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"平和と協力発展"を民間が先導していく対話に


工藤泰志(言論NPO代表)

国際情勢が激変する中、"歴史的な作業"が求められている

 「東京―北京フォーラム」は今回で14回目となります。私たちが、今回の開催に特別な思いで準備を始めているのは、今年が日中友好条約の40周年記念である、ということだけではありません。

 現在、米中の貿易戦争に見られるように、ルールに基づいた国際経済秩序が混乱する一方で、北朝鮮の非核化に向けた外交努力が始まっています。

 つまり、米国の一国主義と中国の国家主導型経済発展との間の摩擦を解消し、これまで緊張が続いていた朝鮮半島の平和で安定した将来をつくるための歴史的な作業が求められています。私たちの今回の対話は、その歴史的な役割を果たそうと考えているのです。

「不戦の誓い」に続く新たな合意を政府に先駆けて打ち出す

 ちょうど5年前、日中平和友好条約35周年となる2013年は、尖閣諸島をめぐる対立で、日本と中国の政府間外交が動かなくなり、日中関係はかなり危険な状態になりました。尖閣諸島周辺の偶発的な事故から、日本と中国の対立が戦争に発展してしまうのではないか、という懸念が世界中に広がりました。

 その時、北京で開催した「第9回東京―北京フォーラム」では、私たちは日中間で「不戦の誓い」を合意し、それを世界に公表したのです。政府外交が全く機能しない中で、民間が動いたのです。

 私たちは、今年の日中平和友好条約40周年では、それに続く宣言を行うことを中国側とすでに合意しています。それは「平和宣言」です。政府間では、第五の政治文書をつくろうという計画があるとも聞いていますが、私たちはその前に民間で合意をつくりたいのです。

"平和と協力発展"実現のために、民間の対話として責任を果たす

 私たちは、毎年中国との間で行っているこの「東京―北京フォーラム」は、民間外交の場だと考えています。政府間関係が最も困難な時にこの対話は始まりました。政府間が対立すると、民間の交流や友好的な活動もほとんどが中止や延期に追い込まれます。この14年間の間にもそうした時期は何度もありました。

 しかし、私たちはどんなに両国関係が厳しくても、一度も対話を中断したことはありません。私たちは、両国で世論調査を行い、両国民の考え方や意識を分析しながら、毎年対話を行い、その内容を両国民だけではなく、世界に発信しています。私たちはこの地域の平和と、経済的な協力発展のために民間の対話として責任を果たそうと考えてきたからです。その思いは、今回も同じです。

 私が皆さんに是非知っていただきたいのは、こうした対話の舞台が民間に存在しているということです。中国と対話を行うというのはそう簡単なことではありません。

 お互いには様々な違いがあります。しかし、どんな違いがあっても、二つの大国はその違いを認め、乗り越えるしかない。そして、このアジア地域だけではなく世界でも平和と、自由かつ開放的な経済環境下での協力発展を目指すしかないのです。

 それが今回のフォーラムのテーマです。それを日本と中国は実現できると私は考えています。私たちの民間対話はそのための土台づくりなのです。

 10月に東京で行われる第14回目の民間対話を、私たちはそうした強い思いを持ちながら実現しようと考えています。政治外交、安全保障、経済、ジャーナリストの分野で日本と中国の100氏近い有識者や有力者が話し合います。そして対話は全て公開されます。

 是非、会場に来て私たちのチャレンジを直接見て頂けたら、と思っております。

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