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防衛費はなぜ増えた? 今年の「防衛白書」を僕はこう読む!

8月28日の閣議で、小野寺五典防衛大臣は2018年版「防衛白書」を報告した。北朝鮮をめぐる現状を、「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」だと強調している。新聞各紙は、前年の「防衛白書」より表現を強めていることを一斉に報じたのだが、僕は、この報道に対して、強い違和感を持った。

昨年、トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩書記長を徹底的に敵視した。もしかしたら、アメリカが武力行使するのではないか、という恐れさえあった。

アメリカが北朝鮮に対して武力行使すれば、北朝鮮は報復として日本や韓国を攻撃してくるかもしれない。そういう危機感が、日本中に充満していたのだ。だから安倍晋三首相は、「安保法制の意義を問い直す」といって衆議院を解散し、総選挙をした。

しかし今年6月、シンガポールでトランプ大統領と金正恩書記長との会談が実現した。アメリカと北朝鮮の首脳が会談するのは、史上初のことだ。この会談で北朝鮮は、期限は設けないものの、「核廃棄」を約束した。対してアメリカは、北朝鮮の体制を守るとした。

北朝鮮を巡る事態は、大きく変わったのだ。日本政府も、弾道ミサイル飛来の危機は去ったとして、住民の避難訓練を中止した。

その後も、金正恩書記長が、ポンペオ国務長官との会談を拒否するなど、問題は続いているが、トランプ大統領は金正恩書記長をまったく批判せず、2度目の会談の可能性まで示唆している。

今後、北朝鮮に対して、アメリカが武力行使に出る可能性は低いだろう。そもそも中間選挙を前にしたトランプ大統領に、そんな余力はないはずだ。「ニューヨーク・タイムズ」は、「トランプ冬の時代」と報じている。中間選挙はトランプ大統領にとって非常に厳しいものになる、という見方だ。

「防衛白書」も「米朝会談に意味はあった」と、認めてはいる。しかし、一方で、北朝鮮の「差し迫った脅威」をことのほか強調し、迎撃ミサイルの必要性を、これまでになく強調している。いったいなぜか。僕が違和感を覚えるゆえんだ。

昨年、日本政府は、地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」をアメリカから購入し、導入を決めた。秋田と山口が配備の候補地だ。ところが、当初800億円という見通しだった導入予算は、維持費などを含めて、いまや、5000億円とも6000億円とも言われている。

加えて、強い電磁波による周辺住民への健康被害や、配備によって攻撃対象になるかもしれないという不安もある。自衛隊内部からの批判もあるという。

トランプ大統領から、高額な武器を購入せよという、強い要望があり、それに対して配慮した――。こう思われても仕方ないだろう。もし、そうなら、これはアメリカへの「ゴマすり」であり、対米追従の典型になる。「防衛白書」の記述が、「ゴマすり」の正当化だとしたら、言語道断ではないか。新聞をはじめとするメディアは、この点を、もっと鋭く追及し、強く批判すべきなのだ。

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