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【読書感想】テレビ最終戦争 世界のメディア界で何が起こっているか

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Kindle版もあります。

内容(「BOOK」データベースより)
アメリカのIT企業が日本の放送業界を支配する!「メディアの王様」テレビの運命は?アマゾン、グーグル、アップルなどのIT巨人企業に続き、ネットフリックス、DAZNなどの新興勢力が勢いを増す一方、視聴率の低下と番組の劣化の悪循環に苦しむ日本のテレビ業界。ローカル局の疲弊と広告費の減少も追い打ちをかける。我が世の春を謳歌してきた放送ビジネスモデルは、ついに限界なのか?2兆円市場をめぐって熾烈さを極める「デジタルメディアウォーズ」の勝者を占う!

 Amazonは通販、グーグルは検索、アップルはスマートフォンと音楽、というようなイメージを僕は持っていたのですが、これらのIT企業が、いま、覇権をめぐって争っている最大の激戦地が、この「映像配信」なんですね。既存の大勢力であるテレビ局に、アメリカではFacebookTwitterに、ネットフリックス、DAZN、ケーブルテレビなど、まさに戦国時代を迎えているのです。

 著者は、この2017年に、ウォルト・ディズニー21世紀フォックスからニュースやスポーツを除いた映画やテレビなどのコンテンツ部門の大半を6兆円で買い取ったことを紹介しています。

いま世界のメディア界で何が起きているのでしょうか? いったい何が、このようなメディア巨人同士の合併を余儀なくさせているのでしょうか? 一言で言えば、「今世界のメディアは、FANGというモンスターの攻勢に飲み込まれようとしている」となると思います。「FANG」とは、SNSの巨人フェイスブックFacebook)、ネット通販の巨人アマゾン(Amazon)、動画配信の巨人ネットフリックス(Netflix)、そして検索エンジンの巨人グーグル(Google)という四つの巨大企業のことです。これにアップル(Apple)も加えてFAANGと呼ぶこともあります。

 いずれも90年代後半からITを駆使してビジネスを展開し、世界を席巻して来た新興企業です。これら企業が、2005年頃からテレビや映画などメディアビジネスに相次いで参入してきました。世界中がインターネットで繋がり、多くの人が個人所有のスマートフォンを利用して情報共有する時代に対応して、映像ビジネスに乗り込み、既存メディアの牙城を崩し始めているのです。これは、19世紀から続いている放送・映画産業に大転換を迫るものです。

 既存のテレビに以前ほどの影響力がなくなったと言われながらも、「映像」というコンテンツは、やはり大きな力を持っているのです。

 僕自身は、YouTubeAmazonプライムビデオを利用することが多いのですが、レンタルビデオ店に借りに行って返す手間や失くしたり破損したりするリスクを考えると、ネット配信というのは便利なんですよね、やっぱり。形としてのDVDやブルーレイディスクがないことに、まだ多少は違和感もあるのですが。

 これだけネットが普及していると、近い将来はネット配信だけになり、店舗型のレンタル店は無くなってしまうのではないか、とも思うのです。実際、何年か前に比べると、お客さん減ってるなあ、と感じますし。

 アメリカ・カリフォルニア州に本社があるネットフリックスの創業者リード・ヘイスティングス氏がネットフリックスというビジネスを思いついたのには、こんなきっかけがあったそうです。
1985年にスワジランドから帰国したヘイスティングス氏は、すぐには仕事につきませんでした。時はインターネットの勃興期。彼は、帰国後スタンフォード大学に入学しコンピュータ・サイエンスを学びました。厳しい勉強に耐えながら晴れてMBAを取得、卒業後はネット関係の小さな会社に就職します。その会社で仕事をしているうちに、ネットフリックスのビジネスのアイディアが生まれました。

ある時レンタルビデオ店からDVD「アポロ13」を借りたのですが、返却が遅れ延滞料として40ドル請求されてしまいます。「なんて高い延滞料だ。みんな同じ思いをしているに違いない、それならここにビジネスチャンスがあるぞ」。そう思ったのが、ネットフリックスの創業のきっかけです。1997年のことです。社名の由来は「ネットの映画館(フリックス)」。将来映画流通はネット配信が主流になることを、ヘイスティングス氏は予見していました。

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