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「中国も普通の国に?」 - メルマガ 現地特派員レポートより

タイトル 「中国も普通の国に?」

経済成長に多少の減速がみられるのも投資偏重からの脱却の兆候とも言えるし、農民が土地を離れ都市が拡大してゆく事も今だけを見ればそう悪い話ではない。

賃金の低い農民が減少し、更には投資に流れていた資金が家計に流れてゆくことで賃金が大幅に上昇して中国人の消費能力が上がってゆくことは明らかだからだ。

世界の工場から大消費地への転換が着々と進んでいて、2015年には中間所得層以上の人々が8億に達するのだという。

しかし、これは少し変な感じもする。ある意味、こういった期待感が中国に投資を呼びよせていたはずである。

それが実現する段階になって、資金が流れ出てゆくということは、中国に対する過剰な期待感が薄らいで来たということなのかもしれない。

しかし、別に中国は今までと変わらない。

インターネットバブルが収まった後もインターネットが世界に大きな影響を与え続けているのと同じように、中国もまた普遍化して世界に影響を与え続けるのだろう。

少し前まで、通りを走る自転車で一杯だったはずの中国に、わずか十年程度で高層ビルや高速道路が出来たことに対して世界は違和感を感じていたのだろう。

そのギャップが皆の興味を引き、投資を集めていた。

しかし、今日、高層ビルのある中国が日常の風景となり、自転車が大量に走っていた中国は既に過去の懐かしい思い出に変わったのである。

中国人に話を聞いてみると、今の中国こそが彼らにとっての日常であることに気が付いた。

彼らにとって、ずいぶん前からネットも携帯電話も自動車も高層ビルもみな普通のありふれた光景になっているのである。

海外投資家の目も中国人に追いついて、何もない所から急速に拡大する中国という見方から、より普通に国へ変わってきたのかもしれない。

実際、農村部にも医療保険を導入したりしているので、現在は健全な中国の財政が今後他の大国のように急速に悪化してゆくことは避けられない。

農民もこの都市民に比べて極めて劣悪なこの保険に満足するはずもなく、今後農民をやってもらうために必要な社会的コストはどんどん膨らんでゆく。

そして、農村の人々はこの保険にはまったく満足していないだろうが、確実に平均寿命が延びてきているのだという。

つまり、少子高齢化も確定事項だ。

中国はまるで日本の鏡像のように変化を遂げている部分があるのかもしれない。

8億の中間所得層の出現と、変化への予兆がほぼ同時に起こり、悲観と楽観が混在する状況に陥っている。

しかし、良く見るとこれらの出来事にはライムラグがある事がわかる。

2015年といえば3年後であるから、予兆はあるにせよその時一気に高齢化する訳でも財政が悪化するわけでもない。

加えて、現在は預金準備率を引き下げるなど、金融緩和にも動いている。

つまり、中国の将来は確実に日本のようになるが、今すぐになる訳ではない。増加する中間所得層と共に暫くは成長してゆくと考えられるのだ。

ただし、将来の問題は確実に見えているので、昔のように無邪気にはしゃいではいられないと言った感じだろう。

投資先、組む相手、やる事業、その選択は慎重にという話に落ち着く。

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