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南北首脳会談とアメリカの思惑

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長の二度目の首脳会談は報道からすると成功裏に終わったように見えます。トランプ大統領もあらかた歓迎しているようでこのあと、文大統領とニューヨークで直接、会談内容を確認するようです。

今回の会談、実質的な終戦宣言と言われています。両国間は現在、休戦のままでいつでも戦争に戻れる状態にありますが、それを終結させることが今年の初めからの主たるテーマとなっています。休戦協定は国連軍、中国、北朝鮮で署名されていますので今回、本物の終戦協定が締結されるならば誰が署名するのか、という点が着目されていました。

米韓朝ないし、米中韓朝のどちらかの組み合わせと言われているのはこのあたりが背景ではあります。一部報道には韓国は国連軍に組み込まれていたので当事者能力がないのでは、という見方もあります。ただ、喧嘩をしている当事者の片方が親や親せきが本人に代わって和解の署名をした、ではおかしなものですから韓国は当事者になりえるとみています。

さて、今回、大きく進捗した南北間協議であまりスポットが当たらなかったのが中国であります。実際に会談後もほとんどボイスが聞こえてきません。何故でしょうか?

北朝鮮と中国は歴史的背景を含め、両国は切っても切れない関係とされています。一方、中国と韓国は必ずしも親近感あふれる状態ではないのは韓国とアメリカの関係がその背景にあるからです。

中国からみれば北朝鮮はアメリカの影響を強く受ける韓国との「緩衝帯」としての役割があったはずです。ところが南北関係が改善し、将来的に国交回復、ないし、南北統一となり、その国家体制が中国共産党の欲するスタイルと相違していれば中国北東部は朝鮮半島からの好ましくない影響を受けやすいことになってしまいます。

アメリカが文大統領を利用する形でアメリカの意向を反映させながら硬軟取り混ぜて北朝鮮外交を進める方針は確信的政策です。となれば3度も中国を訪れ、習近平国家主席と会ったその意味は何だったのでしょうか?

先日、ある中国専門家の方と会い、習体制の現状について意見を伺ったのですが、弱体化しているとは思えない、と発言されていました。私は違うと感じています。少なくとも金正恩委員長は習近平氏の方を向いていないように思えます。

金委員長は体制の保証を条件として掲げていますが、この体制とは共産主義体制とは思えないのです。単なる金一族の独裁体制であって、イデオロギーまで踏み込んだものではないとみています。では、なぜ、アメリカがそれを許容するのか、ですが、GHQの政策判断材料となったあの「菊と刀」的な発想をトレースしているのではないかと思います。つまり、国民が金一族を国家の象徴としているため、金体制の崩壊は国家の制御を失うと考えている節がないでしょうか?

もう一つ、アメリカが北朝鮮外交を進める本意は対中国外交に他ならないとみています。上述のように朝鮮半島がアメリカの色が強く押し出される体制を作ることで中国国境に強いプレッシャーを与えるのであります。

中国は東部が海に囲まれているため、海軍の強化を進めています。但し、唯一、朝鮮半島にだけは陸続きの国があるのです。ここをアメリカが間接的に抑えたならば中国にとっては脅威以外の何物でもないでしょう。北京も遠くありません。これがアメリカの進める本当の外交政策ではないか、と私は見ています。

では今日はこのぐらいで。

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