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10月12日の予算委員会

 石破 茂 です。

 衆議院予算委員会初日(10月12日)、一時間半の質疑に立ちました。
 鳩山内閣時代の、総理の無内容で冗長かつ不誠実極まる答弁による「単なる時間の無駄遣い状態」よりは遥かにマシでしたが、もう少し正面から議論に臨んで欲しかったとの思いは禁じえません。

 私の質問はよく「質疑というより学校の講義のようだ」と評されますが、単に政府を攻撃するだけではこの国は少しもよくならない。しかし、質問に答える意欲や誠意がいくらあっても知識がなければどうにもなりません。

 知らないのであればきちんと説明して、少しでも改善を見るように促すのも野党の責任と思っています。しかし、これを「お前たち知らないだろう、教えてやる」というような雰囲気にならないようにするのがとても難しい。

 今回の尖閣海域における事案は、日本人が、「中国とはいかなる国なのか、領土とは何か、外交とは、安全保障とは何か」を考えるよい機会になるはずのものでした。

 政府はひたすら「政治介入はなかった」ことを強調しますが、この姿勢は実によくありません。どんなにこちらが正面から本質的な議論をしようと思っても「あれはあくまで検察が独自に判断したことで、政府は一切あずかり知らない」と言われてしまえばもうどうにもなりません。何故政治的責任を明らかにせず、本質的な議論を回避するのか。私はこの点が一番気に入らないのです。これは日本の統治機構そのものにかかわる問題なのですから。

 「面倒な問題は一切仙谷官房長官が答弁する」とのスタイルが定着しつつあるようです。
 弁護士出身ですから当然法律的知識もありますし、なにより「答弁の内容が政治的におかしかろうが法律的に矛盾していようが、はぐらかしであろうが、その泥は一切自分が被る」という強烈な意志が感じられ、これは正直かなり手ごわい。仙谷長官が正面から議論に応じるよう、次回の質疑では、質問の内容やスタイルを相当に変えていかねばならないと思ったことでした。

 一時間半の質問、というのは簡単そうに見えるかもしれませんが、実は準備に相当の時間を費やします。

 刑事訴訟法なんて学生の時に少し触ったくらいで今回改めて読み直してみたのですが、ひととおり理解するのに随分と苦労しました。ましてや検察庁法など読んだこともなく、久しぶりに学生の時のような気分を味わいました。

 ただ、昨日の質疑の最中に、民主党議員から発せられる野次には随分幻滅させられました。

 野次も機転の効いたものや本質を突いたものはそれなりに意味があるのですが、「何故ASEMに中国語通訳を同行させなかったか」と問うと「英語さえ通じればいいんだ!わざと向こうが何を言っているかわからないようにするのが外交だ!」と叫び、「起訴便宜主義の立法趣旨は」と問えば「質問通告がないのに答えられるはずがないだろう!」と野次る輩は一体何か。

 そんなことが外交であるはずもなく、今回の尖閣海域事案の一番のキーワードが起訴便宜主義なのに、そんなこともわからずただ野次っている議員のレベルは相当に低い。なんでこんな人たちを有権者に選ばせてしまったのか、自民党は大いに反省しなくてはなりません。

 初日は、石原、石破、河野の組み合わせでしたが、二日目以降はおもにシャドー・キャビネットのメンバーを並べました。まだそんなにマスコミに売れてはいないけれど、自民党には実力のある議員は少なからず居ます。

 現在の民主党政府の大臣と対峙させ、やはり自民党のほうがよいと有権者に実感していただかなくては自民党に対する支持が回復するはずもありません。
 やたらと威張ってみたり、恫喝してみたり、ただ付き合いの良さや面倒見の良さが売りだったりする議員が幅を利かせているようでは、やはり自民党は変わっていないのだな、と思われても仕方ないのではないでしょうか。

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