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15年で企業数が100万社も激減。隠したいニッポンの不都合な真実


日本が襲われている少子高齢化の波ですが、それは「人口」だけでなく、我が国の「企業」にも当てはまっているようです。元国税調査官で作家、ビジネスライターでもある大村大次郎さんは自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、他国と比べても深刻な「企業における少子高齢化現象」についてデータを用いて解説するとともに、新しい企業を育ちにくくしている日本の悪しき慣習を厳しく批判しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2018年9月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

日本はオワコン…企業も“少子高齢化”が進む

筆者は、ビジネスライターをやっている関係で、経済データなどの分析をすることを常としています。昨今の日本の経済データなどを分析していると、非常に辛い気持ちになることがしばしばあります。今回、その一つをご紹介したいと思います。日本人としては面白くない話ではありますが、あまり表面化していない情報でもあり、とても重要なデータだと思われますので、あえて載せます。

実は、昨今の日本では、人間だけじゃなく、企業の方も少子高齢化となっているのです。日本経済では、新しい企業がなかなか育ってこずに企業の全体の数も減っているのです。

こういうことを言うと、「IT企業など、新しい企業はどんどん出てきているじゃないか」と反論する人もいるでしょう。確かにIT系の新興企業の社長たちは、六本木ヒルズなどにオフィスを構え、テレビやネット、雑誌などでもたびたび登場しています。女優やタレントと付き合ったり、派手な私生活が話題になることも多いものです。そのためIT企業などの新興企業が非常に盛んになっているような印象を受けます。

が、日本経済全体から見れば、全然そうではないのです。日本企業の時価総額ランキングを見ると、10位までの中に創業30年以内の企業は一社もないのです。もっとも新しい企業というのは、ソフトバンク創業40年)なのです。つまり、日本で本当に強い企業というのは、創業40年以上の老舗ばかりなのです。

2017年度 日本企業 時価総額上位10位

1位:トヨタ 1937年創業
2位:NTT 1952年創業
3位:NTTドコモ 1991(1952)年創業
4位:三菱UFJ 2006(1880)年創業
5位:ソフトバンク 1978年創業
6位:キーエンス 1974年創業
7位:KDDI 1970年創業
8位:ゆうちょ銀行 2006(1875)年創業
9位:任天堂 1947年創業
10位:ソニー 1946年創業

「会社なんてそういうもんだろう」と思った人も多いかもしれません。でも、他の国では決してそうではないのです。これはアメリカと比べれば、非常にわかりやすいです。

アメリカは下記のように、時価総額10位以内に、創業30年以内の企業が3社も入っています。しかもこの3社は、1900年代以降に設立されたものであり、フェイスブックは創業わずか13年です。

2017年度 アメリカ企業 時価総額上位10位

1位:アップル 1976年創業
2位:グーグル 1994年創業
3位:マイクロソフト 1975年創業
4位:バークシャー・ハサウェイ 1888年創業
5位:エクソン・モービル 1911年創業
6位:アマゾン 1994年創業
7位:フェイスブック 2004年創業
8位:ジョンソンエンドジョンソン 1887年創業
9位:JPモルガンチェース 1799年創業
10位:GE 1892年創業

これを見ると、日本の主要企業はアメリカと比べるとかなり高齢化が進んでおり、若い企業がなかなか育っていないことがわかります。それどころか、日本では、時価総額50位の中でさえ創業30年以内の企業はないのです。100位にまで範囲を広げれば、ようやく60位台にヤフーが入ってくるのです。10位の中に3社も入ってくるアメリカとは大きな違いがあるのです。日本経済の主流は「昔ながらの大企業」であり、新興企業はなかなか中心に入っていけていないのです。

企業の数も減っている

しかも、日本経済の場合、新興企業が育ってきていないだけじゃなく、企業の数自体が減っているのです。日本の会社はこの15年間でなんと100万社も減少しているのです。中小企業白書によると、日本の企業は1999年には484万社ありましたが、2014年には382万社になっているのです。15年間で100万社、実に20%以上の激減です。日本も以前は会社の数は増え続けていましたが、80年代前半に開業する会社より廃業する会社の方が多くなり、会社の総数は減少に転じたのです。

ほとんどの先進国では、微増ではありますが会社の数は増え続けています。日本だけが企業の数が激減しているのです。つまり日本は、子供の数が減っているだけではなく、企業の数も減っているわけです。

なぜ日本で新しい企業が育ちにくいのでしょうか? その最大の要因は、日本の業界のあらゆる業界は「既得権益」「規制で固められているため新規に入っていける隙がないことです。

筆者は下級官僚として、日本経済の現場を見てきました。驚いたことには、日本の産業ではあらゆる業界に「既得権益」と「規制」があり、新規参入は非常に難しいのです。日本の各産業は表立った「規制」ばかりではなく、さまざまな方法で新規参入者が入ってこられないような仕組みをつくっているのです。というより、まったく自由参入できる業界というのは、数えるほどしかないのです。

輪の中に入れればいい目を見られるけれど、輪の中に入れなければ生きていくのも困難、日本経済はそういう状態になっているのです。つまり「コネがあるものだけが潤いそれ以外の者はやっていけない社会になりつつあるという事です。

そして、それが人や企業の少子高齢化を招いているのです。一部の大企業やコネのある人たちは、いい生活ができるけれど、そのほかの人たちは、非常に苦しい生活を強いられているのです。日本では1週間48時間まともに働いても、妻と子供二人を十分に養っていくだけの収入を得られる人はなかなかいません。しかし、そういう国は世界ではそう多くはないのです。

日本より貧しいとされている国は世界中にたくさんありますが、正職についているのに妻と子供二人をまともに養っていけない国はそう多くはありません。日本では、家賃や生活費に比べて賃金が非常に低いので、平均的な給料をもらっている人でも、妻と子供二人を養うことは、かなりシンドイことなのです。その一方で、日本の企業は、内部留保金を450兆円もためこんでいるのです。企業の内部留保金の額は断トツで世界一なのです。

今の状態が続けば、間違いなく日本は衰退していくでしょう。というより、もう手遅れかもしれません。経済データを分析していけばいくほど、そういう結論に達してしまうのです。

image by: Shutterstock.com

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