違わないか?

画像を見る国際原子力機関(IAEA)の天野事務局長(写真)は、イランの首都テヘランで2012年2月20・21両日IAEA査察団が行った同国の核プログラムに関する交渉結果に失望感を表し、2月22日の声明の中で、天野事務局長は、査察団がイランの首都テヘラン郊外のパルチン Parchin 軍事基地視察を拒否されたことに不満を表明。天野事務局長は「イランが我々の要請を拒み、パルチン基地査察を拒否した事実は、失望を呼び起こし。我々の努力の建設的性格にもかかわらず、合意に達することができなかった」と強調。パルチンは、首都テヘランから30キロの地点にある軍事総合施設で、核兵器製造に向けた作業が行われている場所のひとつと見られている。2005年IAEAの査察官らは、2回にわたりパルチンを訪れたが、核実験に関するいかなる痕跡も見つけることができなかった。参照記事  参照記事

核拡散防止条約(Nuclear Non-Proliferation Treaty、略称:NPT)は、核軍縮を目的に、米国、ロシア、英国、フランス、中国の5か国以外の核兵器の保有を禁止する1970年にできた条約で、すでに日本、渦中のイランを含む、世界190カ国(2008年)が加盟している。しかしNPTにも加盟せず、2002年には米国から400基の核兵器所有の疑惑を突きつけられ、再三のIEAEの査察要請にもまったく応じない国がある。それがイスラエルで、中東戦争では核兵器を使用する直前まで行ったといわれている。イランの査察で「失望した」というIAEAの天野事務局長は2010年9月3日、IAEA条約に加盟し全ての核施設についてIAEAの査察を受けるようイスラエルに対し求めたことを報告書で明らかにしているが、イスラエルはこの要請を拒否し、核の所有に対しては、今に至るもダンマリを決め込んでいる。参照記事

一方、1958年からIAEA(国際原子力機関)に加盟し、1967年に米国から研究用小型原子炉を購入し、実験室規模のプルトニウム分離回収装置をテヘランで運転を始め、査察を容認しているイランに対しての、今回の「失望した」というネガティブな発言には、イランを、閉鎖的、非協力的だというイメージつくりの意図さえ感じる。連日口癖のように「攻撃する」「空爆する」を繰り返すイスラエルの脅威から、イランは今非常体制になっている。そんな中、疑惑があろうが、軍事施設を見せる国家がどこにあるだろう。そこの位置も、防空、防護体制もすべて目の前の、いまにも空爆しそうな敵に教えることになる。常識的に、この状況で要求するほうがおかしな話で、政治的には中立であろう国際機関が、なぜこんな感情的な発言をしなければならないのか?参考記事
イスラエルのあまりに攻撃的、高圧な物言いに、欧米でさえ眉をしかめているのが実情で、天野氏は、とっくの昔から核兵器を隠し持ち、査察さえさせようとしないイスラエルの態度にいまだに「失望」もせず、満足でもしているのだろうか? そもそもIAEAには科学的な査察能力など無く、もし何かあれば、「あの時査察させなかったからだ」という、責任逃れのアリバイつくりでもしているかのように見える。イランが攻撃でもされれば、すぐに困るのはこの日本だという現実がある以上、もう少しイランの立場も理解したほうがいいと思うのだが。 過去ブログ:イランが正論を吐く

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