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うやむやに終わらせてはいけない障害者雇用水増し問題

 あれだけ大きく報道で騒がれた障害者雇用水増し問題であったが、いつのまにか誰も責任を取ることなくうやむやな形で終わりそうになってきた。

 しかし、この問題は、国民を愚弄するこの国の政治・行政の大問題なのである。

 その理由を順不同にざっとあげればこうだ。

 あれだけ多くの省庁が水増ししていることが判明した。

 すべてと言っていいほどだ。

 それが偶然、かつ個別的であるはずがない。

 知っていてやっていたのだ。

 だから行政の長である安倍・菅政権が徹底的に調査し、国民にその結果を報告し、その責任を取らなければいけないのに、第三者委員会に丸投げして終わらせようとしているところが、まず大問題である。

 次に、官民格差の問題がある。

 障害者に雇用を与えたり、活躍の場を拡大するということは、もちろんいいことだ。

 しかし、それを言い出した行政こそ真っ先に範を示すべきだ。

 ところが、民間企業に押しつけて、しかも違反すれば民間企業に対して「障碍者雇用納付金」と言う名の「罰金」まで課しておきながら、みずからは、ばれても何の罰則もないなら、これほど民間をバカにした事はないだろう。

 これはまさしく行政による官尊民卑,官民格差である。

 次に、なぜ水増しが起きたかという理由だ。

 通産官僚をしていた古賀芳明氏はみずから手掛けた経験から、身体障碍者雇用促進策は、面倒な上に、いくら熱心にやってもは出世の役に立たない。

 だからどこの省庁も下っ端に任せているから、こんないい加減な事が放置されてきたと言っている。

 そうだとしたらそれはそれで大問題であるが、それだけが理由でないはずだ。

 そう思っていたら、納得させられる理由を発売中の週刊プレーボーイが書いていた。

 作家の橘玲(たちばなあきら)氏がこう書いていた。

 市場経済では利益を挙げなければ会社は潰れるが役所はそうではない。

 幹部職や特殊な身体能力を必要とする職以外は、楽な仕事ばかりだ。

 これほど身体障碍者雇用にとって都合のいい職場はないではないか。

 一部職種を除けば全員が身体障碍者でもいくらいだ。

 だから、行政機関は率先して身体障碍者を雇うべきなのに、民間企業より消極的であるのは、どうしてか。

 水増ししてまで雇用をごまかそうとしている。

 二重の意味で噴飯物であると。

 そう言われてみると確かに腹立たしい。

 ひょっとして、公務員たちが、自分たちの仕事を身体障碍者に取られたくないので水増ししていたのかもしれないと思ってしまうほどだ。

 最後に指摘しておきたいのはこの問題についての国会の怠慢である。

 三権分立の下では行政の不始末を追及するのは立法(国会)の役目だ。

 だから野党はいまこそ閉会中審査を開いて究明すべきであるのにまるでその気配がない。

 と思っていたら野党第一党の立憲民主党の辻元清美国対委員長が、プーチン大統領の日ロ平和条約締結の提案に対し、安倍首相が何も反論しなかった事を追及するために閉会中審査を要求したという。

 そんなことで安倍政権を倒せるとでも思っているのか。

 そんな暇があれば障害者雇用水増し問題を徹底追及すべきである(了)

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